発表年:2023年
ez的ジャンル:UK女性R&Bシンガー
気分は... :軒の玉水・・・
新作からUK期待の女性R&BシンガーMahaliaの2ndアルバム『IRL』です。
Mahalia(本名:Mahalia Burkmar)は1998年イギリス・レスター生まれのシンガー/ソングライター/女優。
なんと13歳でAsylum Recordsと契約したという才女であり、これまで『Diary of Me』(2016年)、『Love and Compromise』(2019年)といったアルバムをリリースしています。
※ただし、『Diary of Me』(2016年)はコンピ・アルバム扱いで、『Love and Compromise』(2019年)がデビュー・アルバムという扱いのようです。『Love and Compromise』はUKアルバム・チャート第28位、同R&Bアルバム・チャート第4位となっています。
また、Jacob Collier『Djesse Vol. 3』(2020年)からのシングル「All I Need」にフィーチャリングされ、同曲は2021年グラミーのBest R&B Performanceにもノミネートされました。
Jacob Collier with Mahalia & Ty Dolla $ign「All I Need」
https://www.youtube.com/watch?v=ue6g7SPSyAM
2ndアルバムのタイトル『IRL』は、"In Real Life"の頭文字をとったもの。彼女のリアルが描かれ、家族や周囲の人の名も登場します。
メイン・プロデュースはJD Reid。
それ以外にHart、TheElements、Raye、Spencer Stewart、Gradesもプロデュースを手掛けています。
アルバムにはJoyce Wrice、JoJo、Stormzy、Destin Conrad、Kojey Radicalといったアーティストがフィーチャリングされています。
演奏面ではJD Reidに加えて、Max Pope(g、b)も大きく貢献しています。
「Terms And Conditions」、「Cheat」、「Ready」といったシングル曲、甘く切ないメロウR&B「In My Head」、ダンサブルなのに内省的な「Isn't It Strange」、"In Real Life"感のある「In My Bag」、新世代アーティストらしい感性の「It's Not Me, It's You」、さり気ないメロウ・ミディアム「Lose Lose」あたりが僕のオススメです。
アルバムは既にUKアルバム・チャート第31位、同R&Bアルバム・チャート第2位となっています。
僕の感性にフィットする今時の女性R&Bに出会えて思わずニンマリです。
全曲紹介しときやす。
「Ready」
JD Reid/Hartプロデュース。切々と歌われる哀愁メロウ・ミディアムがオープニング。シングルにもなりました。内省的な雰囲気にグッときます。Mahaliaの少し抑えたトーンながらも思いが伝わってくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KNHgQdx2CAc
「In My Bag」
TheElementsプロデュース。今時のR&Bらしいヴォーカル・スタイルの哀愁メロウ・ミディアム。"In Real Life"をさらけ出している雰囲気もあって刺さるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=i0EPaHUWkiw
「Terms And Conditions」
TheElements/Rayeプロデュース。UK女性シンガーRayeはプロデュースのみならずバック・コーラスでも参加しています。Mahaliaも今年リリースされたRayeのデビュー・アルバム『My 21st Century Blues』に参加しており、そのお返しといったところでしょうか。リズミックな中にもジワジワとエモーションが伝わってくるR&Bグルーヴに仕上がっています。シングルにもなりました。
https://www.youtube.com/watch?v=EuVcfJLxmcI
「In My Head」
US女性R&BシンガーJoyce Wriceをフィーチャー。JD Reidプロデュース。僕好みの甘く切ないメロウR&B。楽曲自体も良いですし、女性R&Bらしい艶やかな歌声にもグッときてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=a-NTOoysdSE
「Cheat」
US女性シンガーJoJoをフィーチャー。Spencer Stewart/JD Reidプロデュース。シングルにもなりました。JoJoとMahaliaの掛け合いに惹かれる哀愁R&Bグルーヴに仕上がっています。哀愁モードですが湿っぽくないのがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=nmPu4zO_AXw
「November」
UK男性シンガー/ラッパーStormzyをフィーチャー。JD Reid/Hartプロデュース。意外にもレトロ・ソウル調のソウル・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=i2gfssnFA2M
「Hey Stranger」
JD Reidプロデュース。Mahaliaの切々とした語り口にグッとくるバラード。リズムを最小限に抑えて、Mahaliaのヴォーカルを際立たせているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9jZemk3BEYA
「Isn't It Strange」
Grades/JD Reidプロデュース。ダンサブルなのに内省的なのが今時のR&Bらしいですね。淡々としているのに、知らぬ間に魅せられてしまうのがMahaliaのヴォーカルの魅力だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=k_Hmtex1vmg
「It's Not Me, It's You」
USシンガーDestin Conradをフィーチャー。JD Reidプロデュース。哀愁メロウ・ミディアムですが、新世代アーティストらしい感性に溢れている感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=UCM4MPMPaFg
「Wassup」
UKラッパーKojey Radicalをフィーチャー。ここ数年、当ブログでは彼をフィーチャリングしているアルバムを結構紹介しています。JD Reidプロデュース。Soul for Real「Candy Rain」をサンプリングしたトラックが印象的なダンサブル・チューン。90年代R&B/NJSのエッセンスを2023年仕様にアップデートしている感じに惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=O8xPxerBJpk
「Lose Lose」
JD Reidプロデュース。メロウ・ギターの音色をバックに、Mahaliaがキュートに語りかけるメロウ・ミディアム。さり気なさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=Q5soSJucWOo
「Goodbyes」
JD Reidプロデュース。アコースティックな質感でスタートしますが、一変してプログラミングによるダンサブル・サウンドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=J4nO6K4aQ6I
「IRL」
JD Reidプロデュース。ラストはタイトル曲で締め括ってくれます。タイトルの通り、自然体のあるがままの自分で歌っている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6nc-T1TjJvg
『Love and Compromise』(2019年)