発表年:2021年
ez的ジャンル:現在進行形ジャズ・ドラマー
気分は... :秋の夜長のジャズ・・・
今ジャズ新作からNate Smith『Kinfolk 2: See The Birds』です。
Nate Smithは、1974年ヴァージニア州チェサビーク生まれ。
2000年頃からドラマーとしての活動を活発化させ、ジャズ、R&B等のレコーディングに参加。
当ブログで紹介した作品でいえば、以下のレコーディングに参加しています。
Jarrard Anthony『Ready To Live』(2012年)
Jose James『Love In A Time Of Madness』(2017年)
Jose James『Lean On Me』(2018年)
自身のリーダー作として、これまで『Workday, Waterbaby Music Vol. 1』(2008年)、『Kinfolk: Postcards from Everywhere』(2017年)、『Pocket Change』(2018年)、『Light and Shadow』(2020年)といった作品をリリースしています。
また、ミニマル・ファンク・バンドVulfpeckのベーシストJoe Dartを中心としたプロジェクトThe Fearless Flyersのメンバーとしても活動しています。
最新作『Kinfolk 2: See The Birds』は、好評であった『Kinfolk: Postcards from Everywhere』(2017年)のパート2という位置付けです。『Kinfolk』シリーズは三部作を予定しているようです。
プロデュース&楽曲提供はNate Smith自身。
レコーディングの基本メンバーは、Nate Smith(ds、key、per)、Fima Ephron(b)、Jaleel Shaw(sax)、Jon Cowherd(p、el-p、org)という5名。
さらに元Alabama ShakesのBrittany Howard(vo)、Mint ConditionのStokley(vo)、今年アルバム『Bones』をリリースしたMichael Mayo(vo)、現代ジャズの最高峰ヴィブラフォン奏者Joel Ross(vibe)、ジャズ・ヴァイオリン界を牽引するRegina Carter(violin)、ブラック・ロックの最高峰バンドLiving Colourの活動で知られるVernon Reid(g)、Kokayi(vo)、Amma Whatt(vo)といったアーティストがフィーチャリングされています。
Hip-Hop/R&B×ジャズのクロスオーヴァー「Square Wheel」、StokleyをフィーチャーしたメロウR&B調の「Don't Let Me Get Away」、Vernon Reidをフィーチャーしたブラック・ロック×ジャズな「Rambo: The Vigilante」、Joel Ross & Michael Mayoをフィーチャーした。『Black Radio』的な「See The Birds」、Amma Whattのヴォーカルが浮遊する「I Burn For You」、Brittany Howardが感動的なヴォーカルを聴かせてくれる「Fly (For Mike)」あたりがおススメです。
今、僕が聴きたい現在進行形ジャズはこんな音です。
全曲紹介しときやす。
「Altitude」
Joel Ross & Michael Mayoをフィーチャー。現在進行形ジャズらしいセンスのコンテンポラリーな演奏を満喫できるオープニング。Michael Mayoのスキャットも演奏の一部として融け込んでいる感じがいいですね。派手さはありませんが、Joel Rossのヴァイヴもいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=nGmM7KmeeC4
「Square Wheel」
Kokayi & Michael Mayoをフィーチャー。Kokayiの煽動的なラップとMichael Mayoのソフトリー・ヴォーカルのコントラスト、躍動感のあるNateのドラミング、Jaleel Shawの軽快なブロウらが織り成す、Hip-Hop/R&B×ジャズのクロスオーヴァーを楽しめる演奏です。文句なしで格好良いです。本トラックを聴いて、僕は本作の購入を決めました。
https://www.youtube.com/watch?v=TwLYHljPlUg
「Band Room Freestyle」
Kokayiのラップをフィーチャー。生音Hip-Hopバンドといった雰囲気の短い演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=f6DsnaT05nI
「Street Lamp」
オーセンティックな演奏ですが、現在進行形ジャズならではの刺激が隠し味で効いています。特にNateが進化形ジャズ・ドラマーらしさで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=m862qunSC3A
「Don't Let Me Get Away」
Stokleyをフィーチャー。Stokleyのヴォーカルの魅力を引き出すメロウR&B調のミディアム・グルーヴに仕上がっています。Stokley大好きな僕には嬉しいトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=Pj37Tr9GjyU
「Collision」
Regina Carterをフィーチャー。Reginaの美しいヴァイオリンの映える、オーセンティックで緩やかな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=19lz-DdJCEM
「Meditation: Prelude」
タイトルの通り、瞑想モードのスピリチュアルな小曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=lzzk2ERyfRo
「Rambo: The Vigilante」
Vernon Reidのギターをフィーチャー。Nateのスリリングなドラミングが牽引するブラック・ロック×ジャズなクロスオーヴァーです。往年のLiving Colourを思い出させてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UVFmNm2u0M4
「I Burn For You」
Amma Whattをフィーチャー。コケティッシュなAmmaのヴォーカルが浮遊する、ドリーミー・ジャズ・グルーヴとでも呼びたくなる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=GQZSefskVss
「See The Birds」
Joel Ross & Michael Mayoをフィーチャー。Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)がお好きな人であれば気に入るであろうR&Bテイストの演奏です。Michael Mayoの魅惑のファルセット・ヴォーカル、Joel Rossのメロウ・ヴァイヴもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=GY9m6WouL6Y
「Fly (For Mike)」
Brittany Howardをフィーチャー。Alabama Shakes時代から圧倒的な存在感で聴く者を魅了してきたBrittany Howardが、芳醇なヴォーカルで魅せてくるゴスペル/ソウル×ジャズな感動的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=4YoLPgn0Caw
国内盤ボーナス・トラックとして、「Fly (For Mike) (Alternate Instrumental Version)」が追加収録されています。
『Kinfolk: Postcards from Everywhere』(2017年)