発表年:1983年
ez的ジャンル:ミューズ系MPB
気分は... :花から花へ・・・
MPBの歌姫Gal Costaの『Baby Gal』(1983年)です。
これまで当ブログで紹介したGal Costa作品は以下の11枚。
『Gal Costa』(1969年)
『Gal』(1969年)
『India』(1973年)
『Cantar』(1974年)
『Gal Canta Caymmi』(1976年)
『Gal Tropical』(1979年)
『Aquarela Do Brasil』(1980年)
『Fantasia』(1981年)
『Minha Voz』(1982年)
『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
『Gal(1992)』(1992年)
本作『Baby Gal』(1983年)は、この時期のGal Costaの充実ぶりが窺える1枚です。軽やかなシンセ/エレピが響くアーバン・メロウなトラックが多いのもいいですね。
プロデュースはMariozinho Rocha
Cesar Camargo Mariano、Eduardo Souto Neto、Roupa Novaがアレンジを手掛けています。
メロウ・ダンサー「Sutis Diferencas」、コンテンポラリーなバイーア賛歌「Bahia De Todas As Contas」 、Djavanとの相性の良さを発揮した「Sim Ou Nao」 や「De Flor Em Flor」 、ラテン/カリビアン・テイストの開放的グルーヴ「Rumba Louca」、Ray Charles、Stevie Wonder、Jose Felicianoに捧げられた「Olhos Do Coracao」 、Galの代表曲の再演「Baby」など充実の全10曲です。
MPBの歌姫Gal Costaらしい華のある1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Mil Perdoes」
Chico Buarque作。メロウ・バラードをGalがしっとり味わい深く歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=n_RhNkmhY10
Chico Buarque本人ヴァージョンは『Chico Buarque』(1984年)収録。
Chico Buarque「Mil Perdoes」
https://www.youtube.com/watch?v=FFHQ8J53tvM
「Sutis Diferencas」
Caetano Veloso/Vinicius Cantuaria作。本作らしいアーバン・サウンドを楽しめるメロウ・ダンサー。AOR好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=9ymV36TTdR0
Vinicius Cantuaria本人のヴァージョンは『Sol Na Cara』(1996年)収録。
Vinicius Cantuaria「Sutis Diferencas」
https://www.youtube.com/watch?v=7npvhhUuh-M
「Bahia De Todas As Contas」
Gilberto Gil作。邦題「バイーアの首飾り」。コンテンポラリーな雰囲気の中にもバイーアらしいリズム&コーラスを織り交ぜた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=QEz5JTNmREU
The Manhattan Transferが英語でカヴァーしています。
The Manhattan Transfer「Hear The Voices」
https://www.youtube.com/watch?v=CZ-Fn_04N4M
「Sim Ou Nao」
Djavan作品をカヴァー。Djavan作品のカヴァーは80年代Gal作品の定番ですね。Galの歌声とDjavan作品の相性の良さを感じるミディアム・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=nBz06uW6Tdg
Djavanのオリジナルは『Alumbramento』(1980年)に収録されています。
Djavan「Sim Ou Nao」
https://www.youtube.com/watch?v=-Wm6mStGgWI
「Grande Final」
ブラジルの伝説的グループNovos Baianosの主要メンバーであったMoraes Moreiraの作品。Gal自身は本曲を"マルシャ・ポップ"と形容しているようです。開放的で軽快なサウンドと共にGalのヴォーカルも躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=x6GsPt-spyQ
「Rumba Louca」
Moacyr Albuquerque/Tavinho Paes作。ラテン/カリビアン・テイストの開放的グルーヴがいいですね。Galの華やかな雰囲気にピッタリの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=68yIiRegNmU
Willie Colonも『Criollo』(1984年)でスペイン語カヴァーしています。
Willie Colon「Noche Criolla」
https://www.youtube.com/watch?v=HDqRZqE6BKc
「Olhos Do Coracao」
Tunai/Sergio Natureza作。邦題「心の瞳」。Ray Charles、Stevie Wonder、Jose Felicianoという3人の偉大な盲目アーティストに捧げられたブラジリアン・メロウ・ソウル調の仕上がり。途中、Jose Feliciano調のギターも聴こえてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=9PLGO2p6vU8
Tunaiのオリジナルは『Olhos Do Coracao』(1983年)に収録されています。
Tunai「Olhos Do Coracao」
https://www.youtube.com/watch?v=RGuOioL-7_4
「De Flor Em Flor」
Djavan作品の2曲目。邦題「花から花へ」。透明感のあるアコースティック・ギターの音色が心地好いメロウ・ボッサをGalらしい歌い回しで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8dA4I9hi0ng
「Eternamente」
Lillane/Tunai/Sergio Natureza作。邦題「永遠に」。美しいバラードを切々と歌い上げる感動的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=AuqPTWoNjjs
「Baby」
ラストはCaetano Velosoの名曲の再レコーディング。Galはトロピカリズモの金字塔アルバム『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』(1968年)と自身のアルバム『Gal Costa』(1969年)で本曲を歌っています。ここでは本作らしいアーバン・メロウなAOR調の「Baby」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z27tUuoJ4Cg
「Baby」 (From 『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』)
https://www.youtube.com/watch?v=vLJIM9NjRwc
「Baby」 (From 『Gal Costa』)
https://www.youtube.com/watch?v=b7d6wnaRm2E
名曲「Baby」に関して、当ブログではOs Mutantesの2ヴァージョン(『Os Mutantes』収録ヴァージョン、Os Mutantes『Jardim Eletrico』収録ヴァージョン)とCaetanoの妹Maria Bethaniaヴァージョンも紹介済みです。
Gal Costaの過去記事もご参照下さい。
『Gal Costa』(1969年)
『Gal』(1969年)
『India』(1973年)
『Cantar』(1974年)
『Gal Canta Caymmi』(1976年)
『Gal Tropical』(1979年)
『Aquarela Do Brasil』(1980年)
『Fantasia』(1981年)
『Minha Voz』(1982年)
『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
『Gal(1992)』(1992年)