録音年:1966年
ez的ジャンル:Coltrane流フリー・ジャズ
気分は... :複雑なものを複雑なままに・・・
久々にジャズの求道者John Coltrane(1926-1967年)です。
セレクトしたのは『OM』です。
これまで紹介してきたColtrane作品は以下の6枚。
『Blue Train』(1957年)
『My Favorite Things』(1960年)
『Ballads』(1962年)
『Impressions』(1961年、62年、63年)
『Kulu Se Mama』(1965年)
『Live At The Village Vanguard Again!』(1966年)
前回『Live At The Village Vanguard Again!』(1966年)のエントリーが2009年なので、14年ぶりのColtrane作品の紹介となります。
特段Coltrane作品を再び聴き直しているとかはないのですが、60年代ジャズから何か1枚とCD棚を眺めていたら、目に留まったのが『OM』でした。
本作『OM』は1966年にレコーディングされ、Coltraneの死後の1968年に未発表音源としてリリースされたフリー・ジャズ作品です。
タイトルの『OM』とは仏教用語でいう『南無(なむ)』のことであり、帰依を意味します。
収録曲は「OM」1曲のみ。LPではA面とB面でPart1,2に分割されていましたが、CDでは1トラックになっているので本来の演奏として楽しめます。
レコーディング・メンバーはJohn Coltrane(ts、ss)以下、Pharoah Sanders(ts)、McCoy Tyner(p)、Elvin Jones(ds)、Jimmy Garrison(b)、Donald Rafael Garrett(b、clarinet)、Joe Brazil(fl)という面々。
TikTokが流行し、タイパが重視され、何事もわかりやすさが過剰に強調される今の時代に、収録1曲のみの難解なフリー・ジャズのアルバムなど敬遠されがちなのかもしれませんね。
しかしそんな時代だからこそ、本作のような作品に価値があるのではないかなとも思います。
毎日聴きたい演奏ではないのは事実ですが、忘れた頃に聴くと創造力が刺激されるのでは?
全曲紹介しときやす。
「OM」
アヴァンギャルド全開なフリー・ジャズ。ColtraneとPharoahのフリーキーなサックスには聖なるエナジーが漲っています。最初聴くと、理解不能にも感じられるかもしれませんが、ちゃんと聴けばTynerのピアノやElvinのドラミングは意外にちゃんとジャズしていて、エネルギッシュなセッションとして楽しめるのでは?考えるな感じろ!というColtraneがサックスで主張しているようにも感じます。イントロとエンディングのスピリチュアル・ジャズな雰囲気も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=GwrV0qCX1LU
John Coltraneの過去記事もご参照ください。
『Blue Train』(1957年)
『My Favorite Things』(1960年)
『Ballads』(1962年)
『Impressions』(1961年、62年、63年)
『Kulu Se Mama』(1965年)
『Live At The Village Vanguard Again!』(1966年)