発表年:2023年
ez的ジャンル:UK R&B新ディーヴァ
気分は... :飛んでいるのか、それとも落ちているのか?
UK R&Bの新ディーヴァJorja Smithの最新作『Falling or Flying』です。
1997年UKバーミンガム郊外のウォルソール生まれの女性R&BシンガーJorja Smithの紹介は、8曲入りEP『Be Right Back』(2021年)に続き2回目となります。
フル・アルバムとしては、UKアルバム・チャート第3位、同R&Bアルバム・チャート第1位の大ヒットとなったデビュー・アルバム『Lost & Found』(2018年)以来の2ndアルバムとなる本作『Falling or Flying』。
前作同様に、UKアルバム・チャート第3位、同R&Bアルバム・チャート第1位となっています。
ただし、デビュー・アルバム『Lost & Found』(2018年)から本作『Falling or Flying』に至るまでは、彼女の大きな心境の変化があったようです。
デビュー後と共にUK音楽シーンの中心地であるロンドンで生活していましたが、その生活に貼り付けた緊張感と生きづらさを感じていたようです。それは本作のアルバム・タイトルのように「転落しているのか、飛んでいるのかわからない」という心境でした。
そこで生まれ故郷のウォルソールに戻り、心の安定を取り戻して制作されたのが本作『Falling or Flying』です。
メイン・プロデュースはDameDame。
それ以外にP2J、New Machine、Blue May、Jodi Millinerがプロデュースを手掛けています。
アルバムは前半の「Flying」、後半の「Falling」という二部構成になっています。
「Flying」パートでは、シングル・カットされ、UKチャート第11位となったハウス調ダンス・チューン「Little Things」、インディー・ロック調の「Go Go Go」、リズミックな「Try Me」、ダークトーンの哀愁グルーヴ「She Feels」が僕のお気に入り。
「Falling」では、レゲエ・シンガーLila Ikeをフィーチャーした「Greatest Gift」、メロウなネオソウル「Lately」、ギターが印象的な哀愁メロウ「Make Sense」がお気に入り。
故郷に戻り新たなステージに入ったJorja Smithの第二章を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Try Me」
DameDameプロデュース。シングルにもなったオープニング。ブレイクしたことによって絶えず大衆の視線に晒されることになった心境を歌ったものです。そのせいか、リズミックながらもJorjaのヴォーカルは何処となく憂いを帯びています。
https://www.youtube.com/watch?v=gUn6i9bfdRA
「She Feels」
DameDameプロデュース。ダークトーンの重く引きずられるような哀愁グルーヴとJorjaの憂いを帯びたヴォーカルの組み合わせにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=drdKVNe9fak
「Little Things」
P2J/New Machineプロデュース。シングル・カットされ、UKチャート第11位となっています。ハウス調のアッパー&パーカッシヴなダンス・チューン。ジャジー・ピアノがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=hqtDXcwX61I
「Flights Skit」
DameDameプロデュース。短いスキット。
https://www.youtube.com/watch?v=KyNALJG3oM0
「Feelings」
UKラッパーJ Husをフィーチャー。JorjaはJ Husの最新作『Beautiful And Brutal Yard』(2023年)の「Nice Body」に客演しています。DameDameプロデュース。ジワジワと沁みてくる哀愁メロウ・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=hAxy0xp55Mk
「Falling Or Flying」
DameDameプロデュース。タイトル曲は前述のように、転落しているのか、飛んでいるのかわからないというロンドンでの心境を切々と歌い上げたものです。Jorjaらしい哀愁ネオソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=S_O0lUA_lPw
「Go Go Go」
DameDameプロデュース。シングルにもなっています。インディー・ロック調の力強い1曲に仕上がっています。一気に駆け抜けていく疾走感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=LMMXg_ecrSA
ここまでが前半の「Flying」パートです。
「Try And Fit In」
DameDameプロデュース。後半のの「Falling」パートのオープニングはアンビエントな小曲でスタート。
https://www.youtube.com/watch?v=cACZi1qRThs
「Greatest Gift」
ジャマイカの女性レゲエ・シンガーLila Ikeをフィーチャー。DameDame/P2Jプロデュース。仄かににレゲエ・フィーリングが香るミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=vTiSJ597sRo
「Broken Is The Man」
P2Jプロデュース。しみじみとした哀愁メロウ。Jorjaのヴォーカルが優しく包み込んでくれる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zoGERRdAD0g
「Make Sense」
P2Jプロデュース。ギターの音色が印象的な哀愁メロウ。前曲に続きJorjaの優しい歌声に癒されます。
https://www.youtube.com/watch?v=QozYY23pQOU
「Too Many Times」
DameDameプロデュース。ビートを抑えた荘厳な雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=2B-nH8_VK10
「Lately」
DameDameプロデュース。聴いた瞬間、「これ大好き!」と直感したメロウなネオソウル。さり気ないサウンドとJorjaのヴォーカルがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=CibuWV1kGr0
「BT69 JJY」
P2Jプロデュース。次曲へのインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=UQ_jD7z76LQ
「Backwards」
P2Jプロデュース。ストリングスを配したビューティフルで感動的なミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=bb3I3og-9dA
「What If My Heart Beats Faster?」
Blue May/Jodi Millinerプロデュース。ラストはストリングスを配したバラードで荘厳なムードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=cuJ-PgRC5tQ
Jorja Smithの他作品もチェックを!
『Lost & Found』(2018年)
『Be Right Back』(2021年)