2023年09月10日

Dinner Party『Enigmatic Society』

スーパー・ユニットの第2弾アルバム☆Dinner Party『Enigmatic Society』

発表年:2023年
ez的ジャンル:スーパー・ユニット系R&B/Hip-Hop
気分は... :謎めいた社会?

新作からRobert GlasperKamasi WashingtonTerrace Martin9th Wonderという4人が結集したスーパー・ユニットDinner Partyの2ndアルバム『Enigmatic Society』です。

Dinner Partyは、『Black Radio』(2012年)でジャズ界に革命をもたらした先鋭ジャズ・ピアニストRobert Glasper、L.A.ジャズ・シーンを牽引するサックス奏者Kamasi Washington、ジャズ・ミュージシャンとHip-Hopビートメイカーという2つの側面を持つTerrace Martin、人気Hip-Hopプロデューサー9th Wonderによるユニット。

GlasperMartinが参加しているスーパー・ユニットR+R=Nowのツアー中に、二人が意気投合したのがDinner Party結成のきっかけだそうです。

2020年に1stアルバム『Dinner Party』をリリースし、そのリミックス・アルバム『Dinner Party: Dessert』(2020年)は、2022年のグラミー賞でBest Progressive R&B Albumにもノミネートされました。

ジャズ・ミュージシャン×Hip-Hopビートメイカーのユニットですが、基本的にはR&B/Hip-Hop作品です。

2ndアルバムとなる本作は、美しさと脆さが同居するようなトラックが印象的な1枚に仕上がっています。

アルバムには1st『Dinner Party』にも参加していたPhoelixはじめ、TankArin RayAnthony Clemonsがフィーチャリングされています。

また、Terrace Martin9th WonderRobert Glasperというメンバー以外にHi-TekSounwaveTrevor Lawrence Jr.もプロデューサーとして参加しています。

Mtume「Juicy Fruit」をサンプリングしたシングル「Insane」、優しくも切ない「For Granted」が僕のお気に入り。、

それ以外に、メロウな「Breathe」Daryl Hall & John Oates「I Can't Go for That (No Can Do)」を引用した「Can't Go」、ピースフルな「Love Love」といった9th Wonderプロデュースのトラックが僕のオススメです。

印象的なアルバム・ジャケを手掛けたのはKamasi Washingtonの妹のAmani Washington

派手さはありませんが、スーパー・ユニットならではの音世界を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Answered Prayer」
Robert Glasper/Terrace Martinプロデュース。Phoelixをフィーチャー。 Glasperの美しいピアノのみをバックにした前半から、後半はコーラスとKamasiのサックスが加わります。
https://www.youtube.com/watch?v=3Ro6K1hTUd4

「Breathe」
9th Wonder/Terrace Martinプロデュース。Arin Rayをフィーチャー。9th Wonder好きの人であれば気に入るであろうビートの効いたメロウ・トラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=OUhJma5eZYI

「Insane」
Sounwave/Terrace Martinプロデュース。Anthony Clemonsをフィーチャー。シングルにもなったキャッチーなトラックです。Mtume「Juicy Fruit」をサンプリングした哀愁ミディアム・グルーヴ。オートチューンを交えた憂いを帯びたヴォーカルと美しくも切ないサウンドがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=Q5uAgCc3yjw

「Watts Renaissance」
Hi-Tek/Terrace Martinプロデュース。トライバル&ミステリアスなインスト。Kamasiのサックスがむせび泣きます。
https://www.youtube.com/watch?v=1v9OkbTQNXM

「For Granted」
9th Wonder/Terrace Martinプロデュース。Arin Rayをフィーチャー。力強いビートとArin Rayの優しくも切ないヴォーカルが織り成す美しい音世界に魅せられます。「Insane」と並ぶ僕のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=NUzmWutOCzw

「Secure」
Terrace Martinプロデュース。Phoelix/Tankをフィーチャー。エフェクトをかけたヴォーカル・ワークが印象的なビートレス・トラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=Xb6Ak6BHEZo

「Can't Go」
9th Wonder/Terrace Martinプロデュース。Phoelixをフィーチャー。Daryl Hall & John Oates「I Can't Go for That (No Can Do)」を引用したミディアム・グルーヴ。不気味な脱力感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=6ZINgSkEw1w

「The Lower East Side」
Terrace Martin/Trevor Lawrence Jr.プロデュース。少しアフロ・ファンク・テイストのインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=fmpn00vGgks

「Love Love」
9th Wonder/Robert Glasper/Terrace Martinプロデュース。Arin Rayをフィーチャー。ラストはピースフルなメロウ・ソウルで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=b-gpj_I-kVI

1st『Dinner Party』はCD化されていませんでしたが、本作のCD化に合わせてこちらもCD化されました。

『Dinner Party』(2020年)
posted by ez at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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