2008年03月23日

Bill Evans『New Conversations』

エレピも演奏した対話シリーズの第三弾☆Bill Evans『New Conversations』
New Conversations
録音年:1978年
ez的ジャンル:三重録音ピアノ・ソロ
気分は... :もう一人の自分と対話してみる...

Bill Evansの5回目の登場です。
これまで以下の4枚の作品を紹介してきました。

 『Alone』(1968年)
 『Waltz For Debby』(1961年)
 『Portrait In Jazz』(1959年)
 『Undercurrent』(1962年)

どうしても1950年代後半から60年代にかけての活動が注目されるBill Evansですが、晩年の作品もなかなか味わい深いものがあります(Evansは1980年9月に死去)。

個人的には『I Will Say Goodbye』(1977年)、『New Conversations』(1978年)あたりがよく聴く晩年の作品です。あとは未購入ですが、『You Must Believe in Spring』(1977年)、Toots Thielemansとの共演作『Affinity』(1978年)もオススメですね。

そんな晩年の作品の中から『New Conversations』をセレクト。

タイトルからわかる通り、『Conversations with Myself』(1963年)、『Further Conversations with Myself』(1967年)と続いた“対話シリーズ”の第三弾という位置づけになると思います。

『Conversations with Myself』(1963年)は、自身のピアノをオーヴァー・ダビングしたアルバム。タイトルの通り、自分自身と対話をしながらストイックにピアノによる新たな表現を追求した作品だと思います。1967年にはその続編となる『Further Conversations with Myself』を録音しています。

そして、『Further Conversations with Myself』から10年以上の歳月が流れ、再び自己と対話した作品が『New Conversations』です。

ピアノに加えてエレピも演奏している点が、それまでの2作と大きく異なります。
僕が本作を気に入っているのも、エレピ・プレイが聴ける点が大きいかもしれませんね。

全曲紹介しときやす。

「Song for Helen」
タイトルから察するに、1973年に自殺した最初の妻Hellenに捧げられたものでしょうか(HellenではなくHelenですが)?静寂に包まれた中で、Bill Evansらしい緊張感と美しさに充ちた演奏を聴くことができます。エレピを演奏してもBill EvansはBill Evansですね。

「Nobody Else But Me」
ミュージカル『Showboat』のために書かれた楽曲です。Oscar Hammerstein II/Jerome Kern作品だと思うのですが、クレジットにはAndrew Sterling/Bartley Costelloと書かれています。詳しいことは僕にはわかりません。エレピがかなり目立っています。

『Quintessence』、『I Will Say Goodbye』にもボーナス・トラックとして収録されています。。

「Maxine」
「For Nenette」
エレガントな演奏を堪能できる2曲。「Maxine」ではエレピの音色がミステリアスな雰囲気を醸し出しています。「For Nenette」あたりは『Alone』あたりがお好きな人は気に入る演奏なのでは?

「I Love My Wife」
1977年に初演されたばかりのブロードウェイ・ミュージカル『I Love My Wife』の楽曲を取り上げています(Michael Stewart/Cy Coleman作品)。静と動のコントラストが対照的な演奏がグッドです。

「Remembering the Rain」
アルバムで一番のお気に入り曲。Bill Evansらしいリリカルなピアノを堪能できます。ただただ美しいEvansのピアノに酔いしれたい方にはオススメです。

「After You」
Cole Porter作品。Cole Porter作品をBill Evansが演奏する...想像するだけでロマンティックな仕上がりですよね。

「Reflections in D」
Duke Ellington作品。昔TVでこの曲を演奏するEvansの映像を観たことがあります。このため、僕の中では晩年のEvansを象徴する曲としてインプットされています。Bill Evansらしい“わび・さび”の音空間を堪能することができます。

晩年のBill Evansって、まさに悟りの境地の中で演奏していたようですよね。
posted by ez at 00:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして♪
いきなり失礼します。
backstreet boysで検索してたら
ここにたどり着きました。
Bill Evansめちゃ癒されますね>ω<

ブログよかったら遊びにきてください!
主にスキなアーティストを紹介してます。
Posted by emma at 2008年03月23日 14:03
☆emmaさん

ありがとうございます。

Bill Evansのピアノって、和の佇まいがあるようでいいですよね。
なので、日本人には特にグッとくるのだと思います。

これからもお気軽にお立ち寄り下さい。
Posted by ez at 2008年03月24日 00:00
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