2022年09月04日

Antonio Sanchez『Shift: Bad Hombre, Vol. II』

多彩なゲストが参加!☆Antonio Sanchez『Shift: Bad Hombre, Vol. II』

発表年:2022年
ez的ジャンル:メキシコ系N.Y.ジャズ・ドラマー
気分は... :悪い男・・・

新作ジャズからAntonio Sanchez『Shift: Bad Hombre, Vol. II』です。

Antonio Sanchezは1971年メキシコ生まれのジャズ・ドラマー。現在はN.Y.を拠点に活動しています。

最もよく知られているのは、2000年代以降におけるPat Methenyのグループのレギュラー・ドラマーとしての活動かもしれませんね。

また、アカデミー賞の作品賞、監督賞を受賞した映画『Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)』(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))(2014年)のサントラを手掛けたことでも注目されました。

自身の名義のアルバムも『Migration』(2007年)以降、コンスタントにリリースしています。

最新作『Shift: Bad Hombre, Vol. II』は、タイトルの通り、2017年リリースの『Bad Hombre』の続編アルバムという位置づけです。

アルバムにはPat Metheny(g)、Dave Matthews(vo)、Ana Tijoux(vo)、Becca Stevens(vo、g)、Meshell Ndegeocello(vo、b)、Nine Inch NailsTrent Reznor(vo)とAtticus Ross(syn)、Maro(vo)、Lila Downs(vo)、SONICASilvana Estrada(vo)、Kimbra(vo、g)、Rodrigo y Gabriela(g)、有名なメキシコ人俳優Ignacio Lopez Tarsoというジャンルを超えた多彩なゲストが参加しています。

このゲスト陣の顔ぶれを見ただけでも興味が湧く1枚なのでは?

アルバムの内容もジャズをベースにしつつも、多様な音楽スタイルを取り込んだジャンルレスな1枚に仕上がっています。また、ドラム以外にもギター、ベース、キーボード、パーカッション、ヴォーカル等も手掛け、マルチ・インストゥルメント/トータル・ミュージシャンとしてのAntonio Sanchezの才を楽しめます。

Dave Matthews/Pat Methenyをフィーチャーしたロッキンな「Eh Hee 2.0」、チリの女性ラッパーAna Tijouxをフィーチャーした妖艶なラテンHip-Hop「Mi Palabra」Becca Stevensをフィーチャーした緻密で神秘的な「The Bucket」Trent Reznorらをフィーチャーしたダーク&ヘヴィな「I Think We're Past That Now」、女性ユニットSONICAをフィーチャーしたビューティフルな「Doyenne」Meshell Ndegeocelloをフィーチャーしたレゲエ/ダブ「Comet, Come to Me」など聴きどころ満載の1枚です。

ジャズ・ドラマーに留まらないAntonio Sanchezの魅力を堪能できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Op Opening」
有名なメキシコ人俳優Ignacio Lopez Tarsoをフィーチャーしたオープニング。昔のメキシコ映画の一場面という雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=pKdWwYNgIDU

「Eh Hee 2.0」
Dave Matthews/Pat Methenyをフィーチャー。ドライブ感のあるハードなロッキン・チューンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7sgo80BZDWg

「Mi Palabra」
チリの女性ラッパーAna Tijouxをフィーチャー。妖艶なラテンHip-Hopで楽しませてくれます。ラテン×Hip-Hopな生音トラックがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=JuQRel3_7Gs

「The Bucket」
当ブログでもお馴染みのハイブリッド女性シンガー・ソングライターBecca Stevensをフィーチャー。Becca Stevensらしい緻密で神秘的な音世界を、Sanchezが現代ジャズ・ドラマーらしいドラミングで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jkj2aRuGi4c

「I Think We're Past That Now」
Trent Reznor/Atticus RossというNine Inch Nailsメンバーをフィーチャー。本作らしい世界観のダークなヘヴィ・ロックに仕上がっています。Trent Reznorの名が本作に登場するのは久々かもしれませんね。相変わらずの存在感です。
https://www.youtube.com/watch?v=SnIJp_Wwvww

「Alambari」
Maroをフィーチャー。(多分)Maroはポルトガルの女性SSWのMariana Britoではないかと思います。Maroの美しいヴォーカルを生かした現代ジャズらしい1曲に仕上がっています。Maroの歌声とSanchezの叩くビートがシンクロしていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Hqs6pll-Kl0

「Doyenne」
Thana Alexa/Nicole Zuraitis/Julia Adamyによる女性ユニットSONICAをフィーチャー。SONICAの楽曲のカヴァーです。ヴォーカル・ワークを生かした静のイメージであったオリジナルに対して、本ヴァージョンはSanchezのサウンドが加わることで動のイメージに変貌しています。オリジナルの美しさはそのまま引き継がれているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TkMOSp3AQoQ

SONICA「Doyenne」
 https://www.youtube.com/watch?v=lySswx-LB0Y

「Risa de Mujer」
メキシコ人女優でSSWのLila Downsをフィーチャー。土着の伝統音楽×テクノロジーの融合といったムードが印象的なトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=cT13KN4PAKM

「Trapped (Red Room)」
SONICAのThana Alexaをフィーチャー。Thana Alexaのヴォーカル・ワークとSanchezのサウンドが織り成すフューチャリスティックな音世界を楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Ewn8mDOeQq4

「Comet, Come to Me」
人気ミュージシャンMeshell Ndegeocelloをフィーチャー。美しくも刺激的なレゲエ/ダブ・チューンで楽しませてくれます。Meshell Ndegeocelloのレゲエ調トラックをお好きな人であれば気に入るはず!Sanchezのドラム、Meshell Ndegeocelloのベースが生み出すグルーヴを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=qis21KcR6Gc

「Waiting」
ヴォーカルから演奏まで全てをSanchez一人で仕上げたトラック。Sanchezのミュージシャンとしてのトータルな魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=tvoODWc8pWM

「Risa de Mujer (Intetrlude)」
Lila Downsをフィーチャー。神秘的なムードのインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=cT13KN4PAKM

「El Agua y la Miel」
メキシコ人女性シンガーSilvana Estradaをフィーチャー。フォルクローレ×現代ジャズな雰囲気の仕上がりです。後半のスパークする感じもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=rQNwe3JVMko

「Suspended Animation」
ニュージーランドの女性SSW/ギタリストのKimbraをフィーチャー。新世代ジャズ/次世代ネオソウルとしても楽しめるトラックはかなり僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=TQFzDxd9KFw

「M-Power」
メキシコ人デュオRodrigo y Gabrielaのギターをフィーチャー。メキシカン・ギターとSanchezのドラムによるエキサイティングなバトルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=nJGBVePfR7k

「Closing」
ラストはメキシコ人俳優Ignacio Lopez Tarsoを再びフィーチャー。オープニングと同じく映画の一場面という雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NxuQ_iMN_3k

Antonio Sanchezの他作品もチェックを!

『Migration』(2007年)


『Live in New York at Jazz Standard』(2010年)


『New Life』(2013年)


『Three Times Three』(2014年)


『Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance) 』(2014年)


Antonio Sanchez & Migration『The Meridian Suite』(2015年)


『Bad Hombre』(2017年)


Antonio Sanchez & Migration『Lines in the Sand』(2018年)


Will Vinson, Gilad Hekselman & Antonio Sanchez『Trio Grande』(2020年)
posted by ez at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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