発表年:2020年
ez的ジャンル:脱力系ブラジル実力派SSW
気分は... :『ezが選ぶ2021年の10枚』当確?
新作アルバムからブラジルの実力派シンガー・ソングライターSilvaの最新作『Cinco』です。
昨年デジタル・リリースされ、今年になりCD化/LP化が実現しました。
1988年生まれの男性シンガー・ソングライターSilvaの紹介は、前作『Brasileiro』(2018年)に続き2回目となります。
スタジオ作としては『Brasileiro』(2018年)以来の新作となりますが、その間、『Bloco Do Silva Ao Vivo』(2019年)、『Ao Vivo Em Lisboa』(2020年)という2枚のライヴ・アルバムをリリースしています。
前作『Brasileiro』(2018年)同様、Caetano Veloso/Celso Fonseca系の脱力ヴォーカルと、アコースティックを基調としつつ、薄っすらとエレクトロニカ/プログラミングを織り交ぜたサウンドのバランスが絶妙な現代ブラジル作品に仕上がっています。
プロデュースは1曲を除き、Silva自身。
ソングライティングは全てSilvaと兄Lucas Silvaの共作(Crioloとの共作1曲を含む)。
アルバムには大ベテラン・キーボード奏者Joao Donato、前作にも参加していた女性シンガーAnitta、ブラジルのHip-HopアーティストCrioloがフィーチャリングされています。
レゲエ、スカ、サンバ、ボサノヴァ等を取り入れたトロピカル・モードが増したのが本作の特徴かもしれません。
個人的には前作『Brasileiro』以上にメロウネスに磨きがかかったのが嬉しいですね。
特に中盤の「Jogo Estranho」、「Facinho」、「Voce」、「Quimera」という4曲の流れがサイコーです。
年末恒例の『ezが選ぶ2021年の10枚』の有力候補となる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Passou Passou」
スカのリズムを取り入れた、陽射しを感じるトロピカルなオープニング。開放的なリラックス・モードが実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=TqqCkf4q9hI
「Sorriso De Agogo」
アコースティックと薄っすらとエレクトロニカの組み合わせが絶妙な小気味よいメロウ・ジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=6VQ-QUSnB5Y
「No Seu Lancol」
歌詞には日本も登場するレゲエ調の仕上がり。脱力モードのブラジリアン・レゲエには、本場のレゲエとは異なる魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=kgG6_LZVHUU
「Pausa Para A Solidao」
ヴィオランとヴァイオリンを中心とした穏やかなアコースティック・メロウ。しみじみとした味わいがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=c66XCP8qmo0
「Nao Vai Ter Fim」
ゆったりとしたメロウ・ポップ。ホーン&ストリングスも織り交ぜたドリーミーな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=JpBLFjfNNeg
「Jogo Estranho」
僕好みのアコースティック・メロウ。歌詞には新型コロナによる隔離なども出てくるコロナ禍ならではのラブソングのようです。
https://www.youtube.com/watch?v=unMWQwUohPQ
「Facinho」
前作にも参加していた女性シンガーAnittaをフィーチャー。スカ調のメロウ・チューンをデュエットします。スカのリズムを取り入れてもブラジルらしさに満ちているのがいいですね。キュートなAnittaの歌声が華やかなムードにしてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_xGtkgneguo
「Voce」
僕の一番のお気に入り。さり気なさが魅力の素敵なアコースティック・メロウ。ジェントルなSilvaの歌声が聴く者を穏やかな気持ちにしてくれます。終盤のSilvaのピアノ・ソロの音色にも癒やされます。セロトニンの分泌が促進されそうな僕好みの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=L-wjpmocM0M
「Quimera」
「Voce」と並ぶお気に入り。メロウ好きの僕のハートを見事に射抜かれた素敵な1曲。アコギのナチュラルな音色、抑えたベース&ドラム、薄らとしたシンセの響きが、ジェントルなSilvaの歌声を引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=uyIeUbc--B4
「Nao Sei Rezar」
シンプルなヴィオランの弾き語り。シンプル・イズ・ベストを感じさせる素敵な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=enQHjAXiFKQ
「Furada」
ビートを効かせたソウル調のサウンドですが、Silvaの脱力系ヴォーカルが入ると全然異なる印象になってしまうのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Ac70qetwl5o
「Quem Disse」
Joao Donatoをフィーチャー。御大がキーボード/ヴォーカル/アレンジで活躍します。Joao DonatoワールドにSilvaがうまく乗っかっている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gfR_Chs5agI
「Soprou」
ブラジルのHip-HopアーティストCrioloをフィーチャー。Crioloはソングライティングにも参加しています。意外にオーセンティックなアコースティック・チューンと思いきや、中盤からエレクトロニカなエッセンスが加わり、エクスペリメンタルな雰囲気も顔を覗かせます。
https://www.youtube.com/watch?v=REyZYmvrE94
「Ma Situacao」
本曲のみカヴァキーニョ&パーカッション奏者のPretinho Da Serrinhaのプロデュース。そんな彼のカヴァキーニョ&パーカッションを打ち出した伝統的なサンバ・モードでアルバムを締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SbruDpQCSZk
Silvaの他作品もチェックを!
strong>『Claridao』(2012年)
『Silva Vista Pro Mar』(2013年)
『Jupiter』(2015年)
『Silva Canta Marisa』(2016年)
『Silva Canta Marisa Ao Vivo 』(2017年)
『Brasileiro』(2018年)