2008年03月12日

Brother Jack McDuff『Moon Rappin'』

妖しい雰囲気が漂うオルガン・ジャズ☆Brother Jack McDuff『Moon Rappin'』
Moon Rappin'
録音年:1969年
ez的ジャンル:妖しい系ソウル・ジャズ
気分は... :ご機嫌だねっ!

そう言えば、今月号の某雑誌で「Soul/Funk Best100」を載せていましたね。
昨年の60年代、70年代、80年代ロックのBest100に続くものですが、きっとこの手の企画をやると売上が伸びるのでしょうね。

ランキングの中身には言及しませんが、読者層がロック系リスナー中心のあの雑誌で、Soul/Funk系のランキングをやるのはどうかな?って気がします。選者も必ずしもSoul/Funk系の人ばかりじゃないし...ならば、ロック、ソウル/R&B、ジャズ等なんでもアリのベスト100を選ぶ方が、MM誌系の雑誌らしくて面白い気がします。

さて、ここ数日良い事がちょこちょこあって、なかなかの上機嫌です。

そんなご機嫌モードの中で聴いているのが、Brother Jack McDuff『Moon Rappin'』(1969年)です。

ジャズ・オルガン奏者Jack McDuffは2回目の登場になるのですが、前回紹介したライブ作品『Live!』(1963年)の記事の《気分は...》欄にも“ご機嫌だねっ!”ってコメントしていました。僕はご機嫌になるとJack McDuffが聴きたくなるのでしょうか(笑)

Jack McDuffは、Blue Noteを代表するジャズ・オルガン奏者Jimmy Smithに対抗するため、Prestigeが売り出したオルガン奏者ですよね。しかし、そのMcDuff自身も1969年にBlue Noteに移籍します。

移籍第1弾『Down Home Style』(1969年)に続きレコーディングされたアルバムが、本作『Moon Rappin'』です。

メンバーは、Brother Jack McDuff(org)、Bill Phillips (ts、fl、bs)、Jerry Bird(g)、Richard Davis(elb)、Joe Dukes(ds)、Jean DuShon(vo)という布陣です。特別目立った存在のメンバーは居ませんが、その分McDuffワールドを展開しやすかったのかもしれませんね。

全体としては、妖しげなソウル・ジャズって印象ですね。
McDuffの作品の中でも独特の雰囲気を持ったアルバムなのでは?
結構スカスカ&ユルユルな感じが魅力だと思います。

ご機嫌モードの時に、この得体の知れない妖しさを欲する僕はやっぱり少し変わり者なのかなぁ(笑)

全曲McDuffのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Flat Backin'」
サイケで、レイジーで、アーシーなR&Bテイストのグルーヴ感がカッチョ良い演奏です。途中にオルガン・ジャズらしい疾走感あふれるの展開も挟まれて、メリハリがあるのがいいですね。Bill Phillipsの怪しげなフルートが印象的です。

「Oblighetto」
普通のジャズ・ファンならば、「Flat Backin'」やタイトル曲あたりがメインかもしれませんが、Hip-Hopファンにとっては、A Tribe Called Quest「Scenario」、Black Moon「Son Get Wreck」等のサンプリング・ネタになっているこの曲がメインかもしれませんね。僕もソウル・ジャズしているこの曲が一番好きですね。Jean DuShonによる妖しい女声コーラスが印象的ですし、McDuffのオルガンもご機嫌モードです。

「Moon Rappin'」
ジャケのようなコズミックな雰囲気を持った演奏です。全体的にユルい感じがいいですね。McDuffはオルガンのみならず、ピアノ・ソロも聴かせてくれます。これがなかなかグッドです!Jerry Birdのギターも印象的ですね。

「Made In Sweden」
タイトルからすると北欧風の演奏なのでしょうか(そんなことないですね)。この曲もコズミック・モードです。Joe Dukesのドラムが目立ちますね。まるでリズムで宇宙人と交信しているようです(笑)このドラムを聴いているとドラムン・ベースが聴きたくなるのは、なぜだろう?

「Loose Foot」
この曲が一番のオルガン・ジャズっぽいかもしれませんね。まぁ、1曲くらいオーソドックスな演奏があってもいいかもしれませんね。

それにしても、このジャケはBlue Noteらしからぬダメダメ・ジャケですね(笑)
posted by ez at 00:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オルガンジャズはそのチープさが大好きで、「Jimmy Smith御大とその他のヒト」って構図であれこれ聴いてましたが、どういう訳かJack McDuff先生はコレしか持ってないんですよ。偶然!

いやぁ、久しぶりに引っ張り出して聴いてしまいました。あまりジャズっぽくないな・・と思って忘れてましたが結構イイっすね。この妖しさに以前はピンとこなかったのかも。リマインドありがとうございました〜!

ジャケはダメダメというより何なんでしょうね?これは?(笑)
Posted by Kaz at 2008年03月22日 00:56
☆Kazさん

ありがとうございます。

> あまりジャズっぽくないな・・

確かに、オーソドックスなオルガン・ジャズを想像すると、
少し違和感があるかもしれませんね。
でも、このスカスカ&ユルユルな感じが好きですね。

> ジャケはダメダメというより何なんでしょうね?これは?(笑)

録音年がアポロの月面着陸の年だけに、月への憧れを表現したかったのでしょうか?
Posted by ez at 2008年03月22日 13:02
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック