2007年08月08日

Joe Bataan『Riot』

これがスパニッシュ・ハーレムの“エル・バリオ・サウンド”☆Joe Bataan『Riot』
Riot!
発表年:1968年
ez的ジャンル:エル・バリオ系ラテン・レア・グルーヴ
気分は... :早くスッキリしたい!

些細なことでとてもモヤモヤ気分です。
僕自身が云々という問題ではないのですが、早くスッキリしたい気分です!

さて、今月は夏らしい作品を多くセレクトしたいと思っています。
夏といえば、レゲエ、ブラジリアン・グルーヴ、ハワイアンAOR、ラテン・ロック...そしてサルサでしょ!

ということで、今回はラテン・レア・グルーヴ好き必聴の1枚Joe Bataan『Riot』(1968年)です。

Joe Bataan(本名Peter Nitollano)は1942年NYのスパニッシュ・ハーレム生まれのアフロ・フィリピーノ。1965年に自身のバンドを結成し、1967年に『Gypsy Woman』がニューヨークのラテンマーケットで大ヒットしました。 その後も自身の活動に加え、作曲家、プロデューサーとしても才能を発揮し、"King of Latin R&B"の地位を確立しました。

1973年には共同設立者としてディスコ/ガラージ・ファンにはお馴染みの人気レーベルSalsoulを立ち上げています。

なんて書きながら、僕がJoe Bataanという人についてきちんと認識したのはここ数年のこと。大好きなSalsoulの立ち上げに関わったラテン・グルーヴ/サルサの重要人物でありながら、全く勉強不足でした。実にお恥ずかしい限りです。

そんなBataanの初期を代表するラテン・レア・グルーヴ必聴の作品がこの『Riot』(1968年)ということのようです。

よくわかりませんが、スパニッシュ・ハーレムならではのストリート・サウンドは“エル・バリオ・サウンド”と呼ばれていたようです。

全体としてはラテンとソウルが融合した楽曲が多いのが特徴ですね。個人的には、ソウル色が強すぎる曲よりも、フツーにラテン・グルーヴしてくれている曲の方が好きなのですが。

我が家のCD棚のラテン/サルサ・コーナーを眺めると、人に見せるのが恥ずかしいくらいアンバランスなコレクションになっています。

今日のようなラテン・グルーヴの視点ではなく、90年代初めのワールド・ミュージックの流れでコレクションしたのが根本的な原因なのですが。今聴くと笑ってしまうような歌謡サルサのアルバムも結構あったりするんですよね。

本作のような本当に聴くべき作品を地道に増やして、もう少しまともなコレクションにしたいですね

全曲紹介しときやす。

「It's a Good Feeling (Riot) 」
Smokey Robinson & The Miraclesのバージョンで知られるH-D-H(Brian Holland、Lamont Dozier、Edward Holland,Jr.)作品のカヴァー。

ラテンとモータウンが見事に融合したカッコいいラテン・ソウルに仕上がっています。パーティ・チューンとして盛り上がること間違いなしですね。ハンドクラップ、コーラスの掛け声が実にいい感じですね。サイレン音など随所にハーレムの雰囲気を醸し出してくれますね。

「For Your Love」
Marvin Gaye「Let's Get It On」の共作者としても知られるR&BシンガーEd Townsendの1958年のヒットのカヴァー。Bataanのこのバージョンもスウィート・ソウルに微かにラテンの風味が加わった作りになっています。Bataanのソウルフルなボーカルもなかなかです。

奇しくも一昨日紹介したSurfaceのメンバーDavid TownsendはEd Townsendの息子です。

「Muneca」
パーカッション&トロンボーンが前面に出た典型的なサルサ・チューン。僕にはよくわかりませんがデスカルガ(ジャム・セッション)的な展開なのだそうです。

「Pa' Monte」
スリリングでハードなサルサ・チューン。「Muneca」もこの「Pa' Monte」もフツーにサルサしていますが、実にカッコいいですね。

「What Good Is a Castle」
哀愁のラテン・ソウルという感じですね。Bataanの情感たっぷりなソウルフル・ボーカルがグッドです。

「Daddy's Coming Home」
Bataanが"King of Latin R&B"と呼ばれたのがわかる1曲。50年代あたりのノスタルジックな雰囲気が漂うのがいいですね。

「Mambo de Bataan」
パーカッションがパカポコ鳴り響くゴキゲンなサルサ・チューン。個人的にはこういったわかりやすいラテンのりが好きですね。

「My Cloud」
ラテン・ソウル系の曲のなかではラテン・テイストが最も強いこの曲が一番好きですね。

「Ordinary Guy」
フツーに哀愁ソウルですね。コーワスワークも含めて実に素晴らしい出来ですが、これを求めるならば他のソウル・アーティストを聴けば?なんて複雑な思いもあります。

正直、Joe Bataanは本作しかきちんと聴いていないのですが、『Gypsy Woman』『Subway Joe』『Salsoul』等の他作品も聴き込みたいですね。特に『Salsoul』(1973年)はぜひマイ・コレクションに加えたい1枚です。
posted by ez at 06:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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