発表年:2023年
ez的ジャンル:鬼才系ブラジル音楽
気分は... :self-reliance・・・
ブラジル新作からDomenico Lancellotti『Sramba』です。
Kassin、Moreno Velosoとの+2ユニットでも知られる、1972年ブラジル、リオデジャネイロ生まれの鬼才プロデューサー/パーカッション奏者Domenico Lancellottiの紹介は、Domenico + 2『Sincerely Hot』(2002年)に続き2回目となります。
最新作『Sramba』は、Caetano Velosoのバンド・メンバーとしても知られるRicardo Dias Gomesをプロデューサーに迎え(Domenico自身は共同プロデューサーとしてクレジット)、サンバにアプローチした作品です。
サンバ・レジェンドIvor Lancellottiを父に持つDomenicoにとって、サンバへのアプローチはさほど驚くものではないのかもそれませんが、そこは一筋縄ではいかないのがDomenico。Domenicoならではのアヴァンギャルドな技を随所に挟んで楽しませてくれます。また、サンバ以外のトラックも収録されているので、Domenico好きの人であればフツーに楽しめると思います。
ソングライティングはすべてDomenicoのオリジナル(Ricardo Dias Gomesらとの共作も含む)。
派手さはありませんが、Domenico流のサンバ・ワールドに思わずニンマリしてみては?
全曲紹介しときやす。
「Ere」
土着的なリズム、ヴォーカルにアヴァンギャルドなアクセントが加わった不気味なオープニング。これぞDomenico。
https://www.youtube.com/watch?v=PXd-xDJrcB0
「Um Abraco no Faust」
Joao Gilbertoの名曲「Um Abraco No Bonfa」へのオマージュ。ギターを中心としつつも、エレクトロニカを駆使したコズミック感覚が印象的なインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=9Il9geyCoqI
「Diga」
エレクトロニカなエッセンスを巧みに織り交ぜたサンバ・チューン。キャッチーとアヴァンギャルドのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=O5xVKw6v4dw
「Aterrizar」
Domenicoの脱力系ヴォーカルがフィットした哀愁サンバ・グルーヴ。薄らとしたエレクトロニカ・サウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=52o6x1j7W7Y
「Ta Brabo」
Domenicoのヴィオランが寂しげに響くメロウ・ボッサ感覚のインスト。ここでもエレクトロニカなスパイスがモダンな仕上がりに貢献しています。
https://www.youtube.com/watch?v=4KzCOPygSXY
「Mole」
Domenicoらしいエクスペリメンタルな音世界を楽しめるトラック。これはエレクトロニカ好きのためのトラックかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=71a3xNla-hk
「Nada Sera de Outra Maneira」
Tamba Trioへのオマージュ。美しいストリングスを配したジャズ・サンバの中にアヴァンギャルドな隠し味を忍ばせているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kGBA06C4U1s
「Quem Samba」
Marcia Santosをフィーチャー。ホーン・サウンドも配したノスタルジックなサンバを、Marcia SantosとDomenicoが男女デュエットします。
https://www.youtube.com/watch?v=VD95l41BGTQ
「Descomunal」
Toriをフィーチャー。Toriの女性ヴォーカルが浮遊するかのようなフューチャリスティック&アンビエントなトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dh7zEi9w5Ik
「Florescer」
ラストはDomenicoらしいセンスのポストロック的なポップ・チューンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_ROZ3KnDGu8
Domenico Lancellottiの他作品もチェックを!
Domenico + 2『Sincerely Hot』(2002年)

『Serra dos Orgaos』(2017年)