2007年09月21日

Graham Central Station『Release Yourself』

チョッパー・ベースのパイオニアLarry Grahamによるゴリゴリのファンク☆Graham Central Station『Release Yourself』
Release Yourself
発表年:1974年
ez的ジャンル:チョッパー・ベース系ファンク
気分は... :生々しいファンクが聴きたい!

Larry Graham率いるGraham Central Stationの紹介です。

Larry Grahamといえば、Sly & The Family Stoneのメンバーであったと同時に、エレクトリックベースにおけるスラップ奏法(チョッパー・ベース)のパイオニアとして有名ですね。

Larry Grahamは1946年テキサス生まれ。
両親がミュ−ジシャンという音楽的に恵まれた環境下で育ったLarryは、ドラムレスのバンドでパーカッシブなサウンドを出す必要性から若くしてスラップ奏法をマスターしたようです。

1967年にSylvester Stewart(Sly Stone)との運命的な出会いから、Sly & The Family Stoneへ加入します。そして、Slyと共に独自のファンク・サウンドを生み出していったことは周知のとおりだと思いマス。

Sly & The Family Stoneのカッコ良いサウンドを支えていたのは、Larry Grahamの衝撃的なマシンガン・ベースであったと言っても過言ではないでしょう。

しかし、『There's a Riot Goin' On』(1971年)を最後にSly & The Family Stoneを脱退したLarryは自身のグループGraham Central Stationを結成します。グループ名の由来は、ニューヨークのグランド・セントラル・ステーション(Grand Central Station)からきています。

1973年に1stアルバム『Graham Central Station』を発表すると、以降『Release Yourself』(1974年)、『Ain't No 'Bout-A-Doubt It』(1975年)、『Mirror』(1976年)、『Now Do U Wanta Dance』(1977年)、『My Radio Sure Sounds Good to Me』(1978年)、『Star Walk』(1979年)まで計7枚の作品を残しています。

個人的には、『Graham Central Station』『Release Yourself』『Ain't No 'Bout-A-Doubt It』という最初の3枚が好きですね。Sly & The Family Stone流ファンクをよりブラック・ミュージックとして昇華させたというカンジですかね。後期のアルバムはダンス・アルバムとしては楽しめるかもしれませんが、前述の3枚を聴いた後では違和感を感じますね。

今回はそのお気に入りの3枚の中から『Release Yourself』をセレクト。
グループの生々しいゴリゴリ・ファンクの魅力を一番堪能できるアルバムだと思います。

メンバーはLarry GrahamにPatryce Banks(vo)、Hershall Kennedy(g、clavinet)、David Vega(g)、Willy Sparks(ds)、Robert Sam(key)を加えた6名。あとはTower Of Powerのホーン隊が参加しています。

Sly & The Family Stone好きの方は、ある意味“より黒くなった”Sly流ファンクを楽しめるアルバムなのでは?

全曲紹介しときヤス。

「G.C.S.」
オープニングは、ファンク・ボックス(リズム・ボックス)とクラビネットによるクール・ファンク。このあたりはSlyのアプローチと似ているかもしれませんね。でも、こちらの方がよりブラック・ミュージック的だと思いますが。

「Release Yourself」
アルバムのハイライトと言えるのがこのタイトル曲。Larryのマシンガン・ベースが炸裂しまくるスリリングなファンキー・グルーヴ。Tower Of Powerのホーン隊も大活躍です!初期Sly & The Family Stoneの弾けたカンジがお好きな方は気に入ると思いマス。

「Got to Go Through It to Get to It」
「Hey Mr. Writer」と並ぶお気に入り曲。Larryのカッチョ良いベースを堪能できるミドルテンポのファンク・チューン。生々しくゴリゴリいくカンジが実にいいですね。

「I Believe in You」
どす黒いカンジが最高にカッチョ良いスロウ。ニューソウル的な味わいもあって大好きです。

「'Tis Your Kind of Music」
「おまえの好きなミュージック」という邦題がなんか唐突ですね(笑)“そうです!僕の好きなミュージックです”と答えたくなるクールなファンク・チューン。この曲や「G.C.S.」、「I Believe in You」あたりのサウンドはSly & The Family StoneStevie Wonderってカンジがしますね。

「Hey Mr. Writer」
僕の一番のお気に入り曲。ヤバすぎるカッチョ良さですね。Larryのチョッパーを堪能できるし、スピーディーでスリリングでファンキーなグルーヴ感がたまりませんね。途中のボーカル&コーラス・パートもサイコー!文句無しの出来です☆

「Feel the Need」
シングル・カットもされ全米R&Bチャート第18位となったゴスペル・タッチのポップ・チューン。このあたりのキャッチーさはSly譲りですな。

「Today」
イントロはまるでLed Zeppelin「Stairway to Heaven」ですな(笑)スケール感の大きなゴスペル・タッチの感動的なナンバーです。

1979年のGraham Central Station解散後はLarryはソロに転向し、最初のソロ・アルバム『One in a Million You』からシングル・カットされた「One in a Million You」が全米R&Bチャート第1位、同ポップチャート第9位の大ヒットとなりました。

個人的にはSly & The Family Stone時代および初期Graham Central Station時代のLarry Grahamがサイコーだと思いマス。
posted by ez at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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