2022年03月04日

Gato Barbieri『Chapter Three: Viva Emiliano Zapata』

シリーズ第三弾はビッグバンド・ラテン・ジャズ☆Gato Barbieri『Chapter Three: Viva Emiliano Zapata』
Chapter Three: Viva Emiliano Zapata - Originals
発表年:1974年
ez的ジャンル:ビッグバンド・ラテン・ジャズ
気分は... :最後は自由が勝利する!

アルゼンチンを代表するジャズ・ミュージシャンGato Barbieri『Chapter Three: Viva Emiliano Zapata 』(1974年)です。

アルゼンチン、サンタフェ州ロサリオ出身のテナー・サックス奏者/コンポーザーGato Barbieri(1932-2016年)に関して、当ブログで紹介した作品は以下の3枚。

 『Fenix』(1971年)
 『Bolivia』(1973年)
 『Chapter One: Latin America』(1973年)

今回紹介する『Chapter Three: Viva Emiliano Zapata 』(1974年)は、南米をテーマにしたChapterシリーズの第三弾アルバムです。

本作ではキューバ出身の名アレンジャーChico O'Farrillを迎えて、ビッグバンドによるラテン・ジャズを展開します。

レコーディングにはGato Barbieri(ts)以下、Randy Brecker(tp、flh)、Bob McCoy(tp、flh)、Victor Paz(tp、flh)、Buddy Morrow(tb)、Alan Raph(btb)、Ray Alonge(frh)、Jim Buffington(frh)、Howard Johnson(tuba、flh、bcl、bs)、Seldon Powell(piccolo、fl、as、bs)、Eddie Martinez(p、el-p)、Paul Metzke(g)、George Davis(g)、Ron Carter(b)、Grady Tate(ds)、Ray Armando(per)、Luis Mangual(per)、Ray Mantilla(per)、Portinho(per)といったミュージシャンが参加しています。

じっくり聴かせる「Milonga Triste」「Cuando Vuelva a Tu Lado」というラテン名曲のカヴァー2曲と、汎ラテン・アメリカ的な味わいのリズミック/パーカッシヴなオリジナル4曲という全6曲構成です。

特に、タイトル曲「Viva Emiliano Zapata」をはじめ、「Lluvia Azul」「El Sublime」「La Padrida」というオリジナル4曲が凄すぎます!さまざまなエッセンスが濃厚に詰め込まれ、しかも抜群に格好良い!

Gatoの情熱的なブロウを聴いていると、人間にとって本当に大切なものは何かを考えさせられます。

全曲紹介しときやす。

「Milonga Triste」
Homero Manzi/Sebastian Piana作。1905年に書かれたミロンガの名曲をカヴァー。寂しげなギターと共に始まる哀愁ラテン・ジャズ。情感たっぷりにむせび泣くGatoのブロウが胸に響きます。何故だが昭和のレトロ感の残る酒場の光景が目に浮かびます。
https://www.youtube.com/watch?v=M5D9nZQoue4

Gli Inquilini「Terra Promessa」、La Gra$A「How We Do」のサンプリング・ソースとなっています。
Gli Inquilini「Terra Promessa」
 https://www.youtube.com/watch?v=jQJkIsUfgPE
La Gra$A「How We Do」
 https://www.youtube.com/watch?v=UtMuV4-bIXE

「Lluvia Azul」
Gato Barbieri作。Chico O'Farrillのアレンジが映えるビッグバンドによるラテン・ジャズ・アンサンブルを楽しめます。ビッグバンドになっても、ChapterシリーズらしいGatoの美学が貫かれた汎ラテン・アメリカ的な味わいがあるのがいいですね。多彩なラテン・リズムを楽しめるのもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=6PIW0OudX3A

「El Sublime」
Gato Barbieri作。緩急自在のラテン・リズムによるビッグバンドによるアンサンブルと情熱的なGatoのブロウが見事にマッチした演奏です。重厚なのに軽やかなのが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=sRHhte8EI0Q

「La Padrida」
Gato Barbieri作。パーカッシヴに疾走するアフロ・キューバン・ジャズ。このダイナミックでエキサイティングなグルーヴィー・サウンドはクラブジャズ好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=vRsxDN2YLQM

「Cuando Vuelva a Tu Lado (What a Difference a Day Makes)」
1934年にメキシカン女性コンポーザーMaría Greverが書いた名曲のカヴァー。1959年のDinah Washingtonによる英語ヴァージョン「What a Difference a Day」のヒットでも有名な曲ですね。ムーディーなバッキングをかき消すようなGatoの情熱的なブロウに魅せられます。
https://www.youtube.com/watch?v=1PrhOidmSsI

「Viva Emiliano Zapata」
Gato Barbieri作。ラストはメキシコ人革命家の名を冠したタイトル曲で締め括ってくれます。アドレナリン・ドバドバのアッパーなラテン・ジャズ・グルーヴは格好良いの一言に尽きます。Gatoの男前ブロウに惚れ惚れしてしまいますね!
https://www.youtube.com/watch?v=CvumxfezosE

Gato Barbieriの他作品もチェックを!

『In Search of the Mystery』(1967年)
In Search of the Mystery (Dig)

『The Third World』(1969年)
第三世界 (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『El Pampero』(1971年)
エル・パンペロ (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Fenix』(1971年)
フェニックス (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Last Tango in Paris』(1972年)
Last Tango In Paris: Original MGM Motion Picture Soundtrack

『Bolivia』(1973年)
ボリビア (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Chapter One: Latin America』(1973年)
Chapter One: Latin America (Dig)

『Under Fire』(1973年)
アンダー・ファイアー (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Chapter Two: Hasta Siempre』(1973年)
Chapter Two: Hasta Siempre (Dig)

『Yesterdays』(1974年)
イエスタデイズ (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Chapter Four: Alive in New York』(1975年)
Chapter 4.Live in New York

『El Gato』(1975年)
エル・ガトー (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

Gato Barbieri & Dollar Brand『Confluence』(1975年)
コンフルエンス

『Caliente!』(1976年)
Caliente

『Ruby Ruby』(1977年)
Ruby Ruby (Reis) (Rstr) (Dig)

『Tropico』(1978年)
Tropico: Originals (Dig)

『Bahia』(1982年)
Gato Barbieri: Bahia

『Apasionado』(1983年)
Apasionado

『Para Los Amigos』(1984年)
Gato...Para Los Amigos

『Passion And Fire』(1988年)
Passion and Fire
posted by ez at 01:26| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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