発表年:1967年
ez的ジャンル:サイケ/ソフト・ロック系男性ボーカル・グループ
気分は...:意外ですな...
今回は70年代に最も成功した男性ボーカル・グループといえるBee Geesの紹介です。
という説明の通り、Bee GeesといえばJohn Travolta主演の映画『Saturday Night Fever』(1977年)のサントラに収録されていた「How Deep Is Your Love」、「Stayin' Alive」、「Night Fever」という大ヒット3曲の印象が相当強いですよね。
僕の場合、ちょうど洋楽を聴き始めた時期と、これらの曲が大ヒットしていた時期がピッタリ符合するので、「Bee Gees=サタデー・ナイト・フィーバー=ジョン・トラボルタ」みたいなイメージが余計に強いのかもしれません。
Bee Geesは、英国王領マン島生まれのオーストラリア人であるBarry、Robin、MauriceのGibb三兄弟によって結成されたグループです。1963年に一家の移住先オーストラリアでデビューを飾ると、一躍人気ティーンエイジ・ポップ・グループとして成功を収めました。1967年には拠点をイギリス・ロンドンへと移します。
そして、60年代後半から70年代初頭にかけて「Massachusetts」、「I've Gotta Get a Message to You」、「I Started A Joke」、「First Of May」、「Lonely Days」、「How Can You Mend a Broken Heart」等のヒットをUK、USチャートを送り込み、第1期黄金期を迎えます。
その後一時低迷しますが、心機一転マイアミへと渡り、大物プロデューサーArif Mardinとの出会いが、「Jive Talkin'」のヒットを皮切りとしたソウル/ダンス・ミュージックへの接近という新境地開拓を導きました。そして、1977年には前述のとおり『Saturday Night Fever』からの大ヒット・シングル3連発で第2の黄金期を迎えることとなります。
その後も節目節目にヒットを飛ばしますが、2003年のMauriceの死と共にグループの歴史に終止符が打たれました。
Elvis Presley、Beatles、Michael Jacksonといったビッグネームに迫るレコード・セールスを記録していた彼らの軌跡は、ポピュラー音楽史に残るものでしょうね。
さて、今回はそんな長い歴史を誇る彼らのUK、USでのデビュー・アルバム『Bee Gees 1st』(1967年)です。
本作から2nd『Horizontal』(1968年)、3rd『Idea』(1968年)、4th『Odessa』(1969年)あたりまでが初期Bee Geesを代表するアルバムといえるのではないかと思います。
ジャケ写真のように、初期はGibb三兄弟にVince Melouney(g)、Colin Petersen(ds)を加えた5人編成になっています。ちなみにこのサイケなジャケ・デザインはBeatlesファンにはお馴染みのKlaus Voormanです。
ジャケのイメージの通り『Bee Gees 1st』は、サイケでソフト・ロックな仕上がりの印象を受けます。実際、当時はBeatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を意識し、ポスト『Sgt. Pepper's〜』的な唄い文句でプロモしたみたいですね。
僕の場合、初期Bee Geesと聞くと映画『小さな恋のメロディ』の主題歌だった「Melody Fair」あたりのイメージが強かったのですが、本作を最初聴いた時には自分がイメージしている初期Bee Geesとのギャップにかなり驚きました。
それ以降のアルバムと比較しても、本作は少し異質な気がします。
正直言ってBee Geesらしいアルバムとは言えないのかもしれません。
その意味でBee Geesのアルバムを楽しむというよりも、この時代ならではの『Sgt. Pepper's〜』的なサイケ/ソフト・ロック作品を楽しむという感覚で聴くとフィットするアルバムだと思います。
Zombies『Odessey And Oracle』、Hollies『Butterfly』あたりと一緒に聴くとピッタリな1枚ですね。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Turn of the Century」
ストレンジな雰囲気に包まれたこの曲を聴けば、『Sgt. Pepper's〜』を意識せずにはいわれませんね。
「Holiday」
全米チャート第16位となったヒット曲。本作の中では比較的知られた曲なのでは?僕も本作を初めて聴いた時に唯一知っていた曲がコレでした。この美しくも儚いムードがたまりませんね。
「Red Chair, Fade Away」
この曲はモロにBeatles「Strawberry Fields Forever」の影響を受けた曲ですね。このアルバムを象徴する1曲だと思います。僕のように『Sgt. Pepper's〜』的なものを求めている人にとっては、まさにドンピシャな1曲。
「One Minute Woman」
Barryのヴォーカルが前面に出た初期Bee Geesらしいスタイルに仕上がっていますね。
「In My Own Time」
この曲も思い切りBeatlesしていますね。他サイトでBeatles「Taxman」のBee Gees版というレビューを拝見しましたが、まさにピッタリの表現だと思います。
「Every Christian Lion Hearted Man Will Show You」
サイケでストレンジな世界が全開の1曲です。トリップしたサイケな世界で教会のミサを聴いているような異様な雰囲気があります。サイケなものを求めている人のニーズにフィットした1曲です。
「New York Mining Disaster 1941」
彼らのUS、UKでの成功の第一歩となったシングル(全英チャート第12位、全米チャート第14位)。哀愁のメロディの中でBee Geesらしいコーラス・ワークが光ります。
「To Love Somebody」
全米チャート第17位となったヒット曲。サイケ・テイストのアレンジですが、Bee Geesらしい感動的な仕上がりになっているキャッチーな1曲。
「Please Read Me」
Bee Geesらしいとは言えないかもしれませんが、なかなかキャッチーな仕上がりだと思います。
「Close Another Door」
「Red Chair, Fade Away」と並ぶ僕のお気に入り曲。Bee Geesらしい美しいコーラス・ワークと、このアルバムならではのサイケ・ワールドが上手くバランスしている1曲だと思います。
このアルバムから「Stayin' Alive」、「Night Fever」は全く想像できないですね(笑)
メロディ・フェア、マサチューセッツ
→ジャイブ・トーキン→土曜夜熱
この流れは把握していましたし、
それぞれの時代がそれぞれ素晴らしいと思っていたのですが
今試聴できるものを聞いて、冒頭の感想を。。
得意技があると変にこだわりすぎず
幅広い音楽を展開できるんですかねー
ありがとうございます。
>「ボーカル+流行」の魅力なんでしょうか
>得意技があると変にこだわりすぎず 幅広い音楽を展開できるんですかねー
納得です!
流行のみの音楽は薄ぺっらな感じがして嫌ですが、
あまりに流行に無頓着な音楽も退屈ですからね。
そのあたりのさじ加減をうまく心得ていたグループなのかもしれませんね。
Bee Geesの歌って、やっぱりGibb三兄弟が歌わないと、
あの雰囲気にならないところがスゴイと思います。
ところでイルカ軍団はどうしちゃったんでしょうね!
ここまで来たら、残り試合は完全に来季を見越した準備に充てて、
豪快にシーズン全敗で終えてもいいような気がしてきました。
おそらくシーズン全勝とシーズン全敗を共に経験したチームなんて、
NFL史上しばらくは出てこない気がするので(笑)