発表年:1977年
ez的ジャンル:後期フィリー系ディスコ/ソウル/ジャズ・ファンク
気分は... :構成から肌理へ・・・
今回は後期フィリー・サウンドを支えたミュージシャンDexter Wanselの『What the World Is Coming To』(1977年)です。
単独CD化が未実現のため、上記ジャケおよびAmazonへのリンクは『Life on Mars』(1976年)との2in1CDです。
1950年フィラデルフィア出身のキーボード奏者/プロデューサー/アレンジャーDexter Wanselの紹介は、『Time Is Slipping Away』(1979年)に続き2回目となります。
Gamble & HuffのPhiladelphia International Records(PIR)において、70年代後半よりプロデューサー/アレンジャー/ソングライティングとして重用され、The Jacksons、MFSB、Billy Paul、Jean Carn、Lou Rawls、Teddy Pendergrass、Patti LaBelle、The Stylistics、<The Jones Girls等を手掛けたDexter Wansel。
本作『What the World Is Coming To』(1977年)は、『Life on Mars』(1976年)に続く2ndアルバムです。
プロデュースはDexter Wansel自身。
レコーディングにはDexter Wansel(syn、el-p、p、per、vo)以下、Idris Muhammad(ds)、Billy Johnson(ds)、Darryl Brown(ds)、Charles Collins(ds)、Derek Graves(b)、Herb Smith(g)、Dennis Harris(g)、Steve Gold(key)、Bob Malach(ts)、Al Harrison(tp、flh)、Jean Carn(back vo)、Barbara Ingram(back vo)、Carla Benson(back vo)、Evette Benton(back vo)、さらにMFSB(strings、horns)といったミュージシャンが参加しています。
全9曲。ディスコ、ジャズ・ファンク、ソウルがバランス良く配された構成です。
ダンス系であれば、ガラージ・クラシック「Disco Lights」、MFSBもカヴァーした「Dance With Me Tonight」がおススメです。
ドラマティックなジャズ・ファンク「First Light Of The Morning」、ビューティフルなインスト・バラード「What The World Is Coming To」はサンプリング・ソースとしても人気です。
Marilyn Scottのカヴァーでも知られる「Dreams Of Tomorrow」、素敵なメロウ・バラード「Holdin' On」もおススメです。
アルバム1枚でいろいろと楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「First Light Of The Morning」
Dexter Wansel作。荘厳な雰囲気で始まるオープニング。全体としてはMFSBが活躍するドラマティックなジャズ・ファンクといった感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=QWWApBWJbq4
J Dilla「Track 26」、Dave Nitty「This Is What You Need」、Universal Soldiers「Snakes & Ladders」、Royce Da 5'9''「New Money」等のサンプリング・ソースとなっています。
Dave Nitty「This Is What You Need」
https://www.youtube.com/watch?v=4gQAqKIepoo
Universal Soldiers「Snakes & Ladders」
https://www.youtube.com/watch?v=B5w4twR3lQ4
Royce Da 5'9''「New Money」
https://www.youtube.com/watch?v=70KVQL38wy0
「Dance With Me Tonight」
Bunny Sigler/Dexter Wansel作。MFSBもカヴァーしたディスコ・トラック。夜遊びモードのアーバン・ディスコはモロに僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=PG9Qh3fNUkw
MFSBヴァージョンと聴き比べるのも楽しいのでは?
MFSB「Dance With Me Tonight」
https://www.youtube.com/watch?v=83EMMPMGqds
「Holdin' On」
Bunny Sigler/Dexter Wansel作。Jean Carnがバック・ヴォーカルを務める素敵なメロウ・バラード。ロマンティック・ムードを演出するストリングスもグッド!
Lawrence Hilton-Jacobsがカヴァーしています。
Lawrence Hilton-Jacobs「Holdin' On」
https://www.youtube.com/watch?v=dUDSmlfx85E
「Ode Infinitum」
Derrick Graves作。鮮やかなホーン隊と格好良いベースが牽引するインスト・ジャズ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=b29wfBiUEX8
「Disco Lights」
Dexter Wansel作。ガラージ・クラシックらしいですが、ディスコというよりもスペイシーなジャズ・ファンクといった雰囲気です。後半のヴォーカルが入ってくるとディスコ度が増しますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=u92dh7l73Ok
Jean Jacques Smoothieがカヴァーしています。
Jean Jacques Smoothie「Disco Lights」
https://www.youtube.com/watch?v=KKIpeyJiHKg
「What The World Is Coming To」
Dexter Wansel作。タイトル曲にはIdris Muhammad(ds)が参加。子供の無邪気な声が響くビューティフルなインスト・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=kgn05leKS1Q
Mobb Deep「Heat」、DJ Khaled feat. Kanye West, Consequence and John Legend「Grammy Family」、ScHoolboy Q「JoHn Muir」、Isaiah Rashad「The Spill」、Agallah feat. Sean Price and Bazaar Royale「Rising to the Top」等のサンプリング・ソースとなっています。
Mobb Deep「Heat」
https://www.youtube.com/watch?v=-Rp0ycv1tPI
DJ Khaled feat. Kanye West, Consequence and John Legend「Grammy Family」
https://www.youtube.com/watch?v=vzS12l5gMwQ
ScHoolboy Q「JoHn Muir」
https://www.youtube.com/watch?v=Iuq9XK6tojs
Isaiah Rashad「The Spill」
https://www.youtube.com/watch?v=qtzZzAcqVrk
Agallah feat. Sean Price and Bazaar Royale「Rising to the Top」
https://www.youtube.com/watch?v=u6q6vzbuOrI
「Going Back To Kingston Town」
Dexter Wansel作。意表を突くレゲエ・チューンです。Jean Carnがバック・コーラスを務めます。
https://www.youtube.com/watch?v=Mus6olernK8
「Dreams Of Tomorrow」
Dexter Wansel作。Jean Carnがヴォーカルをとる美しいミディアム・グルーヴ。
当ブログでも紹介したMarilyn Scottのカヴァーでもお馴染みの曲ですね。
Marilyn Scott「Dreams Of Tomorrow」
https://www.youtube.com/watch?v=aEKAS6syXl4
「Prelude #1」
Dexter Wansel作。ラストはWanselの美しいピアノとストリングスによる感動的なインストで締め括ってくれます。
Droop-E feat. Kendrick Lamar「Rossi Wine」のサンプリング・ソースとなっています。
Droop-E feat. Kendrick Lamar「Rossi Wine」
https://www.youtube.com/watch?v=cfypTOCF4bA
『Voyager/Time Is Slipping Away』(1978/1979年)
『Time Is Slipping Away』(1979年)