2023年04月30日

Mark De Clive-Lowe, Shigeto & Melanie Charles『Hotel San Claudio』

Pharoah Sandersのカヴァー収録☆Mark De Clive-Lowe, Shigeto & Melanie Charles『Hotel San Claudio』

発表年:2021年
ez的ジャンル:UKクロスオーヴァー経由L.A.ジャズ
気分は... :僕の好きなMdCL!!!

今回は当ブログでもお馴染みのキーボード奏者Mark De Clive-LoweMark De Clive-Lowe, Shigeto & Melanie Charles『Hotel San Claudio』(2021年)です。
※2021年リリースですが、CD入手が容易になったのが最近なので新作扱いにさせていただきます。

ニュージーランド人の父と日本人の母を持ち、かつては"西ロンドンのHerbie Hancock"とも呼ばれたプロデューサー/キーボード奏者/DJMark De Clive-Lowe(MdCL)に関して、当ブログでこれまで紹介したのは以下の5枚。

 『Six Degrees』(2000年)
 『Tide's Arising』(2005年)
 『Journey 2 The Light』(2007年)
 『Renegades』(2011年)
 『Church』(2014年)

Shigeto(ds)、Melanie Charles(fl、vo)との共同名義でリリースされた本作『Hotel San Claudio』は、「The Creator Has A Master Plan」「Love is Everywhere」という昨年9月に逝去したジャズ・サックスの巨人Pharoah Sandersのカヴァーを収録したことで注目されている1枚です。

MdCLは昨年にもDwight TribleCarlos Ninoらも参加したPharoah Sandersのトリビュート・ライヴ・アルバム『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』(2022年)をリリースしています。

『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』(2022年)


『Hotel San Claudio』『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』も"Pharoah Sanders追悼"を前面に打ち出す謳い文句が多いため、Pharoah Sandersの逝去を受けて、これら2枚のアルバムがレコーディングされたように思われている方もしれません。

しかし、実際の出来事を時系列で並べると、
『Hotel San Claudio』リリース

『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』リリース

Pharoah Sanders逝去
となります。

『Church』(2014年)以降は、L.A.を拠点にジャズ的アプローチの作品をリリースするようになったMdCLですが、本作『Hotel San Claudio』はクラブジャズ/クロスオーヴァーにアプローチしていた西ロンドン時代のファンも楽しめる1枚に仕上がっていると思います。

その意味で同じPharoah Sandersへのトリビュートでも『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』とはかなり色合いが異なります。

ハイライトは当然ながら「The Creator Has A Master Plan (Part 1)」「Love is Everywhere」「The Creator Has A Master Plan (Part 2)」というPharoah Sandersをカヴァーした3トラック。

それ以外は3人によるオリジナル。個人的には「Bushido」「Kanazawa」という日本に因んだタイトルの2曲とHip-Hop調の「Strings」がオススメです。

僕の好きなMdCLが帰って来た!と感じられる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Creator Has A Master Plan (Part 1)」
Pharoah Sandersのカヴァー1曲目(Pharoah Sanders/Leon Thomas作)。オリジナルは『Karma』(1969年)収録。Pharoahのスピリチュアル・ジャズ名曲をオリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、よりミステリアス&コズミックなカヴァーに仕上がっています。Melanieのヴォーカル&フルートがミステリアス・ムードをより高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4-Wr328eRhA

当ブログではオリジナルでもヴォーカルをとるLeon Thomasのリメイク、Lord EchoBrooklyn Funk EssentialsThe Souljazz Orchestraのカヴァーも紹介済みです。

「Strings」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。これはHip-Hopバンド調の演奏ですが、本作らしいコズミックな雰囲気もあります。Melanieのヴォーカルもラップ調です。今ジャズ好きの人は楽しめるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=d9BUCQuD5jA

「MFT」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。妖艶なミステリアス・ムードが印象的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=O5Cibt2HncM

「Bushido」
Mark De Clive-Lowe作。「武士道」というタイトルの通り、オリエンタルなミステリアス・フィーリングのある演奏を聴くことができます。Melanieのフルートが尺八のような雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=WTgLLeuadcw

「Interlude (Contorni)」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。ミステリアスなインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=5PPV4EQ1vTk

「Kanazawa」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。タイトルは「金沢」のことだと思います。Melanieのヴォーカルをフィーチャーし、シンセのヴィヴィッドな音色が印象的なエレクトリック・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TCfU_63iAYc

「Love is Everywhere」
Pharoah Sandersのカヴァー2曲目(Pharoah Sanders/Leon Thomas作)。オリジナルは 『Love In Us All』(1975年)収録。当ブログではBuild An Arkのカヴァーも紹介済みです。Melanie Charlesの伸びやかなヴォーカルが躍動するコズミック&ダンサブルなクロスオーヴァー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PBsneBumfzg

「Interlude (Digestivo)」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。コズミックななインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=_FrOdvjBEL8

「The Creator Has A Master Plan (Part 2)」
ラストはオープニングを飾った「The Creator Has A Master Plan」のPart 2です。こちらはよりコズミックなクロスオーヴァー感覚の仕上がりです。少しダビーな感じも好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=Qp9S2t-akL0

MdCLの他作品もチェックを!

『Six Degrees』(2000年)
シックス・ディグリーズ

『Tide's Arising』(2005年)
Tides Arising

『Journey 2 The Light』(2007年)


『Renegades』(2011年)
Renegades [解説付・ボーナストラック2曲収録・国内盤] (BRC308)

Mark de Clive-Lowe & Rotterdam Jazz Orchestra『Take the Space Trane』(2013年)


『Church』(2014年)


『Heritage』(2019年)


『Church Sessions』(2019年)


Mark de Clive-Lowe/Andrea Lombardini/Tommaso Cappellato『Dreamweavers』(2020年)


『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』(2022年)
posted by ez at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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