発表年:1967年
ez的ジャンル:ソフト・ロック系黒人コーラス・グループ
気分は... :記憶のトポス!
今回は60年代後半から70年代前代に人気を博した黒人コーラス・グループThe 5th Dimensionの2ndアルバム『The Magic Garden』(1967年)です。
Florence LaRue、Lamonte McLemore、Billy Davis Jr.、Marilyn McCoo、Ron Townsonという5人組グループThe 5th Dimensionの紹介は、ベスト・アルバム『Greatest Hits on Earth』(1972年)に続き2回目となります。
また、グループ脱退後にBilly Davis Jr.、Marilyn McCooがリリースした夫婦デュオ・アルバムMarilyn McCoo & Billy Davis Jr.『I Hope We Get To Love In Time』(1976年)も紹介済みです。
本作『The Magic Garden』(1967年)は、ヒット・シングル「Up, Up and Away」を収録した大ヒット・デビュー・アルバム『Up, Up and Away』(1967年)に続く2ndアルバムです。
残念ながら、前作のようなヒットはしませんでしたが、内容的には今聴いても楽しめる1枚です。
プロデュースはBones Howe。また、Jimmy WebbがThe Beatlesの名曲カヴァー「Ticket to Ride」以外のソングライティングとアレンジを手掛けています。
また、レコーディングにはHal Blaine、Joe Osborn、Larry Knechtel、Mike Deasy、Tommy Tedesco、Johnny Riversといったミュージシャンが参加しています。
シングルにもなった「Paper Cup」、「Carpet Man」、「The Girls' Song」という3曲と、タイトル曲「The Magic Garden」、素晴らしいコーラス・ワークの「Orange Air」あたりがおススメです。
The 5th DimensionとJimmy Webbとのタッグが生んだ充実の1枚を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Prologue」
美しいストリングを配したプロローグ。
「The Magic Garden」
タイトル曲はソフトロックな魅力があるポップ・ソウル。躍動する前半としっとり聴かせる後半とのコントラストも鮮やかです。
https://www.youtube.com/watch?v=zEGbbZDoOpE
Dusty Springfieldがカヴァーしています。Phonte feat. Pharoahe Monch「We Go Off」のサンプリング・ソースとなっています。
Dusty Springfield「The Magic Garden」
https://www.youtube.com/watch?v=gOOttnSY7fQ
Phonte feat. Pharoahe Monch「We Go Off」
https://www.youtube.com/watch?v=h3PTvN6XC9s
「Summer's Daughter」
流麗なストリングが似合う美しいポップ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=l4SSXfZCvyU
「Dreams/Pax/Nepenthe」
サイケでクラシカルという不思議な雰囲気の1曲に仕上がっています。こういうのが1967年らしいのかもしれませんね。
「Carpet Man」
同時期にJohnny Riversも取り上げていた曲。前のめりな疾走感のあるソフトロック調のグルーヴィー・チューン。シングル・カットされ、USチャート第28位となっています。
https://www.youtube.com/watch?v=IiHav7FUzJw
Johnny Rivers「Carpet Man」
https://www.youtube.com/watch?v=qu5fBuJgktE
「Ticket to Ride」
The Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。オリジナルは『Help!』(1965年)収録。少しテンポを遅くしたポップ・ソウルで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wuX29FBVC6g
「Requiem: 820 Latham」
トリップ感のある哀愁バラード。1967年らしい仕上がりかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=EV4nGEx_5L8
MF DOOM「Lemon Grass」等のサンプリング・ソースとなっています。
MF DOOM「Lemon Grass」
https://www.youtube.com/watch?v=ubgEOMvHm9U
「The Girls' Song」
女性陣2人がリード・ヴォーカルをとる本曲が僕の一番のお気に入り。エヴァーグリーンな魅力のあるメロウ・ポップに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=1ErvZ6lz2AA
Jackie DeShannonがカヴァーしています。
Jackie DeShannon「The Girls' Song」
https://www.youtube.com/watch?v=yEPh95tVgXo
「The Worst That Could Happen」
Billy Davis, Jr.のヴォーカルの素晴らしさを堪能できるポップ・ソウル・バラード。Jimmy Webbのソングライティングも素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ALM8OCKXkzY
Brooklyn Bridge、Freddie Ryder、The Lettermen、Sheila Southern、J. Vincent Edwards、Hajji Alejandro等がカヴァーしています。
Brooklyn Bridge「The Worst That Could Happen」
https://www.youtube.com/watch?v=1Wn04VG_D3g
The Lettermen「The Worst That Could Happen」
https://www.youtube.com/watch?v=IHSUo0Wd5qA
J. Vincent Edwards「The Worst That Could Happen」
https://www.youtube.com/watch?v=aERD_9d5Q5Q
「Orange Air」
この曲も大好き!素晴らしいコーラス・ワークで楽しませてくれる、ドラマティックで躍動するポップ・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=V0jfxEqEHS8
Arsonists「What You Want」、Jibbs「Yeah Boii」、Wise Intelligent「Mama Cry」、Lloyd Banks「Practice」、Ago「Questa E' Per...」等のサンプリング・ソースとなっています。
Lloyd Banks「Practice」
https://www.youtube.com/watch?v=h3KDS38e3L0
「Paper Cup」
アルバムからの1stシングル。ソフトロック好きの人は気に入るであろうドリーミーなポップ・ソウル。完成度ではアルバム随一かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=-IglqUVVR-k
Ray Bryant、Bud Shankがカヴァーしています。
Ray Bryant「Paper Cup」
https://www.youtube.com/watch?v=x7FkRfiW1k0
Bud Shank「Paper Cup」
https://www.youtube.com/watch?v=5FCKJbLJ77Y
「Epilogue」
美しいストリングを配したエピローグ。
The 5th Dimensionの他の初期作品もチェックを!
『Up, Up and Away』(1967年)
『Stoned Soul Picnic』(1968年)
『The Age of Aquarius』(1969年)
『Portrait』(1970年)
『Live!!』(1971年)
『Greatest Hits on Earth』(1972年)
フィフス・ディメンション、いいですね。
特にボーンズ・ハウのサウンドプロダクションって大好きなんですよ。ちょっと後のモンキーズの「Someday Man」とか。ジョー・オズボーンとハル・ブレインのリズム隊も最高です。
ありがとうございます。
ヒット曲はありませんが、サイケで、ポップで、ソウルな1967年らしい1枚ですね。
>特にボーンズ・ハウのサウンドプロダクションって大好きなんですよ。
240さんらしい着眼点(着耳点?)ですね!
お互いの楽しみ方で5th Dimensionを満喫しましょう。