発表年:1964年
ez的ジャンル:アイドルBeatles
気分は... :ヤァ!ヤァ!ヤァ!
Beatlesは久々ですね。
今回紹介するのは1964年発表の『A Hard Day's Night』です。
これまでBeatlesの作品は以下の4枚を紹介してきました。
『Rubber Soul』(1965年)
『Abbey Road』(1969年)
『Beatles For Sale』(1964年)
『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967年)
どの作品も音楽的に素晴らしい作品ばかりですが、Beatlesを知らない若いリスナーの方はこれらの作品を聴いても、『エド・サリバン・ショー』やシェア・スタジアムでのライブのように熱狂的なファンに囲まれたスーパーアイドルBeatlesの姿は想像できないのでは?と思います。
その意味ではBeatlesの入口として、初期のアイドルらしさが出たピチピチ感のある作品から聴く方がいいのかもしれませんね。
ピチピチ感のあるBeatlesのオリジナル・アルバムといえば『A Hard Day's Night』が一番なのではと思います。
イギリスにおける3rdアルバムとして発表された本作はBeatles初主演の同名映画のサントラでもあります。映画は邦題の『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』のタイトルの方がピンと来るかもしれませんね。
当時の超多忙だったBeatlesの姿を、そのままユーモラスに描いた映画をTVで初めて観た時には興奮しましたね。決して作られたアイドルではない、多少問題児だけどウイットに富んでいるといったカンジが実によかったですね。
アルバムは半分が映画のサントラ、半分がその他の新作という構成です。
注目すべきは全曲Lennon/McCartneyのオリジナルで占められているという点です。当時としてはかなり画期的なことだったのではと思います。
特に頑張っているのがメンバーの中で一番アイドルらしくないJohn Lennon(笑)全13曲中10曲がJohnの作品です♪
アルバムは全英アルバム・チャートで21週連続No.1となりました。
ちなみにアメリカや日本では映画のサントラ+サントラのインストという構成のものが同じタイトルで発売されました。ややこしいですな。
全曲紹介しときやす。
「A Hard Day's Night」
Ringo Starrの“It was a hard day's night,wasn't it”という一言をモチーフにJohnが作ったタイトル曲。ご存知の通りシングル・カットされ、全英・全米チャート共にNo.1となりました。ジャ〜ン♪というイントロを聴くだけ興奮していましたね。JohnのボーカルとサビのPaulのボーカルのバランスが好きですね。
「I Should Have Known Better」
アコースティックな味わいが印象的なJohnの作品。明るくカラッとしつつも、どこか哀愁の漂うメロディがJohnらしいのでは?
「If I Fell」
ロマンティックなアコースティック・バラッド。JohnとPaulのハモリが大好き!シンプルさが魅力の曲ですね。
「I'm Happy Just to Dance With You」
George Harrisonがボーカルです(Johnの作品)。数少ないGeorgeがボーカルの曲だったので結構印象が強いですね。
「And I Love Her」
メロディ・メイカーとしてのPaulの才能を見せつけてくれる名曲ですね。「Yesterday」や「Michelle」といったクラシックを連発するきっかけとなったのが本曲なのでは?Georgeのガットギターもいいカンジですね。
「Tell Me Why」
Johnの作品。今聴くと実にR&Bテイストの仕上がりですね。The Whoの「(Love Is Like A) Heat Wave」あたりと一緒に聴くと合うかも?
「Can't Buy Me Love」
この曲も説明不要の大ヒット・シングルですね(全英・全米チャート共にNo.1)。Paulらしいキャッチーなロックン・ロール・ナンバー。Beatlesを聴き始めの頃は「She Loves You」、「I Want to Hold Your Hand」、「Can't Buy Me Love」というシングル3枚がBeatlesの象徴というカンジでしたね。R&Bファンの方は見事なスロウに仕立てたBlackstreetのカヴァーあたりも印象深いですね。
「Any Time at All」
「It Won't Be Long」(『With the Beatles』収録)の改作とJohn本人が認めているナンバー。そう思って聴くとそのように聴こえてしまいますね(笑)
「I'll Cry Instead」
映画のオープニングでも使われたJohnの作品(当初は未使用でその後使われた)。確かにこの少しカントリー・タッチのナンバーは映画向けではない気がします(笑)
「Things We Said Today」
結構地味な印象のPaul作品。でもPaul本人やJohnなども気に入っていた作品みたいですね。この物寂しいカンジが後を引きますね。
「When I Get Home」
昔はあまりいい曲だとは思わなかったのですが、今聴くとこういったR&Bテイストの曲は彼らのルーツが垣間見れて興味深いですね。
「You Can't Do That」
この曲もR&Bテイストなのですが...昔からどうも苦手!それは今も変わらず(笑)
「I'll Be Back」
幼い時から行方知れずだった父Alfredとの再会を歌ったJohnの作品。Johnの隠れ名曲としてファンには人気の高い作品ですね。僕も現時点であれば、この哀愁のアコースティック・チューンがアルバム中一番好きかも?
ちなみに僕が最初に購入したBeatlesのLPは『A Collection Of Beatles Oldies(But Goodies)』でした。1966年にイギリスで発売されたベスト盤です。
Beatles A Collection of Beatles OLDIES
この頃はBeatles、Rolling Stones、The Whoといった人気グループはシングルとアルバムが分離していて、オリジナル・アルバムを集めただけではシングルを網羅できず、どうしてもシングルを網羅したベスト盤を別途ゲットする必要がありました。
『A Collection Of Beatles Oldies(But Goodies)』は、「She Loves You」から「Yellow Submarine」までのシングルを中心とした選曲で、初期のピチピチ感のあるBeatlesと魅力がうまくパッケージされたアルバムだと思います。
初期のヒット・シングルをゲットするならば、いわゆる赤盤を購入すればよかったのですが、当時中学生の僕にとってLP2枚組作品は高額であったため、LP1枚でヒットシングルを網羅した選曲はかなり魅力的でしたね。
まぁ、CD時代になりこのベスト盤の存在は殆ど忘れ去られてしまいましたが、味わい深いジャケも含めて思い出深いアルバムです。