2022年02月23日

Me'Shell Ndegeocello『Plantation Lullabies』

インパクト大のデビュー・アルバム☆Me'Shell Ndegeocello『Plantation Lullabies』

発表年:1993年
ez的ジャンル:ジャンル超越系女性ベーシスト/ヴォーカリスト
気分は... :凄みがある音楽・・・

今回はジャンルを超越した音楽性でシーンにインパクトを与えてきた女性アーティストMe'Shell Ndegeocelloのデビュー・アルバム『Plantation Lullabies』(1993年)です。

ワシントンD.C.育ちのアメリカ人ベーシスト/ヴォーカリスト/ソングライターMeshell Ndegeocello(Me'Shell Ndegeocello)について、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Bitter』(1999年)
 『Comfort Woman』(2003年)
 『The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』(2005年)

このデビュー・アルバムはMadonnaが設立したWarner傘下のレーベルMaverickよりリリースされました。

アーティスト名、アルバム・ジャケ、女性ベーシスト、多様なジャンルを飲み込んだサウンド、すべてにおいてインパクトがありましたね。

メイン・プロデュースは元Scritti PolittiDavid GamsonMe'Shell Ndegeocello自身。

それ以外にBob PowerAndre Bettsがプロデュースを手掛けたトラックもあります。

レコーディングにはMe'Shell Ndegeocello(vo、b、add instruments)以下、
David Gamson(ds)、Screaming Headless TorsosHasidic New Waveなどの活動で知られるDavid “Fuze” Fiuczynski (g)、Wah-Wah Watson(g)、Joshua Redman(ts)、Geri Allen(p)、Bobby Lyle(p)、James Preston(p)、Andre Betts(drum prog)、Luis Conte(congas)、Bill Summers(quica、hands、shekere)、Byron Jackson(back vo)、DJ Premier(turntable)等がレコーディングに参加しています。

当時はHip-Hop寄りのR&Bとして聴いていましたが、改めて聴き直すと、Guru『Jazzmatazz』に通じるジャズ・テイストも大ですし、レゲエのエッセンスも取り入れた彼女のクロスオーヴァー感覚も楽しめます。

シングルになったのは「Dred Loc」「If That's Your Boyfriend (He Wasn't Last Night)」「Outside Your Door」「Call Me」の4曲。

個人的には格好良いベースのファンク・グルーヴ「Shoot'n Up and Gett'n High」Guru『Jazzmatazz』に通じる「Step into the Projects」「Soul on Ice」「Picture Show」という3曲、レゲエ感覚のクロスオーヴァー「Sweet Love」DJ Premier参加のグルーヴィーHip-Hop「Two Lonely Hearts (On the Subway)」あたりがオススメです。

改めて、このデビュー作の凄みを実感しました。

全曲紹介しときやす。

「Plantation Lullabies」
Me'Shell Ndegeocello/Bob Powerプロデュース。タイトル曲はアルバムのプロローグ的な短いインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=qVk5SQqrVYc

「I'm Diggin You (Like an Old Soul Record)」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。疾走感が魅力のファンキー・グルーヴ。ファンキーであってもクールなのが彼女の美学かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=Wu_Vdj5zdEc

「If That's Your Boyfriend (He Wasn't Last Night)」
Andre Bettsプロデュース。2ndシングルとしてUS R&Bチャート第20位となっています。
Lafayette Afro Rock Band「Hihache」をサンプリングしたビートに乗って、彼女のベースが躍動するファンク・チューン。ラップ調ヴォーカルのせいもあってHip-Hop的なアプローチが目立ちますが、ジャズのエッセンスも効いていてジャズ×Hip-Hopな魅力がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UpdzEpGIqtY

「Shoot'n Up and Gett'n High」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。彼女の格好良いベースを堪能できるファンク・グルーヴ。Wah-Wah Watsonのギターとの絡みもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=vALGpTQFhNs

「Dred Loc」
Andre Bettsプロデュース。1stシングルにもなりました。Me'Shell自身のラップを交えたクールなミディアム・グルーヴ。彼女のベースがしっかり目立っているのがいいですね。改めて聴くと、R&B、Hip-Hop、ジャズに加えて、レゲエな隠し味も効いていて彼女らしいクロスオーヴァー感を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=H8ftyYs0DB8

「Untitled」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。つなぎの小曲ですが、雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=_OzzgtBqyPI

「Step into the Projects」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。Joshua Redmanのサックスが印象的なアーバン・ファンク調のジャズHip-Hop。かなり僕好みの仕上がりです。Me'Shellのスムーズ・ラップもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=wwnatq3PROY

「Soul on Ice」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。テンポのいいジャズHip-Hop。本作と同じ年にリリースされたGuru『Jazzmatazz』とシンクロするトラックですね。勿論かなり僕子のみです。
https://www.youtube.com/watch?v=H6UucZBGc-s

「Call Me」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。4thシングル。当時のUKアシッド・ジャズあたりとも呼応しそうなジャズ・ファンク。ラップ調ヴォーカルも含めて、意図的に多様なジャンルをクロスオーヴァーさせるのではなく、自然体で音を奏でればクロスオーヴァーしている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qw6zr9YHVpQ

「Outside Your Door」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。3rdシングルにもなったミディアム・バラード。派手さはありませんが、ジワジワくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1VlCQl6jzgA

Brian McKnight「Anytime」、House of Jazz「Lose My Mind」のサンプリング・ソースとなっています。
Brian McKnight「Anytime」
 https://www.youtube.com/watch?v=A1kzG9Ld1kI
House of Jazz「Lose My Mind」
 https://www.youtube.com/watch?v=QspR2bVuVdI

「Picture Show」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。アーバンなジャズ・ファンクはキャッチーな仕上がり。UKジャズ・ファンク好きの人が気に入りそうな感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=03W8Alen-p0

「Sweet Love」
David Gamson/Me'Shell Ndegeocelloプロデュース。レゲエのエッセンスを取り入れたトラック。モロにレゲエじゃなくてクロスオーヴァー感覚で聴かせてくれるのが彼女らしいですね。10年後の『Comfort Woman』(2003年)の登場を予感させてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=M2QzkHcsCK0

「Two Lonely Hearts (On the Subway)」
Me'Shell Ndegeocello/Bob Powerプロデュース。ラストはDJ Premierも参加したグルーヴィーなHip-Hopトラックで締め括ってくれます。生演奏Hip-Hopにプリモのターンテーブルも加わり、盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=V1AyvpQZUVI

Meshell Ndegeocelloの他作品もチェックを!

『Peace Beyond Passion』(1996年)
Peace Beyond Passion

『Bitter』(1999年)


『Cookie: The Anthropological Mixtape』(2002年)
Cookie: The Anthropological Mixtape

『Comfort Woman』(2003年)
Comfort Woman

『The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』(2005年)
Dance of the Infidels

『The World Has Made Me the Man of My Dreams』(2007年)
The World Has Made Me...

『Devil's Halo』(2009年)
Devil's Halo (Dig)

『Weather』(2011年)
Weather

『Pour une Ame Souveraine: A Dedication to Nina Simone』(2012年)
Pour Une Ame Souveraine (for a Sovereign Soul)

『Comet, Come to Me』(2014年)
Comet Come to Me -Digi-

『Ventriloquism』(2018年)
posted by ez at 00:04| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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