発表年:1998年
ez的ジャンル:ラブ・バラード系R&B
気分は... :ツリーよりもリゾーム!
今日はIII Frum Tha' Soulの2ndアルバム『III Frum Tha Soul』(1998年)です。
オハイオ出身の男性R&BグループIII Frum Tha' Soulの紹介は、デビュー・アルバム『What Cha Missin'』(1993年)に続き2回目となります。
この2ndアルバムでは、ラッパーのLaMonte Richaedsonが抜け、Big Jim(Jimmy Johnson)、Vic G(Victor Green)、新加入のRicardo Scottが加入という新ラインナップとなっています。
Gerald LevertとEdwin "Tony" NicholasというLevert一派や、Keith Sweat、前作のプロデュースを務めたChip & Loなど多様なプロデューサーが関与しています。
アルバムはバラード中心ですが、それで全体が単調にならないのが、本作の魅力であり、このグループの実力であると思います。
多様なプロデューサーの起用を逆手にとって、プロデューサーの色にうまく溶け込んでいるのも飽きのこない要因だと思います。
先行シングルにもなった「Black Superman」、Keith Sweatプロデュースの「Come On」、Gerald Levert調のオープニング「You Played Me」、Love Unlimited Orchestra「Midnight And You」をそのまま引用した「Fever」あたりが目立ちます。
個人的には「Damn」、「Take It Slow」、「Take It Slow」、「Diamond In The Sky」、「This Ring」といったバラードにグッときてしまいます。
商業的には不発でしたが、90年代男性R&Bグループ好きの人であれば、満足する内容の1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「You Played Me」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。曲調もヴォーカル・スタイルもGerald Levert調ですね。彼らとLevert一派の相性の良さを感じるオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=zvBuibWORFI
「Black Superman」
Aaron "Baby Boy" Griffinプロデュース。アルバムからのリード・シングルにもなったトラック。硬質ビートのキャッチーなミディアム・グルーヴ。女性R&BシンガーのLil' Moがバック・コーラスを務める。
https://www.youtube.com/watch?v=YO-41n0DS54
「Come On」
Keith Sweatプロデュース。Piakhanのラップをフィーチャリングした、夜遊びモードのセクシー・ミディアム。Keith Sweatプロデュースらしい雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=BqXFX9uv7YA
「Damn」
Gerald Issacプロデュース。オーセンティックなバラードですが、このグループの魅力を実感できる素敵な仕上がりです。叶わぬ恋の甘く切ない思いを切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=4MItn1c_H90
「Treat You Right」
Chip & Loプロデュース。前作を全面プロデュースし、グループを良く知るChip & Loが哀愁ミディアムでグループの魅力を引き出します。90年代男性R&Bヴォーカル・グループらしい雰囲気を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=OJkSjFVIM2w
「Take It Slow」
Lova Boi/Bert Priceプロデュース。アーバン・ナイトなミディアム・バラード。セクシー&ロマンティックな感じがたまりません。かなり僕好みの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=C9rUXF65T7g
「My Body」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。このトラックもLevertスタイルを上手く彼らにフィットさせています。
https://www.youtube.com/watch?v=TRrOviZ-JL0
「Fever」
Fabian Hamiltonプロデュース。Love Unlimited Orchestra「Midnight And You」をそのまま引用したラブ・バラード。「Midnight And You」がお好きな人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=pCaXGmDJAhM
「Diamond In The Sky」
Todd "Whiz" Pearseプロデュース。タイトルからしてロマンティックなラブ・バラード。熱唱しつつも、サウンドはクールなので全体的に暑苦しくならない感じが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=GK6d13QCSGM
「That Ain't No Way To Treat A Lady」
Herb Middletonプロデュース。さり気ないですが、ジワジワくるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=DpqpDliG2fA
「Denying My Love」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。Levertスタイルのバラードながらも、Levertよりも温度設定が少し低めになっているのが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=Jc8tGdCxdvE
「Break Me Off A Piece」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。強弱のメリハリが絶妙メロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=dTBRhWg4gZM
「This Ring」
Herb Middletonプロデュース。Angie Stoneがソングライティング&ヴォーカル・アレンジを手掛けています。そんなAngie姐さんのいい仕事ぶりを実感できれる素敵なラブ・バラードでアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ACYARwTYOR0
III Frum Tha' Soul関連の他作品もチェックを!
『What Cha Missin'』(1993年)
『Time Waits for No One』(2011年)
Big Jim『Commitment Episode 1』(2003年)
Big Jim『What Ever You Want』(2013年)
ありがとうございます。
僕の場合、当時からメジャーよりもマイナー志向が強かったので、こういうメジャーではないアーティストの作品を積極的に聴いていた記憶があります。
当時はネット等の情報源も少なく、輸入CD/レコード・ショップにこまめに通い、新しいアーティスト・作品をチェックしていました。
90年代R&BにはNJS、ヒップホップ・ソウル、ニュー・クラシック・ソウルなどのブームがあり、その変化を楽しんでいました。