発表年:1979年
ez的ジャンル:名トランぺッター系ジャズ/フュージョン
気分は... :Zanzibar!
今回は名トランぺッターFreddie Hubbardの『The Love Connection』(1979年)です。
これまで当ブログで紹介したFreddie Hubbard(1938-2008年)作品は以下の6枚。
『Hub Tones』(1962年)
『Breaking Point』(1964年)
『Backlash』(1966年)
『A Soul Experiment』(1969年)
『The Black Angel』(1969年)
『Red Clay』(1970年)
本作『The Love Connection』(1979年)は、Claus Ogermanを共同プロデューサー&アレンジャーに迎え、フュージョンとジャズが併用された作品に仕上がっています。
この時期のFreddie Hubbardは、Herbie Hancock、Wayne Shorter、Ron Carter、Tony WilliamsとのV.S.O.P. The Quintetでの活動でも注目を集めていた時期です。
個人的には、それ以上にBilly Joel『52nd Street』(1978年)収録の「Zanzibar」への参加が印象深いですね。
当時中学生の僕が最初に購入した5枚の洋楽アルバムのうちの1枚が同作であり、「Zanzibar」でのソロが僕のFreddie Hubbard初体験でした。当時はジャズなど全くピンと来ませんでしたが、Hubbardプレイが演奏全体の中でスペシャルな存在感を示していることだけが何となく分かりました。
そんな個人的な思い出と重ねながら、本作『The Love Connection』(1979年)を聴いてします。
プロデュースはFreddie HubbardとClaus Ogerman。
レコーディングにはFreddie Hubbard(tp、flh)以下、Snooky Young(tp)、Chuck Findley(tp)、Dick "Slyde" Hyde(tb)、Phil Ranelin(tb)、Joe Farrell(ts、fl)、Tom Scott(ts、fl)、Ernie Watts(ts、fl)、Chick Corea(key)、Stanley Clarke (b)、
Chuck Domanico(b)、Chester Thompson(ds)、Jumma Santos(per)、Rubens Bassini(per)、Al Jarreau(vo)、Claus Ogerman(conductor、arr)等のミュージシャンが参加しています。
今日的には本作といえば、クラブジャズ方面から再評価され、サンプリング・ソースとしても人気となった「Little Sunflower」収録のアルバムという認知が高いかもしれませんね。『Backlash』(1966年)収録の人気曲をAl Jarreauのヴォーカル入りで再演された本曲狙いで本作を購入する人もかなり多いと思います。
それ以外であれば、ロック・ビートによるフュージョンのタイトル曲「Love Connection」、ポピュラー・スタンダードをジャズとフュージョンの両面で楽しませてくれる「Lazy Afternoon」がおススメです。
まずは「Little Sunflower」を楽しみつつ、Claus OgermanとHubbardのタッグを楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Love Connection」
Freddie Hubbard作。ロック・ビートによるフュージョンのタイトル曲がオープニング。ライナーノーツにも書いてありましたが、ここでのHubbardの伸びやかなプレイはこの時期のChuck Mangioneあたりとリンクするかもしれませんね。Chick Coreaのシンセによるアクセントもこの時代らしくていい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=f740cbOv9s4
「Brigitte」
Freddie Hubbard作。『Keep Your Soul Together』(1973年)収録曲の再演です。途中、スウィンギーな雰囲気を挟みつつ、ロマンティックなバラード演奏で
魅せてくれます。
「This Dream」
Claus Ogerman作。Claus Ogerman起用の効果が最大限発揮された美しいオーケストレーションを配したロマンティックかつドリーミーなバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=a3Y_ovcWshk
「Little Sunflower」
Freddie Hubbard/Al Jarreau作。本作のハイライト。『Backlash』(1966年)収録の人気曲をAl Jarreauのヴォーカル入りで再演。ラテン・ビートを採り入れつつ、Al Jarreauのヴォーカルが入ることで深遠なムードが漂います。『Backlash』ヴァージョンも好きですが、本ヴァージョンもかなりいいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=l86Aj1CxJ5M
ヴォーカル入り「Little Sunflower」では、当ブログで紹介したJerker Kluge's Deep Jazz、The Jazzinvaders Featuring Dr. Lonnie Smithをはじめ、Dwight Trible等もカヴァーしています。
Jerker Kluge's Deep Jazz「Little Sunflower」
https://www.youtube.com/watch?v=XsT65uqjJnE
The Jazzinvaders Featuring Dr. Lonnie Smith「Little Sunflower」
https://www.youtube.com/watch?v=xlRY12LTxXo
Dwight Trible「Little Sunflower」
https://www.youtube.com/watch?v=3i6W8SZMou8
サンプリング・ソースとしても人気です。当ブログで紹介したA Tribe Called Quest「The Love」をはじめ、Real Live「Ain't No Love」、Raekwon「Walk Wit Me」、DJ Jazzy Jeff and Ayah「One Life」、Theo Parrish「The Motor City」、Gagle「雪ノ革命」等20トラック以上のサンプリング・ソースとなっています。
A Tribe Called Quest「The Love」
https://www.youtube.com/watch?v=DWNwl99keJY
Real Live「Ain't No Love」
https://www.youtube.com/watch?v=oVefO1n-ywM
Raekwon「Walk Wit Me」
https://www.youtube.com/watch?v=9ONVtlGC34c
DJ Jazzy Jeff and Ayah「One Life」
https://www.youtube.com/watch?v=n0Yr-Me_8ec
Theo Parrish「The Motor City」
https://www.youtube.com/watch?v=3c-DUpk62Ig
Gagle「雪ノ革命」
https://www.youtube.com/watch?v=fDLEBI3MYzk
「Lazy Afternoon」
ミュージカル『The Golden Apple』(1954年)のために書かれたポピュラー・スタンダード(Jerome Moross/John La Touche作)。
当ブログではPete La Roca、Alive!、Marty Paich Big Bandのカヴァーも紹介済みです。前半はClaus Ogermanらしいオーケストレーションをバックに、Hubbardが味わい深いバラードを聴かせてくれます。後半は一転してエキサイティングに躍動するフュージョン演奏で楽しませてくれます。ラストは再びバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bcFiyNJjxOM
DJ Friction and Creutzfeld & Jakob「Hip Hop Music」のサンプリング・ソースとなっています。
DJ Friction and Creutzfeld & Jakob「Hip Hop Music」
https://www.youtube.com/watch?v=V4tQOCMnLCo
Freddie Hubbardの過去記事もご参照下さい。
『Hub Tones』(1962年)
『Breaking Point』(1964年)
『Backlash』(1966年)
『A Soul Experiment』(1969年)
『The Black Angel』(1969年)
『Red Clay』(1970年)