2023年11月08日

Gary Burton『Good Vibes』

異種格闘技!Atlanticからの第二弾アルバム☆Gary Burton『Good Vibes』

発表年:1970年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー系ジャズ・ヴァイヴ
気分は... :異種格闘技!

人気ジャズ・ヴィブラフォン奏者Gary Burton『Good Vibes』(1970年)です。

Gary Burtonは1943年インディアナ州アンダーソン生まれのジャズ・ヴィブラフォン奏者。60年代から2017年7に引退するまで、人気ミュージシャンとして活躍していました。

60年代後半から70年代前半にかけてAtlanticでレコーディングしていたGary Burton。ある意味、R&Bとの異種格闘技に挑んでいた時期ですね。

本作『Good Vibes』(1970年)は、『Throb』(1969年)に続くAtlanticからの第二弾作品となります。

プロデュースはJoel Dorn

レコーディング・メンバーはGary Burton(vibe、p、org)以下、Eric Gale(g)、Jerry Hahn(g)、Sam Brown(g)、Richard Tee(p、org)、Steve Swallow(b)、Chuck Rainey(el-b)、Bernard Purdie(ds)、Bill Lavorgna(ds、per)という面々。

ロック・モード全開のオープニング「Vibrafinger」、Gil Evansの名曲をカヴァーした哀愁ジャズ「Las Vegas Tango」
ロッキン&ブルージーな「Boston Marathon」、ソウルフルな「Pain in My Heart」(Otis Reddingのカヴァー)や「I Never Loved a Man (The Way I Love You)」Aretha Franklinのカヴァー)、レイドバックしたジャズ・ファンク「Leroy the Magician」という全6曲。

Gary Burtonの意欲的な異種格闘技セッションを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Vibrafinger」
Gary Burton作。ロック・ビートで始まるロック・モード全開のオープニング。Burtonのヴァイヴが聞こえない!なんて思っていたら、ギターの音色と間違えてしまいそうなエレクトリック・ヴァイヴがBurtonの演奏でした。ロック・モードのファンキー・グルーヴは今聴いてもなかなかエキサイティングです。本物のギターであるSam Brownのソロも格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=9tLhAdEm8Pg

「Las Vegas Tango」
Gil Evansの名曲をカヴァー。オリジナルはEvansの『The Individualism Of Gil Evans』(1964年)収録。Burtonのヴァイヴの音色が映える、今の時期にフィットする哀愁ジャズに仕上がっています。中盤の哀愁ロッキン・ギターもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lmRm8UYTeNw

Common「In My Own World (Check the Method)」、Black Moon feat. Smif-n-Wessun「Headz Aint Redee (Beatminerz Remix)」、Cypress Hill「Illusions」、Mobb Deep feat. Illa Ghee「Can't Get Enough of It」、Five Deez「Gateway 2000」、Freddie Joachim feat. Surreal「Matter of Time (Remix)」、DJ Shadow「Heavy Mood」、Knxwledge「MMG_」等40トラック以上のサンプリング・ソースとなっています。
Common「In My Own World (Check the Method)」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZwikdIepwQw
Black Moon feat. Smif-n-Wessun「Headz Aint Redee (Beatminerz Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=j3kMvvg2H8g
Mobb Deep feat. Illa Ghee「Can't Get Enough of It」
 https://www.youtube.com/watch?v=aVRa4vmBxrM
Five Deez「Gateway 2000」
 https://www.youtube.com/watch?v=5rMPB-T0sJA
Freddie Joachim feat. Surreal「Matter of Time (Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=L5eBUzOyBZk
DJ Shadow「Heavy Mood」
 https://www.youtube.com/watch?v=mmILD1gepWU
Knxwledge「MMG_」
 https://www.youtube.com/watch?v=Z1zTivuU_EY

「Boston Marathon」
Gary Burton作。軽やかなロック・ビート&ブルース・フィーリングで楽しませてくれる演奏です。Burtonのヴァイヴ・ソロを挟んで、Eric Gale、Jerry Hahnという二人のギタリストのソロを楽しめるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2c6pjCDqt-8

「Pain in My Heart」
Naomi Neville(Allen Toussaint)作。ソウル・レジェンドOtis Reddingのデビュー・アルバム『Pain In My Heart』のタイトル曲をカヴァー。ソウル・フィーリングを前面に打ち出した演奏はAtlanticレコーディングらしいですよね。ソウルフルなギター・ソロはJerry Hahn。Burtonのヴァイヴも異種格闘技によく馴染んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=Aaztbe5C03E

「Leroy the Magician」
Gary Burton作。レイドバックしたジャズ・ファンク調の演奏です。ユルさの中にもグイグイ推進力のあるビートを感じるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TvBnA20dgsI

Common「Nuthin' to Do」Kool G Rap「Executioner Style」等のサンプリング・ソースとなっています。
Common「Nuthin' to Do」
 https://www.youtube.com/watch?v=gYYve3YAxWM
Kool G Rap「Executioner Style」
 https://www.youtube.com/watch?v=9W9Mv3Ol3F4

「I Never Loved a Man (The Way I Love You)」
Aretha Franklin、1967年の大ヒット曲をカヴァー(Ronnie Shannon作)。オリジナルはアルバム『I Never Loved a Man the Way I Love You』(1967年)収録。ラストはGale、Hahnのツイン・ギターを従えたソウルフル&ブルージーな演奏で締め括ってくれます。抑えたトーンの演奏ですが、中盤で一度ギターがロッキンにスパークするのがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=HC_S0fNkX4U

Gary Burton『Good Vibes』の初期作品もチェックを!

『New Vibe Man in Town』(1962年)


『Who Is Gary Burton?』(1963年)


『Something's Coming!』(1964年)


The Gary Burton Quartet『Lofty Fake Anagram』(1967年)


The Gary Burton Quartet『Duster』(1967年)


『A Genuine Tong Funeral』(1968年)


The Gary Burton Quartet『Country Roads & Other Places』(1969年)


『Throb』(1969年)


Gary Burton & Keith Jarrett『Gary Burton & Keith Jarrett』(1971年)


『Alone at Last』(1972年)


Gary Burton & Stephane Grappelli『Paris Encounter』(1972年)


『The New Quartet』(1973年)


Gary Burton/Chick Corea『Crystal Silence』(1973年)


The Gary Burton Quintet With Eberhard Weber『Ring』(1974年)
posted by ez at 00:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
Minnie RipertonのAdventures in Paradiseのクレジットを調べていたらこちらのブログに辿り着きました。

タテヨコに拡がる音楽的な情報の広大無辺さもさることながら、18年間休まずに続けられている胆力にも感服いたしました。

18年前というと私は大学生で音楽の深掘りを始めだしたころなので、ezさんのブログにも何度か漂流していたのかも...とも思います。

これから過去ログも含めて、楽しく拝見させていただきます。
Posted by maki at 2023年11月11日 05:20
☆makiさん

ありがとうございます。

気づけばあっという間に18年といったところでしょうか。

ブログのコンセプトでもある、新旧、ジャンルを問わずという聴き方のおかげで、音楽への好奇心を失うことなく、長く続けられているのかもしれません。

あくまで趣味のブログですので、18年経っても素人丸出しの記事しか投稿できませんが、自分自身が楽しみながら、年代、ジャンルを縦横無尽に行き来して作品を紹介できればと思います。

これからも気軽に閲覧いただけると幸いです。
Posted by ez at 2023年11月12日 12:52
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