2022年12月25日

The Comet Is Coming『Hyper-Dimensional Expansion Beam』

Shabaka Hutchingsらのハイパー・コズミック・ジャズ☆The Comet Is Coming『Hyper-Dimensional Expansion Beam』

発表年:2022年
ez的ジャンル:次世代UKジャズ/コズミック・ジャズ
気分は... :年内最後の新作紹介!

年内最後の新作紹介は、注目のUKジャズ作品The Comet Is Coming『Hyper-Dimensional Expansion Beam』です。

The Comet Is Comingは、次世代UKジャズを牽引する最重要ミュージシャンの一人、Shabaka HutchingsさらにはDanalogueBetamaxの3人から成るコズミック・ジャズ・トリオ。

これまで『Channel the Spirits』(2016年)、『Trust in the Lifeforce of the Deep Mystery』(2019年)という2枚のアルバムをリリースしています。

これまでShabaka Hutchingsのソロ・リーダー作や彼のもう一つのユニットSons Of Kemetについては紹介してきましたが、The Comet Is Comingは初めてのエントリーとなります。

Shabaka HutchingsのソロやSons Of Kemetの諸作はアフロ・ジャズ寄りのアプローチのイメージが強いですが、The Comet Is Comingはそれらとは少し肌触りの異なるハイパー・コズミック・ジャズを聴かせてくれます。

本作『Hyper-Dimensional Expansion Beam』は、ミニ・アルバム『The Afterlife』(2019年)以来の新作となります。

演奏はShabaka Hutchings(sax、shakuhachi)、Danalogue(syn、key、per、field recording)、Betamax(ds、per、syn)というメンバー3人のみ。

プロデュース&アレンジはDanalogueBetamax

ソングライティングはすべてメンバーのオリジナル。

従来のThe Comet Is Coming作品よりもトランス・モードのダンサブル・サウンドが目立つのは本作の特徴かもしれません。

「Code」「Technicolour」「Pyramids」「Frequency Of Feeling Expansion」「Atomic Wave Dance」「Mystik」で本作らしいダンサブル・サウンドを楽しめます。

それ以外にもアンビエントな「Lucid Dreamer」、Shabakaが尺八をプレイする「Aftermath」、重低音が印象的なダブステップ「The Hammer」あたりも楽しめます。

UKクラブミュージック好きの人も楽しめる次世代UKジャズ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Code」
先行シングルにもなったオープニング。メタリックな質感のマシン・ビートのテクノ調トラック。Shabakaのサックスも何処となくデジタルな肌触りがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=eUiI1SJqgRo

「Technicolour」
Sons Of Kemetをハイパー・コズミック化したようなフューチャリスティック・サウンドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=VN5VtWncH0A

「Lucid Dreamer」
冬の星空の光景がよくアンビエント感のあるコズミック・ジャズ。広大な宇宙のようなサウンドの広がりがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=S7imxAIydR4

「Tokyo Nights」
東京の名が冠されたインタールード的な小曲ですが、ハイパー・コズミックな格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=5lPGcFIFVNE

「Pyramids」
本作を象徴するダンサブルでフューチャリスティックなエレクトリック・ジャズ。Shabakaのサックスもハイパー・サウンドにシンクロしたプレイになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=I68JFIDw798

「Frequency Of Feeling Expansion」
僕の一番のお気に入り。冬の星空のダンシング・ジャズ。次世代UKジャズらしいブロークンビーツ調のダンサブルなコズミック・ジャズを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=XboK5orRST8

「Angel Of Darkness」
タイトルの通り、暗黒のコズミック・ジャズといった趣の不穏なミステリアス感が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=JUUZR2npUds

「Aftermath」
このトラックはモロにテクノですね。ここでのShabakaは尺八をプレイ。尺八が加わることで、テクノ×ジャズなクロスオーヴァー感が出るのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1UUeNimzIFk

「Atomic Wave Dance」
ライナーノーツに80年代に活動していたポスト・パンク系UKジャズ・ファンク・バンドPigbagを思わせると書いてありましたが、確かにそんな雰囲気です。Sons Of KemetにもPigbagに通じる演奏があるので、ShabakaがPigbag好きなのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=jOwRSsOe0zY

「The Hammer」
重低音が印象的なダブステップ×ジャズのクロスオーヴァー。スペイシーなアクセントも加わり、広大な宇宙のジャズ・ワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=MdX78nKEvEw

「Mystik」
本編ラストは、フリーキー&トライバル&コズミックなクロスオーヴァー・ジャズで締め括ってくれます。前半の展開はPink Floyd『Dark Side Of The Moon』(1973年)の「On The Run」を思い出させます。
https://www.youtube.com/watch?v=TcYDgmQceMk

「Levitation」
国内盤CDボーナス・トラック。約1分の小曲です。

The Comet Is Comingの他作品もチェックを!

『Channel the Spirits』(2016年)


『Trust in the Lifeforce of the Deep Mystery』(2019年)


『The Afterlife』(2019年)
posted by ez at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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