発表年:1979年
ez的ジャンル:N.Y.サルサ
気分は... :"ハード・ハンズ"再建!
今回はN.Y.サルサからRay Barretto『Rican/Struction』(1979年)です。
ラテン・グルーヴの帝王"ハード・ハンズ"Ray Barrettoについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の7枚。
『Senor 007』(1965年)
『Acid』(1968年)
『Latino Con Soul』(1967年)
『The Message』(1972年)
『Que Viva La Musica』(1972年)
『Can You Feel It』(1978年)
『La Cuna』(1981年)
『Rican/Struction』は70年代後半のBarrettoを代表するサルサ名盤です。勿論、Faniaからのリリースです。
この時期のBarrettoは彼の商売道具とも呼べる手を負傷してしまい、そこからの復帰作となったのが本作です。
これに因んでアルバム・タイトルはPuerto RicanとReconstructionを組み合わせたものになっています。またアルバム・ジャケでも手の再建(Reconstruction)が描かれています。
同時に、ディスコ/フュージョン路線に傾倒していたBarrettoがサルサに回帰したという意味での再建も含まれていると思われます。
Ray Barretto(congas)以下、Adalberto Santiago(vo、maracas、claves)、Oscar Hernandez(p)、Sal Cuevas(b)、Hector Zarzuela(tp)、Jose Febles(tp)、Jose Jerez(tp)、Papo Vazquez(tp)、Puchi Boulong(tp)、Todd Anderson(sax)、Jose A. Fajardo(fl)、Luis Gonzalez(bongos)、Ralph Irrizary(timbales)、Ray Romero(bata)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。
プロデュースはRay Barretto自身。
「Al Ver Sus Campos」、「Un Dia Sere Feliz」、「Ya Vez」などモダンでエネルギッシュなN.Y.サルサで楽しませてくれます。
エレピも交えた都会的な「Algo Nuevo」、リズミックな「Tumbao Africano」もオススメです。
再建された"ハード・ハンズ"によるラテン・ワールドを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Al Ver Sus Campos」
Johnny Ortiz作。Oscar Hernandezアレンジ。ラテン・グルーヴの帝王復活を印象づけるモダンなサルサ・グルーヴがオープニング。溌剌とした中にもヴォーカルに哀愁漂うのがサルサらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mkhNayzsi8I
「Un Dia Sere Feliz」
Oscar Hernandezアレンジ。軽快に疾走するアップテンポのサルサ。躍動するリズム・シャワーと開放感のあるホーン・サウンドで聴く者を熱狂させます。エネルギッシュな中にも洗練を感じるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=i4jQr7LI7Nk
「Piensa En Mi」
Agustin Lara作。Eddie Martinezアレンジ。サンセットが似合いそうなロマンティックなバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=PsuDVmotIdk
「Ya Vez」
Eddie Martinezアレンジ。個人的には一番のお気に入り。Barrettoの"ハード・ハンズ"、艶のあるAdalberto Santiagoのヴォーカル、見事なホーン・アンサンブルなどモダンなN.Y.サルサを存分に満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=HPtbDvOWtTs
「Adelante Siempre Voy」
Curet Alonso作。Gil Lopezアレンジ。王道サルサにモダンなアレンジが加味された開放的で重厚なラテン・ワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ty_gaYC7S5Q
「Algo Nuevo」
Dick Mesa作/アレンジ。エレピの音色も聞こえてくる都会的な哀愁ラテン・グルーヴ。意外に後半はエキサイティングです。
https://www.youtube.com/watch?v=6T1T_QmES2U
「Tumbao Africano」
Ray Barretto作。Oscar Hernandezアレンジ。ラストはラテン・グルーヴらしいリズミックな演奏で締め括ってくれます。パーカッション・ブレイク、ベース・ソロなどもあって楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=uOGJ6obBrb0
Ray Barrettoの過去記事もご参照ください。
『Senor 007』(1965年)
『Latino Con Soul』(1967年)
『Acid』(1968年)
『The Message』(1972年)
『Que Viva La Musica』(1972年)
『Can You Feel It』(1978年)
『La Cuna』(1981年)