発表年:2008年
ez的ジャンル:カリスマ系男性R&B
気分は... :非相称性の美学・・・
今回はカリスマ的存在感を放つ男性R&BアーティストJesse Boykins IIIのデビュー・アルバム『The Beauty Created』(2008年)です。
1985年シカゴ生まれの男性R&BアーティストJesse Boykins IIIの紹介は、『Love Apparatus』(2014年)、N.Y.出身のDJ/プロデューサー/ラッパーMelo-Xと共同名義でリリースした『Zulu Guru』(2012年)に続き3回目となります。
ニュースクール大学時代にはBilalやRobert Glasperと交流を持っていたJesse Boykins III。
デビューEP『Dopamine: My Life On My Back EP』(2008年)を経てリリースされたデビュー・アルバムとなる『The Beauty Created』(2008年)には、"ネオソウルの新星"として高い評価を得た1枚です。もっとも彼自身は"ネオソウルの新星"という称されるのを嫌ったようですが。
サウンド面では異なるかもしれませんが、D'Angeloに通じる孤高のカリスマ感があるアーティストですよね。
僕もそうですが、The Soulquarians好きの人は、このデビュー・アルバムにThe Soulquarians関連の諸作を重ねてしまうのでは?
レコーディングにはJeremy Most(instruments、prog)、Anthony Coleman II(key)、Earl Travis II(b)、Steve Wyreman(el-p、key、b、g、talkbox)、Jhair Sala(congas)、 James "Booya" Richards(b)、Basil Wajdowicz(key)、Rene Del Fierro(g、prog)、Marion Ross III(tp)、Irv Washington(org、vocoder)、Daniel Moran(key)、Nicholas Ryan Gant(back vo)、Tone Whitfield(key、b)、Steve McKie(ds)、Jeremy Most(strings)、A. Blatt(instruments)、Afta-1(instruments)といったミュージシャンが参加しています。
また人気プロデューサー88-Keys、当ブログでもアルバム『Vibes』(2014年)を紹介したラッパーTheophilus London等がフィーチャリングされています。
楽曲はすべてJesse Boykins IIIと参加ミュージシャンによるオリジナルです。
ダンサブルなトラックは殆どなく、ミディアム/バラード系中心ですが、才気と色気に満ちた独特の存在感でアルバム1枚飽きることなく聴かせてくれます。
セクシーな魅力を高い音楽性を併せ持った1枚をご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Fever」
やはり"ネオソウルの新星"と呼びたくなる、才気と色気に満ちたオープニング。The Soulquarians好きの人はグッとくるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=9eHNs_SBWng
「Amorous」
憂いを帯びたヴォーカルに惹かれる哀愁メロウ。派手さはありませんがジワジワくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Vy5ajEoh8jk
「Come To My Room」
アコースティック・ギターの響きを活かしたメロウ・バラード。儚い夢のような切ないムードがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=tTTtUBjL3Go
「Whispers」
正にウィスパー・モードの短いラブ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=U67fFDuLtd8
「Shine」
トークボックスも含めて80年代エレクトリック・ファンクのエッセンスを取り入れたミディアム。僕好みの1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=AhK8YPREI9g
「Trust」
ネオソウル好きは気に入るであろう1曲。ジャジー・フィーリングとミステリアス・ムードをうまく融合させている感じがいいですね。ヴォコーダーによるアクセントも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=KTMcFytpPRU
「Victoria」
Devin The Poet、Sinoriceをフィーチャー。インタールード的な美しくも儚いムードの小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=SfoiO-BRWAk
「Pantyhose」
セクシー・モードのラブ・バラード。こういうエロエロな歌詞を歌っても似合ってしまうのが、この人のカリスマ性なのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=VKi_xKRfljA
「Itis」
Steve McKieが生ドラムを叩くミディアム。ジャジー・トランペットも含めて、心地好いネオソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=tUBKSU12qC8
「SunStar」
メロウ・ボッサ調のロマンティックなビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=CKH4LN2WYT4
「Loopy」
A. Blattによる電脳モードのトラックが格好良い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Eu8-CuLP5sw
「Connected」
人気プロデューサー88-KeysとTheophilus Londonをフィーチャー。J Dilla好きの人は気に入るであろうHip-Hopトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=2y4f5_I2BiY
「Chanel」
Afta-1による煌びやかシンセを駆使したトラックがいい感じのミディアム。ネオソウルに止まらないJesse Boykins IIIワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=jvsfQL1HGDc
「Be All Truth」
ラストは映画『Inside A Change』(2009年)のサントラにも収録されたビューティフル・ラブ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uzliUpUhGts
国内盤CDには以下の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
「Tabloids (Machine Drum Remix)」
『Dopamine: My Life On My Back EP』収録曲のリミックスその1。『Love Apparatus』のプロデュースも務めたMachinedrumによるリミックス。Machinedrumとの相性の良さを感じるエレクトリック色の強い仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=50xJjJglU7A
「Tabloids (Melo X /House Drum Remix)」
『Dopamine: My Life On My Back EP』収録曲のリミックスその2。後に『Zulu Guru』を共同名義でリリースするMeLo-Xによるリミックス。フロア仕様のダンサブル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ecQU_40Vk4w
Jesse Boykins IIIの他作品もチェックを!
Jesse Boykins III & MeLo-X『Zulu Guru』(2012年)
『Love Apparatus』(2014年)