2021年04月18日

Madlib『Sound Ancestors』

Four Tetとのコラボ☆Madlib『Sound Ancestors』

発表年:2021年
ez的ジャンル:ハイパーHip-Hop
気分は... :音の祖先から未来へ!

新作アルバムから人気Hip-HopアーティストMadlibの最新作『Sound Ancestors』です。

Madlib(本名:Otis Jackson Jr.)に関して、当ブログでは以下の9作品を紹介済みです。

 Yesterdays New Quintet『Angles Without Edges』(2001年)
 Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
 Jaylib『Champion Sound』(2003年)
 Yesterdays New Quintet『Stevie』(2004年)
 Sound Directions『The Funky Side Of Life』(2005年)
 Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
 Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
 Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)
 The Jahari Massamba Unit『Pardon My French』(2020年)

今年に入ってKarriem Rigginsと組んだユニットThe Jahari Massamba Unitの初アルバム『Pardon My French』を紹介したばかりですが、早くも新作がリリースされました。

The Jahari Massamba Unit『Pardon My French』(2021年)

最新作『Sound Ancestors』Madlib単独名義のアルバムですが、実質的にはFour Tet (Kieren Hebden)とのコラボ作品です。Four Tetはエディット/アレンジ/マスタリング担当でクレジットされています。

Four Tet (Kieren Hebden)は、1978年ロンドン生まれのミュージシャン/プロデューサー/リミキサー。フォーク×エレクトロニカな音楽スタイルであるフォークトロニカのパイオニアとして有名ですね。

そんな二人が数年かけて制作したコラボ・アルバムはMadlib Invazionからのリリースです。

Hip-Hopの鬼才×UKエレクトロニカ〜フォークトロニカの鬼才のタッグによるジャンルを枠を飛び越えたハイパーHip-Hopを楽しめます。

1stシングルにもなったThe Ethics「Lost in a Lonely World」ネタの「Road Of The Lonely Ones」J Dillaに捧げられた「Two for 2 -For Dilla」、ブラジルのモダン・インストゥルメンタル・グループQuartabeをサンプリングした「One For Quartabe/Right Now」、Young Marble Giants「Searching for Mr. Right」ネタのダーク・トラック「Dirtknock」、スパニッシュ・ギターが印象的な「Latino Negro」、切れ味鋭いビートとソウル・フィーリングの「Chino」などファンを満足させる全16トラック。

タイトルは"Sound Ancestors(音の祖先)"ですが、鬼才二人が繰り広げる音の未来を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「There Is No Time (Prelude)」
アルバムのプレリュード。コズミック・モードです。
https://www.youtube.com/watch?v=3tINiXByLNg

「The Call」
Terry Britten「Bargain Day」をサンプリングしたロック・モードのハイパーHip-Hopに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UYnV8MXNYPA

「Theme De Crabtree」
MTK「Crabtree Music Library Vol. 2」をサンプリング。哀愁モードながらもトリップ感のあるHip-Hopサウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6Jl0f145ez4

「Road Of The Lonely Ones」
1stシングルにもなったトラック。The Ethics「Lost in a Lonely World」をサンプリングしたスウィート・ソウルなレトロ感を逆手にとった感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Y52M28WQu2s

「Loose Goose」
Renaldo and the Loaf「A Critical Dance」をサンプリング。人を食ったようなユーモラスな雰囲気ですが、なかなか楽しめるビートです。
https://www.youtube.com/watch?v=YcF3nWKNp8I

「Dirtknock」
Young Marble Giants「Searching for Mr. Right」のヴォーカル・ネタとJoe Farrell「Upon This Rock」のドラム・ネタの組み合わせたダークな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=BMBjoK1s3fA

「Hopprock」
Johnny Jungle「Killa Sound」をサンプリング。アンビエントな雰囲気で始まりますが、途中からビートを効かせた神秘的なHip-Hopサウンドが展開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=iOmgkVF5Anw

「Riddim Chant」
Mighty Tom Cats「Love Potion-Cheeba-Cheeba」のドラム・ネタをサンプリング。J Dilla以降のHip-Hop好きの人であれば安心して聴けるトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=qu0qSJGnlOE

「Sound Ancestors」
タイトル・トラックはトライバル・モード全開のパーカッシヴ・リズムな前半とスピリチュアル・ジャズな後半とのコントラストが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=tkoaYEUBvA0

「One For Quartabe/Right Now」
Quartabe「Lembre-Se」、Brand X「Malaga Virgin」をサンプリング。ブラジルのモダン・インストゥルメンタル・グループQuartabeを取り上げるあたりがMadlibですね。浮遊するキャッチーなジャズ/フュージョン・フィーリングをうまくHip-Hopに落とし込んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=MzgNcT6-mS4

「Hang Out (Phone Off)」
メロウな雰囲気とMadlibらしいビート感覚の組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=9bmx6-Y180g

「Two for 2 -For Dilla」
タイトルの通り、J Dillaに捧げられたトラック。Sly, Slick and Wicked「Love Gonna Pack Up (And Walk Out)」、Mary Holmes「I'll Make It Up to You」をサンプリング。J Dillaを重ね合わせて、このコズミック・トラックを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=5foFDKlivbE

「Latino Negro」
スパニッシュ・ギター×今ジャズ・ビートの組み合わせが面白いトラック。ありそうでない雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9ZnpFjEiBtY

「The New Normal」
まさにニューノーマルなHip-Hopといった感じのスケールの大きなコズミック・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=noXek1BwHhE

「Chino」
Phife Dawg「Ben Dova」のドラム・ネタとLyn Collins「Think (About It)」のヴォーカル・ネタの組み合わせ。切れ味鋭いビートとソウル・フィーリングがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=l8tYjz_TaSQ

「Duumbiyay」
Six Boys in Trouble「Zum, Zum」をサンプリング。ラストは子どもヴォーカル・ネタの民族音楽モードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BS_A9tu8yek

Madlib関連の過去記事もチェックを!

Yesterdays New Quintet『Angles Without Edges』(2001年)
Angles Without Edges by Yesterdays New Quintet (2001-05-03)

Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
Shades of Blue

Jaylib『Champion Sound』(2003年)
Champion Sound

Yesterdays New Quintet『Stevie』(2004年)
Stevie: Instrumental Tribute to Stevie Wonder

Sound Directions『The Funky Side Of Life』(2005年)
Funky Side of Life

Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
Liberation

Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
Sujinho

Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)
Yessir Whatever

The Jahari Massamba Unit『Pardon My French』(2021年)
posted by ez at 01:38| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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