発表年:1987年
ez的ジャンル:N.Y.産R&B/ファンク
気分は... :先聞後見!
今回は80年代のR&Bシーンを牽引していたユニットの1つ、Full Forceの『Guess Who's Comin' to the Crib?』(1987年)です。
1976年、N.Y.ブルックリンで結成されたR&Bグループ/プロダクション・チームFull Forceの紹介は、『Smoove』(1989年)に続き2回目となります。
UTFO、Lisa Lisa & Cult Jam、Cheryl "Pepsii" Riley、James Brownのカムバック・アルバム『I'm Real』(1988年)などプロデュースで注目されたFull Force。
僕がリアルタイムで最初に出会ったFull Forceの新作アルバムが本作『Guess Who's Comin' to the Crib?』(1987年)でした。
メンバーはB-Fine(per、vo)、Paul Anthony(vo)、Bow-Legged Lou(vo)というGeorge3兄弟と、その従兄達であるShy Shy (b)、Curt-T-T(g)、Baby Gerry(Baby Gee)(key)の6名。
プロデュースはFull Force自身とJ.B. Moore、Robert Ford Jr.。アレンジ、ソングライティングもFull Force自身。
メンバー以外にLisa Lisa(Lisa Lisa & Cult Jam)、La La、Cheryl "Pepsii" Rileyといった女性シンガーも参加しています。
ファンク、R&B/ソウル、Hip-Hop、NJS等が渾然一体となっている、何でもアリ!な感じがFull Forceらしいのでは?
シングル・ヒットしたのは「Love Is For Suckers (Like You And Me)」(US R&Bチャート第11位)と「All In My Mind」(同第6位)。
それ以外にもHip-Hop×ファンク×エレクトロな「Take Care Of Homework」、ミネアポリス・ファンク調の「3 O'Clock ... School's Out!」、Hip-Hopを取り入れた「Full Force Git Money $」や「Black Radio」、Cameo調の「Katty Women」や「Low Blow Brenda」、80年代ブラコン/エレクトリック・ファンク調の「Your Love Is So Def」など何でもアリ!な構成です。
個人的には『Smoove』(1989年)が一番好きですが、Full Forceらしさという意味では本作『Guess Who's Comin' to the Crib?』かもしれません。
全曲紹介しときやす。
「Take Care Of Homework」
Lisa Lisaが女性ヴォーカルで参加したオープニング。Hip-Hop×ファンク×エレクトロな渾然一体のダンサブル・サウンドがこの時代らしいし、Full Forceらしいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=DykXpNHtxmw
「Love Is For Suckers (Like You And Me)」
シングル・カットされ、US R&Bチャート第11位となったトラック。リード・ヴォーカルはB-Fine。女性ヴォーカルはB-Fine。当時流行のNJSを前面に打ち出したダンサブル・チューン。オールドスクールなHip-Hopビートも織り交ぜているのがFull Forceらしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ryHmS6euUQo
「All In My Mind」
シングル・カットされ、US R&Bチャート第6位となったオーセンティックなバラード。Full Forceのスウィート・ソウルな魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=h1pz41fajdA
「3 O'Clock ... School's Out!」
ミネアポリス・ファンクの影響も感じる妖しげなダンサブル感が魅力のエレクトリック・ファンク。Princeやミネアポリス・ファンク好きの人にはフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=gKxoIqdRgds
「Child's Play (Part 3)」
インタールード。
「Full Force Git Money $」
Baby Gerryのターンテーブルが活躍するHip-Hop色を前面に打ち出したトラック。80年代後半ならではの味わいがあって嫌いじゃありません。
https://www.youtube.com/watch?v=qrSGlV16LLU
「Your Love Is So Def」
哀愁モードのダンサブル・チューン。80年代ブラコン/エレクトリック・ファンクの香りがするのがいいですね。ブラコンからR&Bへの移行期ならではのダンサブル・サウンドがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=EWn00ZRVhH0
「Katty Women」
リード・ヴォーカルはB-Fine。女性ヴォーカルはCheryl "Pepsii" Riley。大ヒットしたCameo「Word Up!」(1986年)を意識したファンク・グルーヴが印象的なトラック。何でもアリ!なFull Forceらしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=4_zWnM3SG2I
「Low Blow Brenda」
リード・ヴォーカルはB-Fine。前曲「Katty Women」の流れを汲むCameo調のファンク・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=B6XlfeGjdj4
「Black Radio」
ラストはFull ForceらしいHip-Hopのエッセンスを取り入れたファンク・チューンで締め括ってくれます。Baby Gerryのターンテーブル/スクラッチも活躍します。
https://www.youtube.com/watch?v=5Q3-KVBqEg4
Full Forceの他作品もチェックを!
『Full Force』(1985年)
『Full Force Get Busy 1 Time!』(1986年)
『Smoove』(1989年)
『Don't Sleep』(1992年)
『Sugar On Top』(1995年)