発表年:1990年
ez的ジャンル:血統書付きコンテンポラリー女性R&B
気分は... :身構えず柔軟に!
約1週間前にElis Reginaの娘Maria Ritaのエントリーを書きましたが、その時にふと今日紹介するLalah Hathawayを聴きたくなりました。
ということで、Lalah Hathawayのデビュー・アルバム『Lalah Hathaway』(1990年)をセレクト。
この名前でお分かりのとおり、Lalah Hathawayは偉大なるソウル・シンガー、ニューソウルの四天王の一人である故Donny Hathawayの愛娘です。
親子共に作品を紹介するのは、多分Bob Dylanとその息子であるJakob Dylan(Wallflowers)、Little Featの故Lowell Georgeとその娘Inara George(The Bird And The Bee)に続き3組目だと思います。
Lalah HathawayやMaria Rita、Jakob Dylan、Inara Georgeらに共通するのは、偉大な親と同じ職業を選択しながら、身構えず自分らしいスタイルでやり遂げている点です。その点にとても感銘を受けますね。
Lalah Hathawayは1968年にシカゴで生まれ。まだ、Donny Hathawayが1stソロ・アルバムを発表する前ですね。
単に血筋が良いというのみならず、バークリー音楽院に学んだ理論派でもあります。
1990年に今回紹介する『Lalah Hathaway』でデビューすると、1994年に2nd『A Moment』、2004年に3rd『Outrun the Sky』といった作品を発表しています。また、Joe Sampleとのコラボ・アルバム『The Song Lives On』(1999年)をはじめ、ジャズ/フュージョン系を中心に多くのアーティストと共演を果たしています。
J-POP好きの方は平井堅『Ken's Bar』での「You've Got A Friend」のデュエットが印象に残っているかもしれませんね。父親Donnyのレパートリーだった「You've Got A Friend」を娘Lalahが歌うというのは、とても感動的ですよね。
父Donnyのような重苦しさはなく、リラックスした雰囲気のなかで様々なスタイルの曲・サウンドに柔軟に対応する懐の深さを感じます。
いつ聴いていも、フレッシュ感の薄れないアルバムだと思います。
全曲紹介しときヤス。
「Somethin'」
4thシングルにもなったオープニング曲(David Foster/Brenda Russell作)。また、ドラムでJeff Porcaroが参加しています。
作者Brenda Russellのヴァージョン(アルバム『Two Eyes』収録)を受け継いだ、落ち着きのあるアーバン・テイストのコンテンポラリー・ソウルに仕上がっています。コーラスも含めて全てのヴォーカル・パートを担当しているLalahのヴォーカリストとしての実力も堪能できます。
個人的にはアルバムで一番のお気に入りです。AOR好きの人が気に入るのでは?
「Heaven Knows」
アルバムからの1stシングルとして全米R&Bチャート第3位まで上昇したヒット曲。Jaki Grahamの1985年のヒット曲「Heaven knows」のカヴァーです。ミッド・テンポの打ち込みサウンドですが、なかなかスタイリッシュな仕上がりでヒットするのも納得です。
「Baby Don't Cry」
アルバムからの2ndシングル(全米R&Bチャート第18位)。Angela Winbushがプロデュース/ソングライティング/アレンジ/バック・コーラスを担当しています。かつてはあのRonald Isleyの奥方でもあった妖艶かつ才能あるR&BシンガーのAngela Winbushですが、ここでも艶やかにLalahをプロデュースしています。
「Smile」
ジャズ/フュージョン・テイストのコンテンポラリー・ソウル。この曲もスムーズ・ジャズ好きの人向けですね。この曲を聴いていると、後にJoe Sample、David Sanborn、Marcus Miller等ジャズ/フュージョン系アーティストとの共演が多くなるのが、わかる気がします。
「U-Godit Gowin On」
クールな打ち込みファンクに仕上がっています。久々に聴いたら、この曲が一番カッチョ良く感じましたね。今回初めて気付いたのですが、以前にアルバム『Free』(1996年)を紹介した女性R&BグループFor Realのメンバーがバック・コーラスで参加しています。
「I'm Coming Back」
3rdシングルとなった90年代らしいシンセ・ファンク。この手の曲でもパンチの効いたヴォーカルで打ち込みサウンドの中に埋もれてしまわないところに、Lalahのヴォーカリストとしての実力を確認できます。
「Stay Home Tonight」
「Somethin'」と同タイプのコンテンポラリー・ソウルに仕上がっています。この曲でも全てのヴォーカル・パートをLalahが担当しています。このコーラスがかなりグッド!です。
「I Gotta Move On」
この曲は再びAngela Winbushがプロデュースしています。こちらはロマンチックなスロウ・チューンに仕上げています。
「Sentimental」
思い切りNJS(New Jack Swing)しています。LalahにNJSは似合わないと思いますが、時代の流れとして仕方ありませんね。それでもNJSを難なくこなしてしまうあたりがLalahのスゴイところですね。
「Obvious」
エンディングは感動的なスロウ。こういったスケール感の大きな曲を聴くと、父親Donnyの姿がオーヴァーラップしてしまいますね。
オシム監督の容態が気になるサッカー日本代表ですが、南米では既にW杯予選が第3節まで進んでいますね。何と言ってもアルゼンチンのメンバーがスゴすぎですね。メッシ、テベス、アグエロというマラドーナの後継者3人が並ぶ3トップはファンタスティックとしか言いようがありません。これからも楽しみ!