発表年:1978年
ez的ジャンル:南の楽園系フュージョン
気分は... :ラブランドへ行きたいなぁ☆
世間は帰省ラッシュのようですね。
帰省など無関係にクソ暑い東京でフツーに仕事してマス。
東京生まれ、横浜育ちの僕にとって、お盆や正月に故郷へ帰り、昔の仲間が集まって...みたいな話を聴くと羨ましく感じますねぇ。
せめて気分くらいは南国の楽園で...
ということで、ジャズ・キーボード奏者Lonnie Liston Smithの1978年の作品『Loveland』をセレクト。
Lonnie Liston Smithの紹介は人気作『Expansions』(1975年)に続き2回目になります。
ジャズ系リスナー以上にクラブ系リスナーからの人気・評価が高いLonnie Liston Smith。
個人的には、Flying Dutchmanレーベル時代の『Cosmic Funk』(1974年)、『Expansions』(1975年)、『Visions of a New World』(1975年)、『Reflections of a Golden Dream』(1976年)、『Renaissance』(1977年)といった作品の印象が強いですね。
コズミックで、スピリチュアルで、リゾートなジャズ・ファンクというイメージですね。
本作『Loveland』は、Flying Dutchmanレーベルの閉鎖に伴いColumbiaへ移籍した直後の作品です。
タイトルやジャケからも想像できる通り、南国の楽園ムードのアルバムです。
先の説明を用いれば、いつもよりもコズミック、スピリチュアル少なめ、リゾート多めという感じですね(ラーメンの注文みたい)。
ちなみに裏ジャケにはSmith自身の署名入りで以下のように書かれています。
we hope that we have brought you some bright moments on your journey into “Loveland”
(ラブランドへ向かう旅で、輝ける瞬間をあなたに与えることを、我々は望む)
あと本作で注目すべきは、若き日のMarcus Millerの参加ですかね。後に売れっ子ミュージシャン/プロデューサーになるMarcusですが、まだ有名になる前の初々しいプレイを堪能することができます。
ちなみにMarcusが最初にプロデュースした作品はSmithの『Dreams of Tomorrow』(1983年)です。相性ピッタリの二人なのでしょうね。
都会の喧騒を忘れさせてくれる、まさにラブランドなアルバムです。
全曲紹介しときヤス。
「Sunburst」
まさにリゾート気分のトロピカルなメロウ・グルーヴ。イントロが聴こえた瞬間、雲間から漏れる陽の光のごとく、視界が明るくなる感じですね。メロウですが、かなりリズミックな演奏は実に僕好みですね。Smithのエレピが何とも爽快です。フルートの音色も実に気持ちいいのですね。あとはMarcusのベースが全体を骨太なものにしてくれていますね。
「Journey Into Love」
Marcus Miller作品。ボーカル入りのファンキーなミッド・グルーヴです。僕はいつもこの曲を聴くと、何故かCurtis Mayfieldを思い出してしまいます。トロピカルCurtis(?)って印象でしょうか。
「Floating Through Space」
先に本作は他のSmith作品と比較してコズミック、スピリチュアル少なめと書きましたが、この曲だけは例外ですね。浮遊感たっぷりにコズミックなフュージョン・サウンドを聴かせてくれます。
「Bright Moments」
僕の一番のお気に入り曲はコレ。リゾート気分を盛り上げてくれるサイコーのトロピカル・グルーヴ。まさに“Loveland”での輝ける瞬間を満喫できるカンジですね。リズミックなSmithのピアノ・プレイが実にカッチョ良いですな。加えて、Dave Hubbardのソプラノ・サックスがリゾート気分を盛り上げてくれマス。
「We Can Dream」
この曲もMarcus Millerの作品。Marcus提供の2曲が共にソウルフルな仕上がりのボーカル・ナンバーというのが、後にLuther Vandross等をプロデュースする未来を示唆しているようで興味深いですね。本曲ではLawrence Killianのパーカッションがかなり目立っていて、パーカッション大好きの私には嬉しい限りです。
「Springtime Magic」
爽快なアップチューン。そよ風のようなフルートのサウンドが実に爽快ですね。
「Loveland」
タイトル曲は実にロマンティックなボーカル入りのスロウ・ナンバー。Lovelandでゆったり、のんびり、優雅に聴きたい、まさに楽園モードの1曲ですね。
「Explorations」
イントロはかなりモッサリしていますが、突然トロピカル・ファンキー・グルーヴへ早変わり!Ronald D. Millerのギターソロがなかなかカッチョ良いですね。
猛暑の日続きでイライラの人は、こんなアルバムでリゾート気分を味わってみては?