2007年09月10日

Dinah Washington『Dinah Jams』

“ブルースの女王”と豪華ジャズメンの共演☆Dinah Washington『Dinah Jams』
Dinah Jams
録音年:1954年
ez的ジャンル:“ブルースの女王”によるジャズ・ボーカル
気分は... :イルカ軍団黒星スタート...残念!

NFLが開幕しました。
残念ながら、我がドルフィンズは開幕戦黒星スタート...

開幕第1週の注目カード「ジェッツ対ペイトリオッツ」をTV観戦しましたが、今年のペイトリオッツはかなり強そうですね。新加入のモス、ストルワースなどのWR陣が一気に豪華となり、QBブレイディのパス能力をさらに強化することとなりそうですね。同地区のドルフィンズにとっては今シーズンも手強い存在となりそうです。

2ヶ月ぶりの1950年代作品です。
セレクトしたのは“ブルースの女王”Dinah Washingtonの代表作『Dinah Jams』(1954年)。

Dinah Washington(1924-1963年)はアラバマ出身のブルース/R&B/ジャズ/シンガー。
1943年Lionel Hamptonの楽団でそのキャリアをスタートさせ、1946年にマーキリー・レーベルと契約してからはゴスペル、ブルース、ジャズ、カントリーなどさまざまなスタイルの作品をレコーディングしています。“Queen of the Blues(ブルースの女王)”と呼ばれた力強く、エモーショナルな唱法は、その後の黒人女性ヴォーカリストたちに多大な影響を与えました。

今回紹介する『Dinah Jams』はDinahがClifford Brown & Max Roachのクインテットを中心にジャズメンたちと共演した作品です。録音されたのは1954年8月14日。この時にセッションは約20時間にも及ぶマラソン・セッションとなり、その模様は本作以外にClifford Brown名義の『Jam Session』にも収められています。

メンバーは、Dinah Washington(vo)、Clifford Brown(tp)、Maynard Ferguson(tp)、Clark Terry(tp)、Herb Geller(as)、Harold Land(ts)、Richie Powell(p)、Junior Mance(p)、George Morrow(b)、Keter Betts(b)、Max Roach(ds)という布陣。tpでブラウニー(Clifford Brown)に加え、Maynard Fergusonも名を連ねているのが何とも豪華ですね。

Dinah Washingtonのボーカルの魅力を堪能できるのは勿論ですが、彼女ばかりが目立つのではなくブラウニーをはじめとするジャズメンたちの白熱した演奏も聴き迫力満点です。

擬似ライブ形式でスタジオに客を招いており、聴衆の歓声や拍手も雰囲気を盛り上げてくれます。

全曲紹介しときやす。

「Lover, Come Back to Me」
1928年のオペレッタ『The New Moon』で使われたOscar Hammerstein II/Sigmund Romberg作品。多くのアーティストが取り上げるスタンダードですね。収録曲のうち、唯一全メンバーが参加した演奏になっています。各メンバーのソロが一通り聴ける楽しい流れですが、ここではDinahのボーカルの存在感が圧倒的ですね。この1曲でDinah Washingtonというシンガーの虜になるのでは?

ブラウニーは1953年にも本曲をレコーディングしています(『Clifford Brown Memorial』収録)。

「Alone Together」
「Summertime」
「Come Rain or Come Shine」
この3曲は有名なバラードのメドレーです。
「Alone Together」は1932年のミユージカル『Flying Colors』の挿入歌(Arthur Schwartz/Howard Dietz作品)です。ここではHarold Landのテナーサックスをフィーチャーしています。

続く「Summertime」は有名なGershwin作品(ミュージカル『Porgy and Bess』挿入歌)ですね。本ブログではJohn Coltrane『My Favorite Things』収録のバージョンを紹介したことがありますね。ここではMaynard Fergusonがフィーチャーされ、かなり盛り上げてくれます。

「Come Rain or Come Shine」
ミュージカル『St.Louis Woman』挿入歌(Johnny Mercer/Harold Arlen作品)。本ブログではBill Evans Trio『Portrait In Jazz』収録のバージョンを紹介したことがありますね。ここではDinahのボーカルをフィーチャー。抑制の効いた情感たっぷりなボーカルを聴かせてくれます。

「No More」
Salvador Camarata/Bob Russell作品。ブルースの女王Dinahと天才トランペッター・ブラウニーを大きくフィーチャーした作品。ブルージーな雰囲気になるとDinahの本領発揮という感じでしょうか。かなり好きですね。ブラウニーの好サポートぶりもグッド。

「I've Got You Under My Skin」
Cole Porter作品(ミュージカル映画『Born to Dance』挿入歌)。Dinahの歌に続き「Clark Terry→Ferguson→ブラウニー」という三人のトランペッターの共演を堪能できます。

「There Is No Greater Love」
Marty Symes/Isham Jones作品。Dinahの提案によて急遽演奏・録音されたものらしいです。ピアノ、ベース、ドラムのみのバックでエモーショナルなDinahのボーカルを堪能できます。秋にピッタリな感じですね。

「You Go to My Head」
Haven Gillespie/J.Fred Coots作品。この曲もメンバー各自のソロが堪能できる楽しい展開ですね。この曲はブラウニーが『The Memorial Album』(1953年)でもレコーディングしています。

現在のCDには「Darn That Dream」「Crazy He Calls Me」「I'll Remember April」の3曲がボーナス・トラックで追加されているようです。僕の保有するCDには収録されていないのが残念ですが...
posted by ez at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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