2008年02月07日

Ivan Lins『Somos Todos Iguais Nesta Noite』

評価が高いEMI四部作の中でも特に人気の1枚☆Ivan Lins『Somos Todos Iguais Nesta Noite』
今宵楽しく
発表年:1977年
ez的ジャンル:美メロMPB
気分は...:いつかきっと...

今日はサウダージな気分!

ということで、MPB(Musica Popular Brasileira)を代表する男性シンガーソングライターIvan Linsの1977年のアルバム『Somos Todos Iguais Nesta Noite』の紹介です。

Ivan Linsは1945年リオデジャネイロに生まれのシンガーソングライター。幼い頃は父親の仕事の関係でアメリカのマサチュ−セッツにも住んでいたようですね。

1970年にブラジルを代表する女性シンガーElis Regina(本ブログでも紹介したMaria Ritaの母親)が、Ivanの曲「Madalena」を取り上げて大ヒットさせたことで、Ivan Linsの名がブラジル国内で注目されるようになりました。

そして、1971年にデビュー・アルバム『Agora』を発表します。1974年には初期の代表作の呼び声が高いアルバム『Modo Livre』を発表しています。本作『Somos Todos Iguais Nesta Noite』でも作詞を手掛けている詩人Victor Martinsとの出会いもこの頃のようです。

EMIに移籍後には、今日評価が高いEMI四部作『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)、『Nos Duas De Hoje』(1978年)、『A Noite』(1979年)、『Novo Tempo』(1980年)をリリースしています。

1980年代に入ると、George Benson『Give Me The Night』(1980年)での「Dinorah, Dinorah」のカヴァー、Quincy Jones『The Dude』(1981年)でのIvan作品「Velas」のカヴァー、Dave Grusin/Lee Ritenour『Harlequin』(1985年)へのゲスト参加、The Manhattan Transfer『Brasil』(1987年)でのIvan作品のカヴァー、Crusaders『Life In The Modern World 』(1988年)への楽曲提供など、アメリカのジャズ/フュージョン系ミュージシャンとの交流を深めていきます。1988年には、数曲を除き英語で歌われた全米進出アルバム『Love Dance』(1988年)も発表しています。

近年では当たり前のように、多くのMPBアーティストの作品が聴ける環境にありますが、80年代頃は一部の熱心なファンの方を除いて、なかなかMPBアーティストの作品を聴く機会がなかったですよねぇ。

おそらく多くの人がIvan Linsの名を知ったのは、前述のような80年代のジャズ/フュージョン系作品を通じてだと思います。僕もGeorge BensonQuincy Jonesあたりでその名を何となく目にし、Dave Grusin/Lee Ritenour『Harlequin』(1985年)あたりで認知度がグンと上がった感じでしたかね。

本格的にIvan Linsの作品を聴くようになったのは、CD時代になってからですね。DjavanJoycePaulinho da ViolaあたりのCDと一緒に購入した記憶があります。

個人的にIvan Lins作品の中で一番お気に入りなのが、今日紹介する『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)です。他のレビュー・サイトなどを見ても、本作をIvan Linsの最高傑作とするレビューが多いみたいですね。

僕がこのアルバムが好きな最も大きな理由は、オープニング曲「Quadras De Rodas」が超大好き!というだけなのですが、改めてアルバムを聴いてみると、アルバム全体としてもIvan Linsらしい美しくサウダージなメロディとセンスの良いアレンジによる完成度の高さが光る作品だと思います。

こんな素敵なアルバムがあれば、今宵は楽しい...

オススメ曲を紹介しときやす。

「Quadras De Rodas」
素晴らしい!の一言に尽きる絶品オープニング。いきなり一番のイチオシです。「O Passarinho Cantou」、「Marinheiro」、「Meu Amor Nao Sabia」、「Agua Rolou No.1」、「Agua Rolou No.2」という5つの小曲のメドレーになっています。

「輪になって踊ろう」という邦題がピタッとはまるメロディ・ライン、リズムと躍動感、コーラスと僕にとっては文句なしの1曲です。Gilson Peranzzettaによるアレンジも絶品です。1回聴いたら、最低4〜5回はリピートして聴きたくなる曲だと思いマス。

「Dinorah, Dinorah」
Ivanらしいメロディとエレピの音色が実にマッチしたライト・グルーヴ。前述のようにGeorge Benson『Give Me The Night』でのカヴァーでお聴きになった方も多いのでは?♪あ〜ヂノラー・ヂノラー♪

「Aparecida」
サウダージ感たっぷりの1曲。やっぱりブラジルものと言えば、こういった哀愁のメロディが聴きたくなりますよね。

「Velho Sermao」
清々しいスピード感が魅力の1曲。ブラジルならではのナチュラルな雰囲気がいいですね。

「Choro Das Aguas」
じんわりと胸に染みてくる哀愁チューン。メロディの良さもさることながら、ストリングスのアレンジがグッドですね。癒される1曲です。

「Somos Todos Iguais Esta Noite (E O Circo De Novo) 」
タイトル曲は、美しいけど何処か切ないIvanらしいメロディ・ラインが印象的です。SSWとしてのIvan Linsの魅力を堪能するには、こういった曲が良いのかもしれませんね。

「Maos De Afeto」
ロマンティック・ムードに溢れる1曲。大人のラブ・ロマンス映画のサントラあたりにピッタリって感じです。

「Dona Palmeira」
コーラス&アレンジのセンスが光るシブ好みの1曲。

「Ituverava」
「Quadras De Rodas」に次ぐ僕のお気に入り曲です。美しいメロディが疲れた心を優しく包んでくれます。Gilson Peranzzettaによるアコーディオンもグッドです。

「Qualquer Dia」
2分にも満たないエンディングですが、「いつかきっと」の邦題のとおり、未来への淡く切ない思いが伝わってくる1曲です。Elis Reginaなどもカヴァーしています。Hip-Hopファンは、NujabesプロデュースのShing02「Luv (Sic) Part Two」のサンプリング・ネタとしてご存知の方もいるのでは?

同じくEMI時代のアルバム『A Noite』(1979年)もお気に入りの1枚です。

あとは『Love Dance』(1988年)も愛聴盤です。英語で歌うIvan Linsなんて、ということでコレは好き/嫌いがはっきり分かれる作品だとは思いますが...

サッカーW杯3次予選は結果こそ4対1の快勝でしたが、内容はまだまだって感じでしたね。
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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