2022年06月01日

Free Design『One By One』

Project 3でのラスト作☆Free Design『One By One』

発表年:1972年
ez的ジャンル:ミラクル兄弟コーラス系ソフトロック
気分は... :みんなちがって、みんないい。

今回はソフトロック好きにはお馴染みの兄弟コーラス・グループFree Designの6thアルバム『One By One』(1972年)です。

次男Chris Dedrickを中心にしたDedrick兄弟のグループFree Designに関して、当ブログでは以下の4枚のアルバムを紹介済みです。

 『Kites Are Fun』(1967年)
 『You Could Be Born Again』(1968年)
 『Heaven/Earth』(1969年)
 『Stars/Time/Bubbles/Love』(1970年)

『...Sing for Very Important People』(1970年)に続く6thアルバム『You Could Be Born Again』(1972年)は、デビュー以来在籍していたレーベルProject 3でのラスト・アルバムとなります。

また、2ndアルバム『You Could Be Born Again』(1968年)以来、長男Bruce、次男Chris、長女Sandy(Sandra)、次女Ellenという4名のラインナップでしたが、本作ではBruceChrisSandy(Sandra)Ellenの3名体制となっています。

プロデュースはProject 3のオーナーであり、当ブログでも紹介した再評価が高いモンド・ラウンジ作品『Spaced Out』(1969年)でも知られるEnoch Light

アレンジはChris Dedrick

レコーディングにはBob Mann(g)、Jerry Friedman(g)、 Stu Scharf(g)、Andy Muson(b)、Tom Szczesniak(b)、Billy Cobham(ds)、Gary Gauger(ds、per)、Pat Ribboloff(p)、Paul Griffin(org)、Babe Clark(sax)、Seldon Powell(sax)、 Alan Reubin(flh、tp)、Ernie Royal(flh、tp)、Randy Brecker(flh、tp)、Garnett Brown(tb)、 Jack Jeffers(btb)といったミュージシャンが参加しています。

Doorsの大ヒット曲カヴァー「Light My Fire」、ポピュラー・スタンダード「You Are My Sunshine」以外はChris Dedrickのオリジナルです。

今日的なハイライトはルーヴィー・ソフトロック「Felt So Good」だと思いますが、ラブ&ピースな「One By One」「Like To Love」「Love Me」も僕好み。

また、70年代初めらしいロック/スワンプ・ロック、SSW風のトラックがあるのみ本作らしいと思います。

70年代初めならではのFree Designワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「One By One」
シンプルながらも美しいヴォーカル・ワークを満喫できるオープニング。ラブ&ピースな雰囲気がいいですね。Chrisによるトランペットの音色もいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jf7OlJUWXNQ

「Felt So Good」
フリーソウル好きの人は気に入るであろうグルーヴィー・ソフトロック。これぞFree Design!といったポップ・ワールド全開です。印象的なホーン・サウンドはRandy Brecker。
https://www.youtube.com/watch?v=RksWdYdT8Nk

Polyrhythm Addicts feat. Pharoahe Monch「Reachin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Polyrhythm Addicts feat. Pharoahe Monch「Reachin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=lfwsXfvSsgk

「Friendly Man」
優しさに包まれた美しいメロウ・バラード。SSW全盛時代のソフトロックといった雰囲気がいいですね。素敵なギター・ソロはJerry Friedman。
https://www.youtube.com/watch?v=Zu1VwoJKb3I

「Light My Fire」
ご存知Doorsの大ヒット曲「ハートに火をつけて」のカヴァー。オリジナルは『Doors』(1967年)収録。当ブログでは、Julie Driscoll,Brian Auger & The TrinityAnanda ShankarJose FelicianoBrasilia Modern SixThe Friends Of Distinctionのカヴァーも紹介済みです。ここではFree Designならではのヴォーカル・ワークで独特なドリーミー&ミステリアス感のある「Light My Fire」を聴かせてくれます。フリューゲルホーン&トランペットはRandy Brecker。
https://www.youtube.com/watch?v=gxfIP3jBxBY

本ヴァージョンはFlying Lotuss feat. Andreya Triana「Tea Leaf Dancers」、The Stuyvesants「The Fire (Untrue)」のサンプリング・ソースとなっています。
Flying Lotus feat. Andreya Triana「Tea Leaf Dancers」
 https://www.youtube.com/watch?v=vie3qNwBd1k
The Stuyvesants「The Fire (Untrue)」
 https://www.youtube.com/watch?v=cdjsubcFbiE

「Like To Love」
ラブ&ピースなポップ・ロック。この時代らしいロック・サウンドをFree Designの音世界にうまく取り入れています。
https://www.youtube.com/watch?v=wlc1cQbsDMM

「You Are My Sunshine」
Jimmie Davis/Charles Mitchellが1940年に書いたポピュラー・スタンダードをカヴァー。有名曲をFree Design仕様のメロウ・バラードに変貌させてしまうところが流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=TZkTXah1ItQ

「Go Lean On A River」
スワンプ・ロックするFree Designを楽しめます。印象的なリード・ギターはJerry Friedman。
https://www.youtube.com/watch?v=T8tSD-rwc6s

「Going Back」
ピアノとホーンを中心としたシンプルなサウンドと女性ヴォーカルのみの構成。あえてコーラスをつけないところがポイントです。
https://www.youtube.com/watch?v=pDfU6YPYB_s

Dawaun Parker「Schemin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Dawaun Parker「Schemin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=I3Ad2J04IaY

「Love Me」
本作らしいラブ&ピースなメロウ・バラード。自由な雰囲気のなかで、ゆっくりと時間が流れていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oiGOc5PQpQg

「Friends (Thank You All)」
ラストはFree Designらしい美しいヴォーカル・ワークで魅せるビューティフル・バラードで締め括ってくれます。終盤は本作らしいロック・サウンドも飛び出し、カオス状態に・・・
https://www.youtube.com/watch?v=VEtAoVvrfsY

Free Designの過去記事もご参照下さい。

『Kites Are Fun』(1967年)
Kites Are Fun

『You Could Be Born Again』(1968年)
ユー・クッド・ビー・ボーン・アゲイン

『Heaven/Earth』(1969年)
ヘヴン・アース

『Stars/Time/Bubbles/Love』(1970年)
スターズ・タイム・バブルズ・ラヴ
posted by ez at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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