2007年12月13日

Johnny Lytle『The Loop/New And Groovy Jazz』

「Selim」をはじめスタイリッシュなヴァイヴ・グルーヴ満載☆Johnny Lytle『The Loop/New And Groovy Jazz』
The Loop/New and Groovy
録音年:1965年、1966年
ez的ジャンル:グルーヴィー・ジャズ・ヴァイヴ
気分は... :どん詰まり状態だけど...

スランプ続きで心は閉じたまま...
無理に元気出そうとすると、その反動でますます下げモードに...

まぁ、音楽くらいはノリのいいのを聴かないとねっ!

今回はジャズ・ヴァイブ奏者Johnny Lytleのアルバム『The Loop』(1965年)、『New And Groovy Jazz』(1966年)の紹介です。これらはCD化に際して2in1CDとして発売されたものです。

本当は個別に紹介すべきだとは思うのですが、多分2in1CDのかたちでしかCD化されていないのでこのかたちで紹介したいと思います。勿論、僕が所有しているのもこの2in1CDです。

Johnny Lytleに関する情報は非常に少なく、彼のバイオグラフィーは不明な部分が多いのですが、1932年オハイオ生まれのようですね。トランペット奏者の父、オルガン奏者の母という音楽一家に生まれ、少年時代からドラムやピアノを演奏していたようです。

また、若い時にはボクサーとしても活躍していたようです。Wikipediaで調べたら、Golden Gloves championと書かれていたので、なかなか腕前だったのでは?

ヴィブラフォン奏者としてのJohnny Lytle『Blue Vibes』(1960年)が初リーダー作だと思います。それ以外に僕が知っているのは、『Happy Ground』(1961年)、『Nice And Easy』(1962年)、『Village Caller』(1964年)等断片的に記憶しているリーダー作のタイトルと、1995年に亡くなっていることぐらいです。

そんな中途半端な知識で紹介するのは大変申し訳ないのですが、それでも今回紹介する2枚のアルバムはかなり気に入っています。元々はOriginal Love初期の名曲「Million Secrets Of Jazz」の元ネタ「Selim」が欲しくて入手したものです。

おそらく本作を購入した人の大半は、僕のようにOriginal Loveの元ネタ探しか、本CDのライナーノーツも担当しているAcid Jazzブームの火付け役Giles Petersonのお気に入り作品というのが購入理由だと思います。

今回紹介する『The Loop』『New And Groovy Jazz』の2枚共に60年代半ばの作品ですが、僕は長い間てっきり70年代の作品だと思っていました(購入当時は全然クレジットなど見ていなかったもので...)。その意味では年代不詳の作品であり、いつ聴いても鮮度は高い気がしますね。

Johnny Lytle(marimba、vib)以下、Wynton Kelly(p)、Bob Cranshaw(b)、George Duvivier(b)、Jimmy Cobb(ds)、Peppy Hinnant(ds)、Milt Harris(org)、Willie Rodriguez(conga)等のメンバーが参加しています。Wynton Kellyがなかなか印象的なピアノを聴かせてくれます。

クラブ・ジャズがお好きな人ならば、まず気に入るカップリングだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「The Loop」
タイトル曲はヴァイブに加えて、Johnnyのマリンバも堪能できる1粒で2度美味しい1曲。たまに本作のレビューでエキゾチック・ミュージックの雄Martin Dennyが好きな人にオススメみたいなレビューを見るのですが、僕自身はMartin Dennyを聴いたことがないのでわかりません。でも、この曲なんかエキゾチックな雰囲気がするので、その路線なのかな?

「The Man」
前述のGiles Petersonが自身の番組のテーマ曲に使っていたことで有名な曲ですね。後述する本作のハイライト曲「Selim」のテンポを少し落としたような大人のグルーヴがたまりませんね。

「The More I See You」
「Time After Time」
Wynton KellyのピアノとJohnnyのヴァイヴの絡みがいい落ち着いたムードの2曲。後者はChet Bakerの名唱で知られるスタンダード(Jule Styne/Sammy Cahn作品)のカヴァー。

「Big Bill」
ラウンジ・ムードの小洒落た1曲。まったりとした中にもモンドな香りが漂っています。

「Cristo Redentor」
Duke Pearson作品をマリンバでカヴァー。どこから聴いてもルパン三世のテーマにしか聴こえませんが(笑)

「Shyster」
パーカッシヴなアップ・チューン。クラブ・ジャズがお好きな人は気に入ると思います。

「Hot Sauce」
オルガンとマリンバの絡みがかなり熱いグルーヴ・チューン。前のめり気味の突っ込み感がいいですな。どことなくコミカルな要素もあってB級映画のサントラなんかにも合いそうですね。

ここまでは『The Loop』収録曲です。

「The Snapper」
ここからは『New And Groovy Jazz』収録曲です。オープニングはマリンバのコロコロとした鳴り具合いがいいカンジのラテン・グルーヴ。

「Selim」
本作のハイライト。前述のようにOriginal Love「Million Secrets Of Jazz」の元ネタです。この曲を聴くたびに♪ミ・リ・オ・ン♪シークレッツ〜♪と口ずさんでしまいます(笑)「Million Secrets Of Jazz」を知らない人でも、一度聴けば忘れられない何かを持った曲だと思います。

ちなみにタイトルは敬愛するMiles Davisの名前を逆さまにしたものです。ということでMiles Davis「Milestones」〜Johnny Lytle「Selim」〜Original Love「Million Secrets Of Jazz」と3曲続けて聴くのも、なかなか楽しいと思います。

「Shadow of Your Smile」
アカデミー賞歌曲賞も受賞した映画「いそしぎ」の主題歌のカヴァー。ジャズ・アーティストのカヴァーとしてこの曲を紹介するのは、John Patton『Let 'Em Roll』収録)、Lou Donaldson『Mr. Shing-A-Ling』収録)に続き3回目になります。原曲の持つロマンティックな雰囲気とヴァイヴの響きとが実にマッチしていると思いマス。

「The Pulpit」
軽快なノリがエキサイティングな1曲。本作を購入した当初は「Selim」と本曲の2曲を繰り返し聴いていた記憶があります。

「Too Close for Comfort」
パーカッシヴな展開が心地良いですね。個人的にはスタイリッシュな仕上がりがかなり気に入っています。オリジナルは1956年のブロードウェイ・ミュージカル『Mr. Wonderful』の挿入歌(Jerry Bock/Larry Holofcener/George Weiss作品)。

「Screamin' Loud」
「The Man」と同タイプの曲。Wynton Kellyのピアノがかなりいいカンジですね。

関係ありませんが、サッカーUEFAチャンピオンズリーグは1次リーグが今日で終了しましたね。

リヴァプール、リヨン、シャルケは最後になんとか帳尻合わせてギリギリ突破しましたね。あとはジーコ率いるフェネルバフチェの突破も快挙ですね。この手腕を昨年のドイツW杯で発揮して欲しかったですね(笑)
posted by ez at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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