録音年:1966年
ez的ジャンル:A&M系ソフト・ロック/メロウ・ボッサ
気分は... :中性的ファルセット・ヴォーカルの魔力
今回は60年代に人気を博した男性シンガーChris MontezがA&M Recordsからリリースしたアルバム『Time After Time』(1966年)です。
1943年L.A.生まれのチカーノChris Montezの紹介は、A&M Recordsからの第一弾アルバム『The More I See You/Call Me』(1966年)に続き2回目となります。
Herb Alpertに見出され、ソフト路線にイメージ・チェンジしたChris MontezのA&Mからの第二弾アルバムとなります。
メイン・プロデュースはTommy LiPuma。それ以外にHerb Alpert、Marshal Leibもプロデュースを手掛けています。
アレンジはNick DeCaro。
Chris Montezの中世的な草食系ソフトリー・ヴォーカルとNick DeCaroの素晴らしいアレンジの調和が本作の魅力です。
「Time After Time」、「Sunny」、「Keep Talkin'(Amazonas)」、「The Girl From Ipanema」、「Yesterday」といった有名曲のカヴァーが目立つかもしれません。
個人的には「I Wish You Love」、「What A Difference A Day Made」、「Just Friends」あたりもかなりお気に入りです。
A&M系ソフト・ロックがお好きな人はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Time After Time」
Frank Sinatraのヒットで知られるスタンダードのカヴァー(Jule Styne/Sammy Cahn作)。シングル・カットもされました。Nick DeCaroのアレンジ・センスが光るソフトリーな草食系メロウ・ポップで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NKvex58pDb8
本曲について、当ブログではJohnny Lytle、Anita O'Day、John Valenti、The Peddlers、Svante Thuressonのカヴァーも紹介済みです。
「I Wish You Love」
Albert Beach/Charles Trenet作。シャンソン・スタンダードの英語カヴァー。Montezの草食系ソフトリー・ヴォーカルの魅力を活かしたメロウ・ポップ。僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=cMScQxFvu3o
「Sunny」
Bobby Hebbの1966年の大ヒット曲をカヴァー(Bobby Hebb作)。R&Bテイストのアレンジと草食系ソフトリー・ヴォーカルの組み合わせが逆に面白いかも?
https://www.youtube.com/watch?v=bZzrGpnDtmE
本曲について、当ブログではDusty Springfield、Birgit Lystager、Clementine、Ann Burton、Jose Feliciano、Papik、Voices In Latin、Herbie Mann & Tamiko Jones、Brother Jack McDuff & David Newmanのカヴァーも紹介済みです。
「Keep Talkin'」
Joao Donato/Sandy Crystal作。Joao Donatoの名曲「Amazonas」の英語カヴァー。Montezのソフトリー・ヴォーカルにはボッサ・アレンジがよく似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=sY_vPeptweM
「Amazonas」について、当ブログではJoao Donato自身のヴァージョンやAgustin Pereyra Lucena、Cal Tjader、Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholm、Adam Dunning、Walter Wanderleyのカヴァーを紹介済みです。
「Our Day Will Come」
R&BグループRuby & the Romantics、1963年の全米チャートNo.1ヒットをカヴァー(Bob Hilliard/Mort Garson作)。ロマンティックなバラードを優しく歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=DOaLk8MdKUc
本曲について、当ブログではJimmy Castor、We Five、Stefania Ravaのカヴァーも紹介済みです。
「The Girl From Ipanema」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作のボサノヴァ名曲「イパネマの娘」をカヴァー。Montezの中性的なヴォーカルとNick DeCaroの素敵なアレンジが噛み合ったロマンティックな「イパネマの娘」で魅せてくれます。この曲自体がMontezに実にフィットしていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=VJR1WAeDohk
本曲について、当ブログではAgustin Pereyra Lucena、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Roberto Menescal、Bossacucanova & Roberto Menescal、Sheila Landis/Rick Matle、Papik、Trio 3D、Freddie McCoy、Laurindo Almeida、Charlie Byrd、Sirius B、Sergio Mendes、Tamba Trio、Clare Fischer、Vinicius + Bethania + Toquinhoのカヴァーも紹介済みです。
「Lil' Red Riding Hood」
ダラスのロック・グループSam The Sham & The Pharaohs、1966年の大ヒット曲をカヴァー(Ronald Blackwell作)。オリジナルはかなり癖がありますが、ここではMontezのヴォーカルがソフトに中和してくれている感じがします。
https://www.youtube.com/watch?v=ONRsKXOg9i4
「Going Out Of My Head」
R&BグループLittle Anthony and the Imperials、1964年の大ヒット曲をカヴァー(Bobby Weinstein/Teddy Randazzo作)。当ブログではGimmicksのカヴァーも紹介済みです。この曲もMontezの中性的なヴォーカルがうまくフィットしています。それを魅力的に聴かせるNick DeCaroもお見事。
https://www.youtube.com/watch?v=9wxpEq1Ifao
「What A Difference A Day Made」
Maria Grever/Stanley Adams作のスタンダードをカヴァー。この曲もアレンジの手腕が冴えるメロウ・ポップに仕上がっています。アルバムの中でもかなりお気に入りの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=qeqqrrDMQZQ
「Elena」
Chris Montezのオリジナル。ボッサ・アレンジで聴かせてくれているせいか、ボサノヴァ名曲のカヴァーかと錯覚しそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=dKvkzD2J09g
「Yesterday」
The Beatlesの名曲カヴァー( Paul McCartney/John Lennon作)。バロック的なエッセンスを織り交ぜつつ、A&Mらしいソフトリーなポップ・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pGXgTJxk7g4
名曲「Yesterday」について、当ブログではP.P. Arnold、Les McCann、Gabor Szabo、The Sylversのカヴァーも紹介済みです。
「Just Friends」
John Klenner/Sam Lewis作のスタンダードをカヴァー。当ブログではChet Bakerのカヴァーも紹介済みです。ラストはソフトリーながらも小気味よいメロウ・ポップで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=x7API07zFKo
Chris Montezの他作品もチェックを!
『Let's Dance and Have Some Kinda' Fun!!!』(1963年)
『The More I See You/Call Me』(1966年)
『Foolin' Around』(1967年)
『Watch What Happens』(1968年)