発表年:2005年
ez的ジャンル:UKネオソウル
気分は... :莫妄想・・・
今回はUKネオソウル作品、Don-E『Try This』(2005年)です。
UK南ロンドン、ブリクストン出身のR&Bシンガー/マルチ・インストゥルメンタリスト/プロデューサーであり、UKソウルのディーヴァBeverley Knightの従兄弟であるDon-E(本名:Donald McLean)の紹介は、『Natural』(2008年)に続き2回目となります。
UKの良質レーベルDomeへの移籍第一弾アルバムとなった本作『Try This』(2005年)。
2ndアルバム『Changing Seasons』(1995年)以来、約10年ぶりの3rdアルバムとなりました。その間はプロデューサー、ソングライティング、プレイヤー、客演といった裏方的な活動が中心でした。
本作について、D'Angelo、Rahsaan Patterson
の流れを汲むUKネオソウルと形容されることが多いですが、裏方的活動の中でDon-Eスタイルのネオソウルを育んでいたのかもしれませんね。
プロデュース/ソングライティング(共作含む)はDon-E自身。
アルバムにはUKソウルの重鎮Omar、USラッパーMF Grimm、Lornette Fordがゲスト参加しています。
そのゲスト陣が参加した「No Reason」、「Slow!」、「All We Need」の3トラックが目立ちます。
それ以外であれば「Bus Stop!」、「Keep On Luvin U」、「I Do」、「Hott Honey」、「Walk In My Shoes」あたりがオススメです。
D'Angelo、Rahsaan Patterson好きの方はチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Sickest Style (Interlude)」
多重録音による一人ア・カペラの短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=VeUYRG7O-a4
「Walk In My Shoes」
疑似ライヴ風の仕上がり。臨場感のあるグルーヴ、浮遊する鍵盤、Don-Eのヴォーカルの一体化しているのがいいですね。デビュー当時のD'Angeloの肌触りを思い出します。
https://www.youtube.com/watch?v=tANsAAvmQTA
「Bus Stop!」
Rahsaan Pattersonに通じる美学を感じるネオソウルは僕好み。Rahsaan Pattersonほどの妖しさはありませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=GKhq-1ZtKh4
「No Reason」
Omarをフィーチャー。プロデュース/ソングライティングもOmarと共同です。Omar色がよく出たトラック。あえてOmarスタイルにDon-Eが乗ったかたちですね。やはりアルバムで最も目立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=KDKoBtidj-U
「Keep On Luvin U」
軽くGo-Goのエッセンスを取り入れたファンキー・チューン。D'Angelo好きの人は気に入るのでは?ここでのDon-Eは少し妖しい雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=ACLjy3zKxtY
「Slow!」
Lornette Fordをフィーチャーしたメロウなミディアム・グルーヴ。艶やかなLornette Fordの女性ヴォーカルとDon-Eのヴォーカルの相性は抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=ryn4g_LOlPo
「I Do」
ネオソウルらしいスロウ。これもD'Angeloの影響を感じます。ネオソウル・シンガーとしてのDon-Eの魅力を満喫できます。
「All We Need」
MF Grimmをフィーチャー。メロウでキャッチーなR&Bグルーヴ。MF Grimmのラップがいいアクセントになっています。ポジティヴまヴァイヴがあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yiuvymTI8JI
「Rising」
Rahsaan Pattersonライクなスロウ。さり気ないホーンもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=GkWYO2EOLvM
「One More Time」
ダンサブルなミディアム・グルーヴ。悪くないけど何かが足りない気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=fYZNc02kLig
「Let Me Be Yours」
アコギによるフォーキー・ネオソウル。アンプラグドな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=ITqA7j1QIrs
「Hott Honey」
僕好みのメロウなミディアム・グルーヴ。さり気ないですがDon-Eのセンスの良さを感じます。思わずハンドクラップしてしまいます!
https://www.youtube.com/watch?v=T9jybxZOQgI
「How I Feel」
ロッキン・ギターが印象的な哀愁グルーヴ。ロッキンなテイストは当時僕が好きだったネオソウル・アーティストVan Huntに通じるものがあります。
「See What I See」
オープニングに続き多重録音による一人ア・カペラで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=V3bivfb5tWs
「Lonely」
派手さはありませんがクセはあるミディアム。そのせいか聴き入ってしまいます(笑)
「Try This」
本編ラストはタイトル・トラック。プログラミングも織り交ぜたリズミックなトラック。CD上は8分超のトラックですが、半分はシークレット・トラックのような感じです。こういう仕掛けは使いづらいので避けて欲しいですね。サプライズで魅力が半減してしまう・・・
https://www.youtube.com/watch?v=FGXGCHIL2FM
「Slow! (Atomic Dread Remix)」
国内盤CDボーナス・トラックその1。「Slow!」のリミックス。(多分)Zapp「Computer Love」ネタを織り交ぜながら、骨格を強調したトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_Kc0beMsRuI
「One More Time (Loose Vibez Mix)」
国内盤CDボーナス・トラックその2。「One More Time」のリミックス。オリジナル・トラックに対して何かが足りない気も・・・と書きましたが、このリミックスは足りない部分が補われている気がします。断然コチラが良いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=t07fQlg1Rh0
Don-Eの他作品もチェックを!
『Unbreakable』(1992年)

『Changing Seasons』(1995年)

Suv + Don-E『Rhythm 'N' Bass』(2007年)

『Natural』(2008年)

『Try This』(2005年)

『Little Star』(2013年)

『Future Rare Grooves』(2014年)

『Future Rares 2!』(2015年)
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