発表年:1992年
ez的ジャンル:クールネスUKソウル
気分は... :暑すぎる!
暑くなるとSadeが聴きたくなります。
ひんやりクールダウンできる音楽、避暑地の雰囲気を味わえる音楽というのが僕のSadeに対するイメージになります。
『Stronger Than Pride』(1988年)に続く2回目の登場は『Love Deluxe』(1992年)をセレクト。
基本的にSadeの作品は全て好きですが、独自の世界を築き上げた『Stronger Than Pride』、そしてその路線を昇華させた本作『Love Deluxe』がSadeの絶頂期というのが僕の見方です。
決して明るくはない、クールなヒンヤリ感がたまりませんね。
暑くなるほど、このサウンドは手放せなくなりますね。
リードボーカルのSade Aduは『Stronger Than Pride』の後にスペイン人の恋人と結婚し、マドリードでの結婚生活を送っていましたが破局を迎えてしまいます。
ロンドンに戻ったSade Aduは他のメンバーとセッションすることで傷ついた心を癒したようですね。そんな中で発表されたアルバムが『Love Deluxe』です。
まずはジャケ写真に心を奪われてしまいますね。
Albert Watson撮影のフォトはまるでブロンズ像のような美しさですね。
中身の方も4年のブランクを感じさせない充実ぶりです。
音数を極端に抑えたサウンドと憂いを帯びたSade Aduのボーカルが紡ぎ出すクールネスは唯一無二の存在ですね。
一回聴いただけでは地味な印象を受けるかもしれませんが、聴き込むほどに味が出てくる飽きが来ないアルバムですね。
全曲紹介しときやす。
「No Ordinary Love」
アルバムからの1stシングル。シングルとしてはかなり地味ですが、逆にSadeならではのヒンヤリ感たっぷりでいいですね。先に述べたSade Aduのプライベートを踏まえると余計に哀愁ムードが深まります。
Adrian Lyne監督、Robert Redford、Demi Moore主演の映画『Indecent Proposal(幸福の条件)』(1993年)の挿入歌としても使われていましたね。
「Feel No Pain」
夏らしいリズムがいいですね。避暑地の夕暮れ時というイメージが湧いてくる曲ですね。シングルカットもされました。
「I Couldn't Love You More」
このタイトルもかなり切実に響いてきますね。楽曲的にはかなり僕好みのヒンヤリ・チューンに仕上がっています。音数が少ないのに奥行きのある音空間が大好きですね。
「Like a Tattoo」
過去の思い出すようなスパニッシュ・テイストのギターが実に印象的な哀愁ナンバー。AZ「Pay Back」のサンプリングネタにもなっています。この曲もシングルカットもされました。
「Kiss of Life」
アルバムで一番シングル向きのキャッチーなナンバー。実に心地良く胸に響くこのメロウ・チューンが個人的にも一番好きですね。セピア・トーンのイメージが似合う楽曲が多い中で、この曲はカラフルなイメージが似合いますな。シングルカットもされました。
「Cherish the Day」
この曲もシングル曲。深い霧の中をさ迷うような雰囲気の曲ですね。Sade Aduのボーカルが引き立ちます。
「Pearls」
美しく響くチェロをバックにSade Aduが切々と歌い上げます。とても内省的な雰囲気がいいですね。
「Bullet Proof Soul」
無機質に響くリズムマシンの音と哀愁ボーカルのコントラストが逆にいい感じですね。
「Mermaid」
最後はロマンティックなインスト曲。誰もいない浜辺といった感じでなかなかグッドですね。
全体的には、かなり静かで哀愁ムードのアルバムですが、この静寂感や音のない空間を楽しむのがSadeの魅力だと思うので、そういった面からはかなり完成度の高いアルバムなのでは?
「Love Deluxe」は1番好きなシャーデーのアルバムです。
“Feel No Pain”が個人的なベスト・トラック。
シリアスな歌詞を反映したヘヴィーなグルーヴが素晴らしいですね。
ありがとうございます。
『Love Deluxe』は、Sadeならではの憂いが魅力のアルバムですね。
この独特の静寂感は、いつ聴いても心をクールダウンさせてくれます。
長く聴き続けることできる、飽きがこない作品ですね。