発表年:2022年
ez的ジャンル:フレンチ・アンビエント/チルアウトR&B
気分は... :バカンス・モードのその先へ・・・
新作からフランスの才人プロデューサー/マルチ奏者FKJの2ndアルバム『Vincent』です。
FKJ(French Kiwi Juice)(本名:Vincent Fenton)の紹介は、話題となった初フル・アルバム『French Kiwi Juice』(2017年)、EPの日本限定CD化作品『Ylang Ylang』(2020年)に続き3回目となります。
アルバムには伝説のラテン・ロック・ギタリストSantana、日系スウェーデン人の女性シンガーYukimi Nagano率いるスウェーデンのバンドLittle Dragon、FKJの公私のパートナーであるフィリピン系アメリカ人シンガー・ソングライター((( O )))(June Marieezy)、Chaz Bearによるチル・ウェイヴなプロジェクトToro Y Moiがフィーチャリングされています。
ゲスト陣からインスパイアされながら、自分のスタイルを確立しているのがいいですね。また様々な音楽スタイルを貪欲に取り込み、従来よりもサウンドの幅が広がった気がします。
ベッドルームのドアが開く音と共に始まる「Way Out」、Santanaのギターをフィーチャーした「Greener」、ムーディーなサックスがリードする「Us」、異国ムードの「The Mission」、Little Dragonをフィーチャーした「Can't Stop」、公私のパートナーの((( O )))をフィーチャーした「Brass Necklace」、Toro Y Moiをフィーチャーした「A Moment of Mystery」が僕のオススメです。
多様さと深みを増したFKJワールドを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Way Out」
ベッドルームのドアが開く音と共に始まるオープニング。美しいピアノが導く、アンビエント/チルアウトなトラックで一気にFKJワールドに引き込まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IF2t2CeDhGg
「Greener」
Santanaのギターをフィーチャー。Carlos Santanaの哀愁ギターがFKJサウンドにうまく溶け込んだメロウなネオソウル調の1曲に仕上がっています。そこはかとない寂しさがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=RCMJJWPtXVc
「Us」
ムーディーなサックスがリードするチルアウトなメロウ・チューン。FKJらしい都会の喧騒を忘れさせてくれるバカンス・モードの仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=GKWj4OXnuUM
「The Mission」
異国ムードとロッキン・ギターの組み合わせが面白い1曲。Santanaとの共演に触発されたようなギター・プレイで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rfbQqbrGkPQ
「Can't Stop」
Little Dragonをフィーチャー。Yukimi Naganoのヴォーカルは控えめですがいい雰囲気を醸し出します。FKJの南国ムードとLittle Dragonの北欧ムードが両立している感じが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=e6TWox9nQuo
「IHM」
ピアノ&ギターの美しい調和が印象的なメロウ・バラード。霧のかかったようなヴォーカルがサウンドにフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=gG4xMqPFLbc
「Brass Necklace」
公私のパートナーの((( O )))をフィーチャー。二人の良き関係性が伝わってくるハピネス・モードのビューティフル&ドリーミーな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lFSA_-K882s
「Different Masks for Different Days」
ムーディーなサックス、美しいピアノが入りつつ、エレクトロニカなエッセンスを加えることでクールな印象を受けるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=PQnPqqIMdqg
「A Moment of Mystery」
Toro Y Moiをフィーチャー。幻想的な音世界に連れていってくれるチルアウトな仕上がり。まさに時が止まった一瞬を音にしたかのような雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Qdt5aBSpDaQ
「Let's Live」
無機質なデジタル・サウンドを強調した哀愁チューン。最後はデジタル感をなくして美しいピアノで締め括ってくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OTE2KbPAA4o
「Once Again I Close My Eyes」
最初はバカンス・モードのムーディーなバラードのように感じますが、途中から戸惑いモードの音世界に切り替わっていくのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5Whw1XNjTPA
「New Life」
ビューティフル・バラードの前半と、インスト重視で終盤にどんどん加速していく後半のコントラストが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9d4zP0GgBsI
「Does It Exist」
ソロ・ピアノによるインタールード的な美しいインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=q8hKQGgt9Ao
「Stay A Child」
ラストはFKJサウンドにゴスペル・フィーリングを取り入れたバラードで締め括ってくれます。子供のようなピュアさに包まれていくのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=M7-6JlFsmRk
『French Kiwi Juice』(2017年)

『Ylang Ylang』(2020年)