2007年11月16日

Isaac Hayes『...To Be Continued』

スキンヘッド&超低音がクセになる☆Isaac Hayes『...To Be Continued』
...To Be Continued
発表年:1970年
ez的ジャンル:ムーディー系シンフォニック・ソウル
気分は... :この続きは...

70年代前半に絶大な人気を誇った男性R&Bシンガー/キーボード奏者Isaac Hayesの登場です。

今回紹介するのは全米R&Bアルバム・チャートで11週連続No.1に輝いた作品『...To Be Continued』(1970年)です。

Isaac Hayesは1942年テネシー生まれ。60年代初めから名門Staxでキーボード奏者としてミュージシャン活動を始めます。David Porterと組んで、60年代Staxを代表するデュオ・グループSam & Daveのソングライティング/制作に携わったことで注目されるようになります。ちなみにSam & Daveの代表曲「Soul Man」もHayes/Porterのコンビによるものです。

1960年代末から本格的なソロ活動を開始します。
1969年の『Hot Buttered Soul』を皮切りに、70年代半ばあたりまでコンスタントに大ヒット・アルバムを発表し続けました。特に、70年代ブラック・シネマ旋風の先駆けとなったGordon Parks監督作品『Shaft(邦題:黒いジャガー)』(1971年)のサントラは映画/音楽の両シーンへ大きなインパクトを与えました。

その影響からか俳優、声優としても活動するようになります。詳しく書くのは避けますが、声優として参加した人気アニメ『サウスパーク』の降板は話題となりましたね。

また、Hip-Hop好きの方にとっては、サンプリング・ソースの供給源として欠かせない存在かもしれませんね。この強面のスキンヘッド自体がHip-Hop的なカンジですよね。

そんなIsaac Hayesの代表作と言えば、まずは『Shaft』(1971年)ということになるのでしょうが、敢えて『...To Be Continued』(1970年)を紹介したいと思います。

Isaac Hayes本来の魅力と言えば、セクシーな超低音ヴォーカル、ストリングスを全面に押し出したシンフォニック・ソウル、アルバム1枚で4、5曲の長尺ナンバーの三点セットだと思うので、それが堪能できる作品が本作『...To Be Continued』だと思います。

正直、この個性的なHayesワールドは、かなり好き/嫌いがハッキリ分かれるのではと思います。僕も正直最初は少しかったるい印象を受けたのですが、何度も聴いているうちに慣れてきて、知らぬ間に好きになっていました。

Hip-Hop好きの方には、サンプリングの定番曲「The Look of Love」「Ike's Mood I」の2曲が収録されています。

前述のように本作は全米R&Bアルバム・チャートで11週連続No.1という大ヒット作となりました。 あとはジャズ・アルバム・チャートでもNo.1になっているというのが興味深いですね。

Bar-KaysやMemphis Hornsによる好サポートも見逃せません。

全曲紹介しときヤス。

「Monologue: Ike's Rap I」
セクシーな低音の囁き声と共にアルバムは幕を開けます。

「Our Day Will Come」
Ruby and The Romanticsの1963年のヒット曲のカヴァー。オリジナルはボッサなソウル・チューンでしたが、ここではロマンティック・ムードたっぷりのシンフォニック・ソウルに仕上がっています。ラブ・ロマンス映画のエンディング曲にピッタリというカンジですね。

「The Look of Love」
Hal David/Burt Bacharach作品のカヴァー。オリジナルはDusty Springfieldです(OO7シリーズのパロディ作品『Casino Royal』の主題歌)。本ブログではDelfonicsや大ヒットしたSergio Mendes & Brasil'66のカヴァーを紹介済みですね。

まさに男の色気漂うHayesワールド全開の大人のセクシー・ソウルに仕上がっています。女性に人気があったというのが頷けますね。聴けば聴くほど、超低音ヴォーカルがエロく聴こえます(笑)中盤のソウルフルなインスト・パートもなかなか聴き応えがあります。

前述のように定番サンプリング・ネタですね。主なものとして、Allure「You're Gonna Love Me」、Ashanti「Rain on Me」、Smif-N-Wessun「Stand Strong」、L.L. Cool J「Hollis To Hollywood」、Snoop Dogg「Gz Up, Hoes Down」、Jay-Z「Can I Live」、Compton's Most Wanted「Niggaz Strugglin'」、Cam'ron「Diplomatic Poetry」、J.R. Writer「Freestyle」、Violadores del Verso「La Ciudad Vunca Duerme」等があります。

「Medley: Monologue:Ike's Mood I/You've Lost That Lovin' Feelin'」
「Ike's Mood I」と「You've Lost That Lovin' Feelin'」という強力な2曲のメドレーです。

「Ike's Mood I」は骨太リズムと美しいピアノ・リフが印象的なインスト。何と言っても定番サンプリング・ネタとして有名ですね。Biz Markie「Make the Music with Your Mouth, Biz」、Warren G.「Still Can't Fade It」、Foxy Brown「(Holy Matrimony) Letter to the Firm」、Alkaholiks「Mary Jane」、Mary J. Blige「I Love You」、L.L. Cool J「6 Minutes of Pleasure」、Frankie J feat. Mannie Fresh 「That Girl (Ike's Mood Remix)」等数多くの曲でサンプリングされています。

もう1曲の「You've Lost That Lovin' Feelin'」はご存知The Righteous Brothersの1965年のNo.1ヒットですね(Phil Spector/Barry Mann/Cynthia Weil作品)。ここでは壮大なシンフォニック・ソウルに仕上がっています。Hayesの野太い声はRighteous Brothersとの相性ピッタリというのは想像に難しくないですよね。特に後半の盛り上がりはいいですね。

「Runnin' Out of Fools」
Aretha Franklinのカヴァー(オリジナルは1964年のヒット)。甘ぁ〜い超低音ヴォーカルがピタッとハマったソウル・チューンに仕上がっています。ストリングスも抑え気味で一番フツーのソウルっぽいかも?

この続きは...????
posted by ez at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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