2021年06月01日

Fania All-Stars『Delicate & Jumpy』

クロスオーヴァー路線の第一弾☆Fania All-Stars『Delicate & Jumpy』

発表年:1976年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー系N.Y.ラテン
気分は... :別の仮面・・・

今回はクロスオーヴァーなN.Y.ラテン、Fania All-Stars『Delicate & Jumpy』(1976年)です。

N.Y.のラテン専門レーベルFniaのオールスター・グループFania All-Starsについて、当ブログでこれまで紹介したのは以下の3枚。

 『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)
 『Latin-Soul-Rock』(1974年)
 『Rhythm Machine』(1977年)

『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)に続いて紹介するには、1977年リリースの『Rhythm Machine』(1977年)です。

N.Y.サルサの熱狂ぶりを収めた伝説のライブ・アルバム『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)のイメージが強いFania All-Starsですが、70年代後半にColumbiaよりリリースした『Delicate and Jumpy』(1976年)、『Rhythm Machine』(1977年)、『Spanish Fever』(1978年)、『Cross Over』(1979年)という4枚は、ラテン/サルサをベースとしつつも、フュージョン、ディスコ、ソウル、ロックの要素を取り入れたクロスオーヴァー色の強い作品に仕上がっています。

そのクロスオーヴァー路線の第一弾となるのが本作『Delicate and Jumpy』(1976年)です。

プロデュースはGene PageBilly PageJerry Masucci

レコーディングにはJohnny Pacheco(fl、per)、Bobby Valentin(b)、Ray Barretto(congas)、Nicky Marrero(timbales)、Roberto Roena(bongos)、Papo Lucca(p)が参加し、さらにはスペシャル・ゲストとしてUKの人気ロック・ミュージシャンSteve Winwood(g)も参加しています。

正直、『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)あたりのFania All-Starsとは別物として聴かないと、かなりのギャップを感じるはずです。

したがって、本格的なN.Y.ラテン/サルサを期待される方にはおススメしません。あくまでN.Y.ラテンのエッセンスを取り込んだクロスオーヴァー・ラテンであることを前提にお楽しみください。

一般的にはクロスオーヴァー路線らしいアーバン・ラテン・ダンサー「I'll See You Again」Tito Puente作品のカヴァー「Picadillo」、サンプリング・ソースとして人気の「Fania All Stars' Cha Cha Cha」あたりが人気なのでは?

個人的にはRay Parker, Jr.作のアーバン・ラテン・ディスコ・ファンク「Sabrosa」The Righteous Brothersの大ヒット曲カヴァー「You've Lost That Lovin' Feeling」、開放的なジャズ・ファンク「Foofer Soofer」もおススメです。

Fania All-Starsという名前に惑わされず、クロスオーヴァーなラテン作品としてお聴きください。

全曲を紹介しときやす。

「Desafio (Challenge)」
Gene Page作。Gene Pageらしいアレンジを満喫できる哀愁メロウなラテン・グルーヴがオープニング。Johnny Pachecoのフルートの響きも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=L8V0gPOqMU0

「I'll See You Again」
Noel Coward作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。クロスオーヴァー路線らしいアーバン・ラテン・ダンサーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SDILa3Ld4bo

「El Himno De Amor (Anthem Of Love)」
Gene Page作。Steve Winwoodのメロウ・ギターを楽しめるミッドテンポのラテン・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=cQG6VGRO0qw

「You've Lost That Lovin' Feeling」
「ふられた気持」の邦題でお馴染み、The Righteous Brothers、1964年の大ヒット曲をカヴァー(Barry Mann/Cynthia Weil作)。お馴染みの名曲をクロスオーヴァーなアーバン・ラテンへと変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=7jbLI5J-jeU

「Picadillo」
Tito Puente作品をカヴァー。本作ではN.Y.ラテンらしさ最も感じるラテン・ファンクに仕上がっています。N.Y.ラテンらしいピアノ、トロンボーン、コンガ、ティンバレスがいいですね。Steve Winwoodのギター・ソロもたっぷり聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=kWXNrFwJGgI

「Fania All Stars' Cha Cha Cha」
Billy Page作。ムーディーな哀愁ラテンですが、サンプリング・ソースとしての人気も手伝って本作の注目曲の1つとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=e8NfQseVQxI

Keyshia Cole「(I Just Want It) to Be Over」Kool G Rap「My Life」、Tayyib Ali「Keystone State of Mind」、Blackalicious「Making Progress」、Fly Union「Checking for You」、MC Shy D feat. DJ Smurf「Hit the Skunk」、Afrob feat. Ferris MC「Reimemonster」、KRS-One「Just Like That」、Da Beatminerz feat. Naughty by Nature「Thug Love」等のサンプリング・ソースとなっています。
Keyshia Cole「(I Just Want It) to Be Over」
 https://www.youtube.com/watch?v=XdsDqkony7M
Kool G Rap「My Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=lF3gwrpy8p4
Tayyib Ali「Keystone State of Mind」
 https://www.youtube.com/watch?v=DC7IvocbuT4
Blackalicious「Making Progress」
 https://www.youtube.com/watch?v=dR_Z58jqIDc
Fly Union「Checking for You」
 https://www.youtube.com/watch?v=_GKQpoI5HYI
MC Shy D feat. DJ Smurf「Hit the Skunk」
 https://www.youtube.com/watch?v=lzktSEbha90
Afrob feat. Ferris MC「Reimemonster」
 https://www.youtube.com/watch?v=v-Jxe_cEx_w
KRS-One「Just Like That」
 https://www.youtube.com/watch?v=9kUzIZc1w24
Da Beatminerz feat. Naughty by Nature「Thug Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=rP4TwbRI1BU

「Foofer Soofer」
M. Ragen作。開放的なホーン・アンサンブルが印象的なジャズ・ファンク。あまりラテンを気にせずともジャズ・ファンク好きならば楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=teSZ18o8Bf0

「Lullaby From Rosemary's Baby」
Roman Polanski監督の映画『Rosemary's Baby(邦題:ローズマリーの赤ちゃん)』挿入曲をカヴァー(Krzysztof Komeda作)。美しいインスト・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=EqP35eDryXc

「Sabrosa」
Ray Parker, Jr.作。格好良いギター・カッティングが先導するアーバンなラテン・ディスコ・ファンク。個人的には一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=U36giGITKWY

Fania All-Starsの他作品もチェックを!

『Live at the Red Garter Vol.1』(1968年)
Vol. 1-Live at the Red Garter

『Live at the Red Garter Vol.2』(1969年)
Vol. 2-Live at the Red Garter

『Live At The Cheetah Vol.1』(1972年)
Live at the Cheetah, Vol. 1

『Live At The Cheetah Vol.2』(1972年)
Live at the Cheetah, Vol. 2

『Latin-Soul-Rock』(1974年)
Latin-Soul-Rock

『Live at Yankee Stadium Vol.1』(1976年)
Vol. 1-Live at Yankee Stadium

『Live at Yankee Stadium Vol.2』(1976年)
Vol. 2-Live at Yankee Stadium

『Live in Japan 76』(1976年)
Fania All Stars in Japan

『Rhythm Machine』(1977年)
Rhythm Machine

『Spanish Fever』(1978年)
Spanish Fever

『Cross Over』(1979年)
Cross Over

『Commitment』(1980年)
Commitment

『California Jam』(1980年)
California Jam
posted by ez at 02:03| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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