2005年10月24日

John Coltrane『Ballads』

Jazzの求道者John Coltrane の束の間の休息のようなアルバム『Ballads』
バラード
録音年:1962年
ez的ジャンル:Jazzの神様Coltrane入門編
気分は... :たまには気分転換しないとね。

Jazzの“神様”John Coltrane(1926-1967年)の名は、ジャズをあまり聴かない人も聞いたことがアリマスよねっ?

JazzジャイアントColtraneの作品はまさに“スピリチュアル”という言葉がぴったりである。真剣に聴かなければColtraneという宇宙が見えてこない。しかし、その宇宙が見えはじめると、その世界の大きさに驚愕する。そんな崇高な存在がColtraneである。

つまり、Coltraneを聴くということは、聴き手とColtraneの真剣勝負なのだ。だから、Coltraneは街を歩きながらiPodでで聴いたりしない、いや聴いてはいけない。Coltraneを聴く時は家で正座して聴くべし。しかも、体調が悪い時には聴かない(T T)。。

しかし、崇高なColtraneの作品群の中で、そんな身構えなくてもイイ作品が『My Favorite Things』(1960年録音)と『Ballads』(1962年録音)の2枚デス。邪道なジャスの聴き方しかできない僕にとっては、Coltraneのソフトな一面を楽しめるこの2枚が一番聴く頻度が多いッス。個人的には『My Favorite Things』が彼の作品で一番好きなんだけど、最初に聴くColtrane作品としては、その名の通りのバラード集『Ballads』が入りやすいと思いマス。

『Ballads』は、マスウピースの不調から激しい演奏が困難な状況となり、そこからバラード集の企画が生まれたという経緯がある。当時至上のサウンドを求め走り続けていたColtraneにとっては、束の間の休息のようなアルバムだったように思える。他のアルバムと比較して格段に聴きやすいけど、そこらの軟弱Jazzアルバムとは一線を画する“歌心”があるよねぇ。

正統派ジャスファンからは『Giant Steps』(1959年録音)、『Live At The Village Vanguard』(1961年録音)、『A Love Supreme』 (1964年録音)あたりを外すなって怒られそうですが...まぁ、これらは中級者向け作品ということでご勘弁を<(_ _)>

オススメ曲を紹介しときやす。

「Say It (Over And Over Again)」
「Too Young To Go Steady」
「It's Easy To Remember」
この3曲を聴きながら、ブラックコーヒーを飲み、何も考えずボーッとしているのが最高にスキ!特に「Say It (Over And Over Again)」の最初のColtraneのサックスを聴いた瞬間に、柔らかい光が差し込んできたような安らぎを感じることができるんだよね。
Coltraneのサックスはとってもマイルドなんだけど、深〜いコクがある☆そんなコクがコーヒーの苦味にマッチするんだよなぁ。McCoy Tynerのピアノの好サポートもナイスだしね。う〜ん、この3曲だけで大満足♪このまま時を忘れたい気分だね。

「You Don't Know What Love Is」
ハードボイルドの探偵映画のバックに似合いそうな曲。ハンフリー・ボガードあたりがキザに登場!なんてシーンに一番ハマるカンジかなっ。

「I Wish I Knew」
「What's New」
出だしのMcCoy Tynerのピアノが印象的な静寂の中の優しさとも言うべきロマンティックなナンバー2曲。まさに歌い上げるという表現がピッタリの情感溢れるColtraneのサックスを堪能できます。

命をけずりながら音楽活動を続けた求道者Coltraneは1967年7月17日に神の園へと昇天していった。彼の辿り着いた天国は、きっと至高の音楽の園に違いない†(‐‐)
posted by ez at 01:18| Comment(4) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
例のローリングストーンレコードガイドでは『バラード』は他のアルバムに比べさほど評価が高くないのが興味深いです。コルトレーンのアルバムは難解な後期作品群を始め、まだ聴いたことがない作品多しですが(持ってるのは1st、ビリーヴァー、至上の愛、マイフェイバリットシングス、バラード、ソウルトレーン、ブルートレーン、ジャイアントステップス)、中でも『ビリーヴァー』は格別に好きで堪らない一品です。聴いたことがもしなければぜひ聴いて下さい。トップのタイトル曲が目玉、こんなカッコイイ曲があっていいのか…と感激の一曲です。
Posted by マルチP at 2006年05月10日 18:58
☆マルチPさん

ありがとうございます。

Rolling Stone誌が『Ballads』を評価しないのはわかりますね。
基本的に、あの雑誌はメロウなサウンドやオシャレなアルバムを評価しないですからね。AOR系のアルバムなんてまさにそう。
僕はそういったサウンドが大好きなので、その方面ではあのレビューを全く参考にしません(笑)

Coltraneのアルバムは多分20枚前後持っていますが、良く聴くのは『My Favorite Things』、『Ballads』、『Blue Train』、『Soultrane』あたりですね。個人的には、とりあえずこの4枚で十分Coltraneを楽しめると思いマス。

クラブ系リスナーの方は、Pharoah Sandersあたりのスピリチュアル・ジャズが好きな人も多いので、そういった方には『Kulu Se Mama』、『OM』、『Live At The Village Vanguard Again』あたりから入るという聴き方もあるかもしれませんね。かなりドープな世界ですが...

『The Believer』は未聴です。機会があれば聴いてみますね。
Posted by ez at 2006年05月11日 02:38
ギャリソンのベースに耳がいってしまいます。
1967年の日本公演に友達が行ってきて
『さっぱりわからんかった』
と言っていたのが今でも記憶に残っています。
Posted by あばちゃん at 2010年04月12日 02:04
☆あばちゃんさん

ありがとうございます。

本作のような作品ばかりならばColtraneを聴く頻度も多くなると思うのですが(笑)
Posted by ez at 2010年04月13日 03:32
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック