発表年:2007年
ez的ジャンル:姉御系ダイナマイト・ソウル
気分は... :愛と戦争のアートって何だぁ??
今回は大好きなAngie Stoneの4thアルバムとなる新作『The Art Of Love & War』を紹介します。
これまでAngie Stoneの作品は、3rdアルバム『Stone Love』(2004年)、2ndアルバム『Mahogany Soul』(2001年)を紹介してきたので、今回で3回目になります。
本ブログで2000年カテゴリーで3回紹介するのはAngie Stoneが最初です。その意味で2000年以降一番のお気に入り女性R&BシンガーはAngie姉さんなのかもしれません。ジャケ写真同様の存在感の大きさがいいですなぁ。
その新作『The Art Of Love & War』ですがJ Recordsを離れ、新生Staxに移籍しての新作発表です。邦題『愛と戦争のアート』はインパクトのあるタイトルですね。
さて、内容ですが前作『Stone Love』と比較すると、少し落ち着いた感じですかね。
軽快なアップ・チューン少なめ、じっくり聴かせるミッド〜スロウ・チューン多めといったところでしょうか。
『Stone Love』はSnoop Dogg、Missy Elliott、Anthony Hamilton、Betty Wright、娘Diamond Stone等のゲストも話題豊富でしたが、今回目立ったゲストは連続参加のBetty WrightとJames Ingramくらいです。
といったところで、一見地味なカンジなのですが、その分姉さんの歌で真っ向勝負といった作りになっています。まぁ、このあたりがStaxらしいかもしれませんね。
プロデュースは前作に続き、強固なパートナーシップのJonathan Richmondをはじめ、Co-T & 5 Star、The Designated Hitters、Dris & MJ McClain 等が担当しています。
個人的には『Stone Love』の方が好みですが、それでも最近発表された大物女性R&Bシンガーの新作の中ではかなり好きですね。
ちなみに、本作はCDショップで数曲聴き即買いしましたが、Chaka Khan『Funk This』、Jill Scott『Real Thing: Words & Sounds 3』あたりはCDショップで何度か試聴したものの、未だ購入に至っていません。2枚とも悪くないし、いずれはコレクションに加えると思うのですが、何かが足りない気がしてCDに手が伸びないといったところでしょうか。2枚共に絶賛のレビューが多いので怒られそうですが(笑)
その意味で、そんな迷いを全く感じさせない姉さんはさすがという気がします。
それにしても姉さんのスベスベ肌は、いつ見ても惚れ惚れしますね!
オススメ曲を紹介しときやす。
「Take Everything In」
オープニングは美しいピアノの響きと憂いを帯びた姉さんのヴォーカルがいい感じのソウル・チューン。こういった姉さんの余裕たっぷりの歌いっぷりはいいですね。
「Baby」
先行シングルはマイアミソウルの女王Betty Wrightをフィーチャー。Betty Wrightとは前作『Stone Love』でも「That Kind of Love」で共演していましたね。確かに相性バッチリな共演だと思いマス。Curtis Mayfield「Give Me Your Love」をサンプリングした、なかなかキャッチーなミッド・グルーヴに仕上がっています。Co-T & 5 Starプロデュース。
「Here We Go Again」
Jonathan Richmondプロデュースの正統派スロウ。姉さんにこの手のスロウを歌わせれば、間違いないでしょうね。姉さんのスベスベ肌のような滑らかなボーカルをたっぷりに堪能できます。
「Sometimes」
この曲は姉さんらしいダイナミックなソウル・チューンに仕上がっているのでは?Jonathan Richmondプロデュース。
「Go Back To Your Life」
なんと姉さん一人で全てのボーカルを担当しているアカペラです。なかなかいい感じ!
「Half A Chance」
新人Chinoをフィーチャー。Chinoについては詳しく知りませんが、姉さんのツアーのバック・コーラスも務める男性シンガーソングライターなのだとか。なかなか味のあるヴォーカルを聴かせてくれます。
「My People」
James Ingramとのデュエットの本曲も注目ですね。ジャズ・ジャイアントDuke Ellington「My People」をサンプリングしたEllingtonの声からスタートするカッチョ良いグルーヴ感がグッドなアップ・チューン(Dris & MJ McClainプロデュース)。黒人の政治家、スポーツ選手、映画監督、俳優、ミュージシャンなどの名が続々と登場するのも面白いですね。あなたは何人わかりますか?
「Sit Down」
しっとり落ち着いたミッド・チューン。歌詞にMarvin Gayeの名が出てきたりするのも興味深いところですね。ちなみに本アルバムがレコーディングされたのは、かつてMarvin Gayeが所有していたHollywoodのMarvin's Roomです。Elijah“Vato”Harris プロデュース。
「Play Wit It」
姉さん自身がプロデュースしたファンキーなアップ・チューン。個人的にはこうした軽快なノリの曲がもう少し多めに欲しかったかなぁ!というところですね。やっぱり、ノリのいい姉さんが好きだなぁ。Patrice Rushen「Hang It Up」ネタ。
「Pop Pop」
まさにポップに弾けたイントロが印象的な1曲。でも仕上がりは意外と妖しげなムードのミッド・グルーヴに仕上がっています。
「Wait For Me」
ソングライティングに僕のお気に入りGordon Chambersが参加しています。Gordon Chambersと言えば、姉さんのソロ・デビュー・ヒット「No More Rain (In This Cloud)」の作者の一人ですよね。今回も美メロのロマンティックなラブソングを提供してくれています。なんかラブラブな姉さんがいい感じです。名曲の予感がしますな。Gordon ChambersはChinoと共にバック・コーラスでも参加しています。Jonathan Richmondプロデュース。
「Happy Being Me」
Pauletta Washington(俳優Denzel Washingtonの奥方)をフィーチャーした爽快なメロウネスがいい感じのアコースティック・ソウル。ハーモニカの響きと姉さんのヴォーカルの馴染み具合いがいい感じです。かなり好きですね!The Designated Hittersプロデュース。
本作を引っさげて、もうすぐBlue Note Tokyoで来日公演ですね。
チケットも完売状態みたいですな。う〜ん、行きたかった!