発表年:1995年
ez的ジャンル:正統派ソウル系男性R&Bグループ
気分は... :Jam & Lewis色を出さずに正解!
今回は90年代に突如登場した正統派ソウル・グループSoloのデビュー・アルバム『Solo』です。
Soloは、ニューヨークのストリートでパフォーマンスを続けていたEunique Mack、Darnell Chavis、Danielle Stokesというヴォーカル3人組に、べーシストのRobert Andersonが加わり結成されたグループ。
Jam & LewisのレーベルPerspectiveと契約し、『Solo』(1995年)、『4 Bruthas And A Bass』(1998年)という2枚のアルバムをリリースしています。
今回は1stアルバム『Solo』(1995年)をセレクト。
必ずしも大ヒットしたアルバムではありませんが、当時R&Bファンの間ではとても評価が高いアルバムでしたよね。
正直Jam & Lewis、Perspective絡みということに惹かれて、試聴もせずに買った記憶があります。エグゼクティブ・プロデューサーのみならず、プロデュース&演奏でもJam & Lewisが相当関与していたので、かなりの事前期待を持って購入しましたね。
そして聴いてみたところ、Jam & Lewis好きとしては数曲を除き肩透かしを食った気がしましたね(笑)全くJam & Lewisらしくない...
でもですね。中身はサイコーに素晴らしいんですよね。
ある意味、Jam & Lewis色を出さずに、グループの持つ正統派コーラスの魅力を押し出したことが成功したといえるでしょうね。
あの当時、オーソドックなスタイルで聴かせるヴォーカル・グループのアルバムって、あまり無かったので逆に新鮮に聴こえたんでしょうね。
Sam Cooke、Driftersの名曲カヴァーをはじめとするオールド・スタイルと(90年代当時の)ニュー・スタイルが、うまくバランスしているのがグッドですね。いくら正統派グループといってもアルバム全体をオーソドックス・スタイルで貫かれてしまうと、僕の場合は厳しくなってくるので、そういった意味でも絶妙の塩梅ですね。
本アルバムにNew Classic Soulと書かれていたことから、新世代のR&B/ソウルが“ニュークラシック・ソウル”と呼ばれるようになります。ただし、D'Angelo、Eric Benetといったニュークラシック・ソウルの代表的なアーティストとは全く異なるテイストであり、Soloをニュークラシック・ソウル系アーティストと呼ぶことには違和感を覚えます。
まぁ、そんなことは気にせずに、彼らの素晴らしいヴォーカルを純粋に堪能しましょう。
オススメ曲を紹介しときやす。
「(What A) Wonderful World」
オープニングはSam Cookeの名曲カヴァー。ベース伴奏とコーラスのみというグループの原点をコンパクトに聴かせてくれます。
「Back 2 da Street」
Blackstreetが好きな人が気に入るであろうミッド・グルーヴ。KC & The Sunshine Band「I Get Lifted」、Bobby Byrd「I Know You Got Soul」ネタです。
「Blowin' My Mind」
アルバムの中ではJam & Lewis色が最も出ているミッド・グルーヴ。Jam & Lewis好きの方はぜひ!まぁ、1曲くらいはJam & Lewiらしい曲も聴きたいですからね。
「Cupid」
Sam Cookeカヴァー第2弾。個人的にこの曲好きなんですよねぇ。なので、グッときます。
「Heaven」
アルバムからの1stシングルとして、R&Bチャート第7位のヒットとなりました。Jam & Lewisプロデュースですが、Jam & Lewisらしからぬオーソドックス・スタイルのミッド・チューンです。
「Xxtra」
The Dramatics「In The Rain」をサンプリングしたミディアム・スロウ。「In The Rain」ネタにヤラれる人も多いのでは?
