発表年:1974年
ez的ジャンル:AORの先駆け
気分は... :昨夜は疲れましたな!
昨日の野球のアジア選手権「日本対韓国」は大熱戦でしたね。
日本のプロ野球に大して興味がない僕ですが、かなり興奮して観てしまいました。というか観終ってから、どっと疲れる試合でしたね。
試合後のインタビューでの星野監督の興奮ぶりを観て、改めて危うい勝利であったと実感しました。まだ1試合残っているのに大丈夫なのかな?と不安になってしまいました。
みんな今朝は「日本対韓国」戦の話題で持ちきりかもしれませんが、サッカー好きの僕はサッカー2008年欧州選手権の組み合わせ抽選会の記事にも興奮してしまいました。
出場16ヵ国がA、B、C、Dの4組に分かれて1次リーグを戦うのですが、C組がオランダ、イタリア、ルーマニア、フランスという死の組になってしまいました。
ルーマニアは別として、オランダ、イタリア、フランスの3ヵ国が同じ組で、うち1つは確実に1次リーグで脱落するなんてありえない気がします。どの国もベスト4あたりに残って全然おかしくない強豪国ですからね。しかも、予選に続き再びイタリアとフランスが同じ組というのも、ドイツW杯からの因縁ですかね。
さて、“ミスターAOR”Boz Scaggsの3回目の登場です。
『Middle Man』(1980年)、『Moments』(1971年)に続いて紹介するのは『Slow Dancer』(1974年)です。
以前のエントリーでも書きましたが、この10年ほど僕が頻繁に聴くBoz作品は『Moments』、(1971年)、『Boz Scaggs & Band』(1971年)といったAOR以前のアルバムが多いんですよね。
AOR時代の作品も勿論好きなのですが、きっとLP時代に『Silk Degrees』(1976年)、『Middle Man』(1980年)等はかなり聴いたので、その反動かもしれませんね(笑)
そんな中で比較的よく聴くAOR時代のアルバムが『Slow Dancer』(1974年)です。
本作はAOR路線といっても『Silk Degrees』以降の作品とは、少し異なる肌触りのするアルバムですよね。その意味でAOR路線の幕開け的な1枚ですが、AORになりきれていない部分もあるのが魅力の1枚だと思います。
というのも本作のプロデューサーは本ブログでも紹介したJohnny Bristolであり、そんなBristol色を反映した仕上がりだからでしょうね(曲作りでも半数の曲を提供)。本作と同じ1974年に1stアルバム『Hang On In There Baby』を発表し、タイトル曲がR&Bチャート第2位、ポップチャート第8位の大ヒットとなりました。そんなノッているJohnny Bristolの絶好調ぶりが本作でも窺えます。
Johnny Bristolのアルバムは今でも頻繁に聴くので、BozプラスJohnny Bristolの合わせ技一本というカンジで、このアルバムへ向かわせるのかもしれません。
参加ミュージシャンもなかなか豪華です。具体的にはDavid T. Walker(g)、Wh Wah Watson(g)、Jay Graydon(g)、James Jamerson(b)、James Hughart(b)、Ed Greene(ds)、James Gadson(ds)、Joe Sample(key)、Clarence Mcdonald(key)、Jerry Peters(key)、Joe Clayton(conga)、Chuck Findley(tp)、Ernie Watts(sax)等のメンバーです。
本作のオリジナルのジャケは、Bozが海パン姿で写る“海パン・ジャケ”でした。僕は基本的にオリジナル・ジャケを尊重するタイプなのですが、本作に限って言えば、小島よしおもオッパッピーなBozの海パン姿は正直カッチョ悪いので、現在のジャケで良いと思います(笑)
オススメ曲を紹介しときやす。
「You Make It So Hard (To Say No) 」
ホーン、ストリングス、女性コーラスの絡みがいいカンジのBristolプロデュースらしいノーザン・ソウル・チューン。後のAOR作品のアップものと比較して洗練されすぎていないところが味かもしれませんね。
「Slow Dancer」
やはりアルバムのハイライトはこのメロウなタイトル曲でしょうね。今Bozのスロウを1曲選ぶとすれば、僕はこのスウィート・ロマンサーな曲をセレクトすると思います。シンガーとしてのBozの魅力全開といったカンジです。「We're All Alone」、「You Can Have Me Anytime」といった後のAOR定番スロウの登場を予感させます。
「Angel Lady (Come Just in Time) 」
アルバムで一番好きなのがこのBozとBristolらの共作曲。ソウル・テイストのカッチョ良さを一番感じる曲ですね。それ程甘すぎず、ビタースウィートなカンジが好きです。
「There Is Someone Else」
この曲も「Slow Dancer」タイプのロマンティックなスロウです。これら2曲の仕上がりの良さがBozにメロウ路線への舵取りを決意させたのかもしれませんね。
「Hercules」
ファンキーさではアルバム随一のこの曲はAllen Toussaint作品のカヴァー。Aaron Nevilleもカヴァーしていますね。「Angel Lady (Come Just in Time) 」と並ぶ僕のお気に入り。
「Pain of Love」
「Sail on White Moon」
ここからはBristol作品が4曲続きます。「Pain of Love」、「Sail on White Moon」は共にスロウですが、「Slow Dancer」あたりとは多少異なる印象を受けます。特に「Sail on White Moon」のロマンティックな仕上がりがいいですね。
「Let It Happen」
この曲は都会的というよりものどかなムードが漂う1曲ですね。AOR以前のBozがお好きな方は、この土臭いテイストも捨て難いですよね。
「I Got Your Number」
「Hercules」と同タイプのファンキー・チューン。こういったブラック・フィーリング溢れる曲が、僕の本アルバムに対する印象を魅力的にしてくれています。
本作のオリジナル邦題は『シスコの顔役』というタイトルでした。
これも海パン・ジャケの影響だったんですかね。
どんな顔役よ!と突っ込みたくなりますが(笑)
ま、しかしこのアルバムを紹介するなら、オリジナルのモノクロジャケでしょう、やっぱり。Rollong Stone誌でも活躍してたAnnie Leibovitzの撮影による一枚だし。
ありがとうございます。
1stもいいですね。Duane Allman参加という特典も嬉しいです。
海パン・ジャケは苦手です(笑)
海パン姿のBozとAORサウンドが僕の中でどうも符合しません。
AOR路線のBozはスーツ姿でビシっとキメて欲しいという僕の願望が強いのかもしれませんね。