2023年04月23日

Xenia Franca『Em Nome Da Estrela』

ブラジル新世代の歌姫の2nd☆Xenia Franca『Em Nome Da Estrela』

発表年:2022年
ez的ジャンル:MPB新世代女性シンガー
気分は... :!

ブラジル新作からXenia Franca『Em Nome Da Estrela』です。

Xenia Francaは1986年バイーア生まれの女性シンガー。
10代からモデルとして活躍し、それと並行して音楽活動も開始しました。

ソロ・デビュー以前にブラジルのソウル/ファンク・バンドAlafiaのメンバーとしてもアルバムをリリースしています。

2017年に初のソロ・アルバム『Xenia』をリリース。
アフロ・ブラジリアン×ネオソウルな内容で大きな支持を得ました。

そして約5年ぶりの新作となった2ndアルバム『Em Nome Da Estrela』も各方面で高く評価されています。

1stアルバム『Xenia』と同様にLourenco RebetezPipo Pegoraroという2人のミュージシャンがアルバムに大きく貢献しています。

また、大御所Arthur Verocaiがアレンジを手掛けているトラックもあります。

殆どの曲はXeniaやLourenco Rebete等によるオリジナルです。

前作『Xenia』と比較すると、アフロ・ブラジリアン色を前面に出すのではなく隠し味程度に後退させ、美しくミステリアスな音世界を展開しているのが印象的です。

モダンでスタイリッシュな「Ancestral Infinito」、フューチャリスティック感覚の「Interestelar」Gilberto Gilのカヴァー「Futurível」Djavanのカヴァー「Magia」Arthur Verocaiがアレンジを手掛けた「Animus × Anima」あたりが聴きどころだと思います。

あまりブラジル音楽を意識せずとも楽しめる新世代ミュージシャン作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Renascer」
ミステリアス&ビューティフルな次世代ネオソウル調のオープニング。薄らとしたエレクトリック・サウンドをバックにXeniaがしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z7dR73UdyOM

「Interestelar」
シンセベースを効かせたビートメイカー的なトラックをバックに、Xeniaがヴィヴィッドなヴォーカルを聴かせてくれます。ミステリアスなフューチャリスティック感覚が僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=SJYa_olScW4

「Futurível」
Gilberto Gilのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Gilberto Gil』(1969年)に収録されています。トロピカリズモなオリジナルに対して、軽くバイーア・テイストを効かせたアトモスフィアなオルタナティヴ・ソウルで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rkebPf4OxwI

Gilberto Gil「Futurível」
 https://www.youtube.com/watch?v=sAyGHbFx0V0

「Interludio - Cantiga Da Nacao Jeje, Por Mae Menininha (1940-1941)」
カンドンブレ(ブラジルの民間信仰)の古い音源を用いたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=xJSxyKnH7sA

「Dadiva」
ブラジルの女性シンガー・ソングライターLuiza Lianの作品。オーケストレーションとエレクトリック・サウンドを巧みに融合させたミステリアス・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=lt2kI6iJZKc

「Ancestral Infinito」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。ブラジル音楽/MPBという枠を飛び越えたモダンでスタイリッシュな音世界に魅了されました。Lourenco Rebetez、Pipo Pegoraroのセンスに脱帽です。
https://www.youtube.com/watch?v=RzxKUt_cmeE

「Interludio - Tem Dinheiro Nao」
古い音源を用いたと思われるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=n775ELbAJEo

「Animus × Anima」
Arthur Verocaiをフィーチャー。Arthur Verocaiによる荘厳なストリングスをバックに、Xeniaがミステリアスなヴォーカルで歌い上げることで異世界へ迷い込んだような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=SnPL_D2V6aU

「Ja E」
ブラジル人ラッパーRico Dalasamをフィーチャー。US R&B/Hip-Hopの影響を感じるエレクトリック・ソウル。終盤はRico Dalasamがラップで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UJqFncoPdSs

「From The Heights」
美しいシンセの音色とXeniaの艶やかなヴォーカルがシンクロしたビューティフルなネオソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=Sc-FLeOyWJg

「Interludio - Entrevista Menino Do Pelo」
インタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=VaIgUYp_bH0

「Magia」
ラストはDjavanのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『A Voz, O Violao, A Musica De Djavan』(1976年)に収録。美しいストリングスを配したドラマティックなビューティフル・チューンで締め括ってくれます。感動的なドキュメンタリーのエンディング・テーマのような雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=pe5qexaRhSA

『Xenia』(2017年)


ご興味がある方はAlafiaの作品もチェックを!

Alafia『Corpura』(2015年)


Alafia『Sp Nao E Sopa』(2017年)
posted by ez at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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