「It's Such a Shame」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。スウィート&メロウ好きには、ど真ん中のスロウ・チューン。コーラス・グループとしての魅力が存分に発揮された絶品の仕上がりです。
「He's Not Good Enough」
アルバムからの3rdシングル。「It's Such a Shame」と並ぶお気に入りスロウ。この曲もメロウ好きにはたまらない出来栄えです。
「Another Saturday Night/Everybody Loves to Cha Cha Cha」
Sam Cookeカヴァー第3弾。「Another Saturday Night」と「Everybody Loves to Cha Cha Cha」のメドレーです。
「Where Do U Want Me to Put It」
アルバムからの2ndシングル。R&Bチャート第8位のヒットとなりました。Marvin Gaye「Sexual Healing」に雰囲気が似ているなんて思っていたら、「Sexual Healing」ネタのリミックス(Sexual Healing Remix)もリリースされましたね。
「I'm Sorry」
Characters(Troy Taylor/Charles Famir)がプロデュースしています。たまたまですが、前回の90年代カテゴリーで紹介したDebelah『Debelah』に続いての登場になります。Jodeciあたりがお好きな人は気に入ると思います。
「Under the Boardwalk」
The Driftersによる名曲カヴァーをアカペラで聴かせてくれます。1分強の小品ですが聴き応え十分です。
「In Bed」
スウィート・ソウル好きにはたまらない、ひたすらロマンティックなスロウ・チューン。適度に抑えも効いていて、くどくない品の良い甘さになっているあたりが絶妙ですね。
「(Last Night I Made Love) Like Never Before」
Curtis Mayfield「The Makings of You」をサンプリングした90年代R&Bらしいミディアム・スロウ。クラシカルなスタイルとこうした90年代モードの曲をうまく織り交ぜることで、アルバムを飽きずに聴けますね。
「Holdin' On」
タイトルからして、Sam & Dave「Hold On, I'm Coming」絡みか?なんて思ったら、全然違いました(笑)。それでもパンチの効いた60年代テイストのソウル・チューンに仕上がっています。
「A Change Is Gonna Come」
最後はSam Cookeの大名曲カヴァーで締めくくりです。これまでの3曲のカヴァーが1分前後のさわりのみって感じだったのに対して、本曲ではたっぷり聴かせてくれます。変にいじらずオーソドックスに聴かせてくれるのがいいですね。
「A Change Is Gonna Come」の後に「Solo Strut」というシークレット・トラックが入っています。The Barkays「Funky Thang」をサンプリングしたファンキーな仕上がりです。
2nd『4 Bruthas And A Bass』(1998年)もPerspectiveからのリリースですが、Jam & Lewisは参加せず、Raphael Saadiq、Gerald LeVertなどがプロデュースで参加しています。
こんな素晴らしいグループがアルバム2枚を残すのみで消えてしまうなんて、勿体無いですなぁ。
まったく同感です。
僕の場合は、Jam & Lewis云々で聴いてたわけではないんですが、でも少し後になってからそう感じたかな。
ホント、たった2枚を残して彼らはどこに行ってしっまったのだろう。ん〜惜しい・・!
2000年にEuniqueが「Make It Real Hot」というアルバムをインディから出しましたね(だいぶ後に知りましたが)。ジャケはSoloと違いサエないんだけど聴きたいな。どこかで手に入らないかなあ・・。
ezさんは持ってますか?
Make It Real Hot
ありがとうございます。
Soloは、あの時代にああいった音が聴けて、正直ホッとした記憶があります。
>2000年にEuniqueが「Make It Real Hot」
>ezさんは持ってますか?
残念ながら持っていません。
試しにネット検索したら、あるショップで約8,000円の値がついていました。
驚きですねぇ〜!
そして僕も検索しました!
でも8,000円は無茶だよなぁ・・。
ありがとうございます。
>癒し系という意味じゃなく。
そうですね。
R&Bもええけど、Soulもサイコーや!ってカンジでしたね。
>でも8,000円は無茶だよなぁ・・。
そうですね。かなりバブルですね(笑)