発表年:1990年
ez的ジャンル:ハイブリッド&ハイパー系NYハウス
気分は... :がっくり...
出張などでバタバタしお疲れモードのところへ、サッカー五輪予選のドーハの悲劇で止めを刺され、今日は完璧にサゲ・モードです。こんな時には明るくキャッチーなダンス・ミュージックでも聴いて立ち直ることにしようっと。
ということで今回は日本が世界に誇る才能テイ・トウワがいたハウス・ユニットDeee-Liteです。
Deee-LiteはJungle DJ Towa Towa(テイ・トウワ)、ウクライナ人のSuper DJ Dimitry、オハイオ出身のボーカルLady Miss Kierの3人がNYで結成したハウス・ユニット。
1990年に発表したデビュー曲「Groove Is in the Heart」がいきなり全米ポップチャート第4位、全英ポップチャートの第2位の世界的大ヒットとなり、一躍注目のユニットとなります。さらに同年に発表したデビュー・アルバム『World Clique』からは「What Is Love?」、「Power of Love」、「E.S.P.」、「Good Beat」等のダンス・ヒットが生まれました。
その後1992年に2ndアルバム『Infinity Within』、1994年に3rdアルバム『Dewdrops In the Garden』を発表しています。3rdアルバムの頃はテイ・トウワ氏は限定参加というカンジでしたが。
1987年に渡米し、1989年には本ブログで紹介したJungle Brothers『Done By The Forces Of Nature』へ参加するなど知る人ぞ知る存在となっていたテイ・トウワ氏ですが、その才能を広く世に知らしめたのが今日紹介する『World Clique』です。
大雑把にカテゴリー分けするとハウスということになりますが、アンダーグラウンドな音楽であったハウスをポピュラーな感覚で聴かせてくれたという点で、ダンス・ミュージック・シーンに大きなインパクトを与えてくれましたね。近未来を舞台にしたSFコメディの登場人物のようなジャケのキャラ立ちもサイコーでした。
Deee-Liteの最大の魅力は、ポップチャートにチャートインするようなキャッチーさを持ちながら、アングラ好きリスナーをも納得させるハウス、テクノ、Hip-Hop、ファンク等を融合したハイパーなダンス・ミュージックを聴かせてくれた点ですね。
この頃(1990年前後)って、Hip-Hopでもヒップ・ハウス的なものがあったし、ハウスとHip-Hopの距離感が近い時代だったからこそ、ハイブリッドなダンス・ミュージックが数多く生まれた気がしますね。逆に今の時代はジャンルの壁が音楽自体をつまらなくしている可能性があるかもしれませんね。
1st『World Clique』、2nd『World Clique』、3rd『Dewdrops In the Garden』全て持っていますし、その後のテイ・トウワ氏のアルバムやプロデュース作もそれなりに持っていますが、『World Clique』にあるNY的な雰囲気は格別な気がします。
アルバムにはBootsy Collins、Maceo Parker、Fred Wesleyといったファンク好きにはたまらないメンツや、A Tribe Called QuestのQ-Tipの参加も嬉しい限りですね。
フロアだけではなく、家で聴いても十分楽しめるハウス・アルバムだと思いマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Deee-Lite Theme」
Hip-Hopテイストのアングラ感覚のダンス・チューン。ハイブリッド感がカッチョ良いですな。
「Good Beat」
クラブ・チャートでヒットしたNYハウスらしいガラージ・チューン。アングラ感覚を残しつつも、実にキャッチーに仕上がっています。
「Power of Love」
この曲もクラブ・ヒットしました。リズムのポコポコ感が気持ち良いアップ・チューン。この頃のハウスがお好きな方にはど真ん中の1曲ですね。
「Try Me On...I'm Very You」
Bootsy Collins、Maceo Parker、Fred Wesleyが参戦しファンクネスを高めてくれるハイパー・ダンス・チューン。
「Smile On」
Hip-Hopテイストのミッド・チューン。穏やかなハッピー感がいいですね。この曲にもBootsy Collins、Maceo Parker、Fred Wesleyが参加。
「What Is Love?」
クラブ・ヒットしたYMO世代のテイ・トウワ氏らしいテクノ感覚のダンス・チューン。僕もこの曲はかなり好きですね。
「World Clique」
クラブ・ヒットしたタイトル曲。ジャケ写真のようなハイパー感に溢れているハッピー・ダンス・チューン。
「E.S.P.」
この曲もクラブ・ヒットしました。僕の中では少し印象が薄いのですが...
「Groove Is in the Heart」
全米ポップチャート第4位、全英ポップチャート第2位となったグループ最大のヒット曲。全てにおいて完璧なハイパー・ダンス・チューン。印象的なベースライン、Q-Tipのおとぼけラップ、Maceo Parker、Fred Wesleyのホーン隊も盛り上げてくれます。これを聴いてハッピーになれない人は家で寝てましょう(笑)Herbie Hancock 「Bring Down The Birds」、Vernon Burch「Get Up」、Bel-Sha-Zaar, Tommy Genapopoluis & The Grecian Knights「Introduction」ネタ。
「Who Was That?」
Deee-Liteらしいハイパー&ハイブリッド感がいいカンジの1曲。おとぼけ&ハッピー・モードな感じがサイコーに好きですね。
実は本作を取り上げようと思ったきっかけは、売り出し中のアイドル女性R&BシンガーKeke Palmerのデビュー・アルバム『So Uncool』の収録曲「Footwurkin'」で「Groove Is in the Heart」のあのベースラインを聴いたためです(正確には「Bring Down The Birds」ネタと言うべきなのでしょうが)。話が逸れますが、Keke Palmer『So Uncool』はキャッチーでなかなか楽しめますよ!