
発表年:1968年
ez的ジャンル:サイケ・ポップ/フォーク
気分は... :イルカ軍団よ今年こそは!
台風9号でかなり大荒れですね。
海の向こうでは、いよいよアメフトの全米プロリーグNFLが今日開幕します。
開幕戦は昨年王者コルツと昨年ミラクルな大躍進を見せたセインツ。なかなか楽しみな対戦です。
ドルフィンズ一筋30年の小生としては、今年こそはイルカ軍団にプレーオフ進出して欲しいものです。LBトーマス、DEテイラーに加え、LBパーカーを加えたディフェンス陣はかなり強力だと思います。QBにグリーンを迎えたオフェンス陣も昨年のようなことはないはず!とかなりの期待です。
NFLに興味ない方は、よくわからないですよね。ゴメンナサイ。
さて、UKフォーク界の貴公子Donovanの2回目の登場です。
前回はサイケデリックに身を投じた出世作『Sunshine Superman』(1966年)を紹介しましたが、今回はその独自のサイケ・フォークを円熟させた快心作『The Hurdy Gurdy Man』(1968年)を紹介します。
僕が頻繁に聴くDonovan作品は『Sunshine Superman』(1966年)、『Mellow Yellow 』(1967年)、『The Hurdy Gurdy Man』(1968年)の3枚。
順序として最初に聴くべきは『Sunshine Superman』と思い、本ブログではそちらを先に紹介しましたが、個人的に一番好きな作品は本作『The Hurdy Gurdy Man』です。
きっと、当時のサイケ&アシッド・モードと英国らしい曇った雰囲気がフォーキーにうまく融合した感じが好きなんだと思います。
ちなみにDavid Fincher監督の最新映画『Zodiac』の中でもタイトル曲「Hurdy Gurdy Man」が使われているようですね。なるほど、この曲の不穏な空気はDavid Fincher向きかもしれませんね。
また、本作収録の何曲かはHip-Hopのサンプリング・ネタにもなっています。
あるいは本作の何曲かはフォーキー・グルーヴとして、若いリスナーの方にもすんなり受け入れられるのではと思います。その意味でDonovanの音楽って意外と現在進行形な気がします。
サイケ&アシッドだけではなく、英国さしさを堪能して欲しい作品ですね。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Hurdy Gurdy Man」
本作のハイライトと呼ぶべきタイトル・ナンバー。シングルカットされ、全米チャート第5位、全英チャート第4位となりました。ちなみにHurdy Gurdyとは、右手でハンドルを回すと回転する円盤が弦を擦って音が出る中世ヨーロッパの民族楽器のことです。
実にドラッギーでアシッドな雰囲気の曲ですね。完全に別世界へトリップしてしまいそうですね。ボーカルのディレイ処理が不気味で不穏なムードを助長しています。
元々はDonovanがJimi Hendrixに歌って欲しくて作った曲らしいですね。それは実現しませんでしたが、本曲のレコーディングにはJimmy Page、John Paul Jones、John Bonhamという後のLed Zeppelinのメンバー3人にAllan Holdsworthが加わるという豪華な布陣が参加しています。
Steve Hillage等のカヴァーやBeastie Boys「Car Thief」等のサンプリング・ネタとしても知られていますね。
「Peregrine」
サイケ好きの人にはたまらない1曲。サイケ嫌いの人にはわけのわからん曲でしょう(笑)
「The Entertaining Of A Shy Girl」
Paul McCartneyあたりが演りそうなジャグ・バンド風のナンバー。
「As I Recall It」
ブルージーなムードとジャジーなアレンジのバランスがいい感じのナンバー。
「Get Thy Bearings」
King Crimsonがカヴァーしたことでも知られる曲。ジャズとロックを融合して、少しアナーキーなスパイスを加えたこの雰囲気はKing Crimsonのイメージとも符合する気がしますね。Biz Markie「I Told You」等のサンプリング・ネタにもなっています。
「West Indian Lady」
穏やかモードだけどサイケなフォーキー・グルーヴ。陽気なようで陽気ではないビミョーな空気が大好きです。
「Jennifer Juniper」
シングルカットされ、全米チャート第26位、全英チャート第5位となりました。実にフラワー・ムーヴメントしているプリティなポップ・チューン。
「The River Song」
哀愁のフォーキーのナンバーと思いきや、途中からタブラがパカポコと入っていて、サイケ・モードに突入します。「West Indian Lady」と並ぶ僕のお気に入り曲。
「Tangier」
タブラとシタールが入り乱れるインド趣味丸出しのナンバー。George Harrisonと双璧なのでは(笑)少し前に紹介したBeach BoysのMike Loveと同じで相当Maharishi Yogiにハマっていたのかもしれませんね。
「A Sunny Day」
英国らしい曇った物悲しいムードのフォーク・チューン。全然サニー・デイな感じがしない(笑)でも、それがいい感じです。
「The Sun Is A Very Magic Fellow」
ソフト・ロック好きの人が好きそうな、ストレンジなポップ・フォーク。
Donovanについては未聴の作品も機会があれば是非聴いてみたいですね。
まずは『A Gift from a Flower to a Garden』(1967年)、『H.M.S. Donovan』(1971年)あたりかなぁ。