発表年:1979年
ez的ジャンル:Malaco産エレクトロ・ディスコ/ソウル
気分は... :風さわぐなり・・・
今回はMalacoのディスコ・クイーンFern Kinneyのデビュー・アルバム『Groove Me』(1979年)です。
Fern Kinney、1949年ミシシッピ州ジャクソン出身の女性ソウル/ディスコ・シンガー。
Dorothy Mooreも在籍していたガールズ・グループThe Poppiesに加入しますが短命に終わり、1968年にソロ・デビュー・シングル「Your Love's Not Reliable」をリリースします。
その後、バック・コーラス・シンガーとしてKing Floyd「Groove Me」(1970年)、Dorothy Moore「Misty Blue」(1976年)などに参加しています。
Frederick Knightとのデュエット・シングル「Sweet Life」(1978年)で再び注目を浴び、サザン・ソウル名門Malacoとの契約に成功します。
そして、ディスコ路線を打ち出した『Groove Me』(1979年)、『Fern』(1981年)、『Sweet Music』(1982年)という3枚のアルバムをMalacoからリリースしています。
その第1弾となるデビュー・アルバムが本作『Groove Me』(1979年)です。
エレクトロ色を前面に打ち出したミュンヘン・ディスコ調のダンス・チューンが印象的な1枚です。同時に、Fern Kinneyのコケティッシュなヴォーカルを満喫できます。
プロデュースはCarson Whitsett、Tommy Couch、Wolf Stephenson。
レコーディングには、Dino Zimmerman(g)、Fred Knobloch(g)、Don Barrett(b)、Ray Griffin(b)、Blair Cunningham(ds、per)、James Stroud(ds、per)、Wolf Stephenson(synds)、Carson Whitsett(key、syn)、Carl Marsh(syn)、Robert Scott(syn)、Cheryl Bundy(back vo)、Fern Kinney(back vo)、Jewel Bass(back vo)、Valerie Williams(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
King Floydの大ヒット・シングルをカヴァーしたダンス・クラシック「Groove Me」、Sylviaの大ヒット・シングルをカヴァーした「Pillow Talk」、シングル・カットされたUKチャート第1位となったKin Lerayのヒット曲カヴァー「Together We Are Beautiful」という3曲が本作のハイライト。
それ以外に、ミュンヘン・ディスコ調strong>「Under Fire」、僕好みの哀愁メロウ・グルーヴ「Angel On The Ground」、レゲエ調エレクトロ・ミディアム・グルーヴ「Baby Let Me Kiss You」もオススメです。
また、国内盤再発CDボーナス・トラックでは、「Sweet Life」、「Tonight's The Night」というFrederick Knightとのデュエット・シングルの2曲、1978年のシングル曲「Movie Show」がオススメです。本編とは異なるソウルフルなFern Kinneyを楽しめます。
ボーナス・トラックも含めて充実の1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Groove Me」
King Floyd、1970年の大ヒット・シングルをカヴァー(King Floyd作)。シングル・カットされ、USチャート第54位、同R&Bチャート第26位、同ダンス・チャート第1位となったダンス・クラシック。ミュンヘン・ディスコ×トロピカルといった雰囲気のエレクトロ・ディスコに仕上がっています。キュートでピュアなFernのヴォーカルがいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=oh0Y1nnSKBY
「Under Fire」
B. A. Robertson/Terry Britten作。ミュンヘン・ディスコ調ダンス・チューン。流麗なストリングスも入ったミラーボールが似合いそうなダンス・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=81GzPgsEdGg
「Angel On The Ground」
Carson Whitsett作。僕好みの哀愁メロウ・グルーヴ。一度聴いたら忘れられないような懐メロ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=E6ZWyTY5WUQ
「Pillow Talk」
Sylvia Robinson、1973年の大ヒット・シングルをカヴァー(Michael Burton/Sylvia Robinson作)。Fernのコケティッシュ声質はSylviaに通じるものがあるので、このカヴァーは納得です。お馴染みの人気曲を僕好みのストリングス入りのメロウ・ディスコで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Spl5iWju9NA
「Together We Are Beautiful」
UKチャート第1位となったKin Leray、1977年のヒット曲をカヴァー(Kin Leray作)。シングル・カットされたUKチャート第1位となりました。少し甘く切ない感じにグッとくるメロウなミディアム・グルーヴ。少しトロピカル・テイストなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gjiuAH-hHNc
「Sun, Moon, Rain」
Carson Whitsett作。ピアノ、アコギのバッキングによる正統派バラード。悪くはないですが、サウンド的にアルバムの中で少し浮いている気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=MdOgNPhQBCo
「Baby Let Me Kiss You」
King Floyd、1970年のヒット・シングルをカヴァー(King Floyd作)。エレクトロ色を前面に打ち出したレゲエ調のミディアム・グルーヴ。中途半端にせずに思い切りエレクトロに振り切った感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=hK0PVYsvV0Y
国内盤再発CDにはボーナス・トラック6曲が追加収録されています。
「Let's Keep It Right」
シングル「Groove Me」のB面曲。リラックスしたポップ・ソウル。A面「Groove Me」とのサウンドのギャップが大きすぎます(笑)。アルバム本編以上にソウルフルです。
「Movie Show」
1978年のシングル曲。マイアミ・ソウル調の哀愁メロウ・ミディアム。甘く切ない雰囲気がFernのヴォーカルによくフィットしています。
「Groove Me (Single Version)」
「Baby Let Me Kiss You (Single Version) 」
「Groove Me」「Baby Let Me Kiss You」のシングル・ヴァージョン。
「Sweet Life (Duet With Frederick Knight)」
前述のFrederick Knightとのデュエット・シングルをカヴァー。イナたい雰囲気のメロウ・ミディアムを素敵なデュエットで聴かせてくれます。ソウル・シンガーとしてのFernのキュートな魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=FHj5zTvfXOA
「Tonight's The Night (Duet With Frederick Knight)」
上記「Sweet Life」のB面曲。こちらもFrederick Knightと素敵なデュエットを聴かせてくれます。ソウルフルなFernを楽しめる好トラックです。
2ndアルバム『Fern』(1981年)、3rdアルバム『Sweet Music』(1982年)もCD化してほしいですね。