発表年:1979年
ez的ジャンル:ファンタジー&スペイシー系ポップ
気分は... :謎が解けてスッキリ!
月末までバタバタになりそうですが、とりあえず1つ大きなヤマを終えた感じです。と言いつつ、あと2つ位はヤマが残っていそうですが(泣)
今日はJeff Lynne率いるElectric Light Orchestra(E.L.O)の紹介です。
E.L.Oって、おとぎの国のファンタジー・サウンド、近未来のスペイシー・サウンドって、イメージが強かったですよね。あとは多くのE.L.Oファン同様、彼らにBeatlesやPaul McCartney & Wings的なものを求めていた記憶があります。
BeatlesやWings大好きだった僕にとって、E.L.Oは当然ながらお気に入りグループだったのですが、ある時期からJeff Lynneによるポップ職人的サウンドを暑苦しく感じるようになっていました。
Olivia Newton-John絡みで以前に紹介したことがある『Xanadu』(1980年)や「Hold on Tight」や「Twilight」(『電車男』のオープニング・テーマやCMでお馴染みですね)収録の『Time』(1981年)あたりも、リアルタイムでは夢中になって聴いていましたが、今聴くとイマイチな印象かもしれません。
一言で言うとクドイんですよね。
1、2曲聴くならいいんですけど、それ以上聴くと胃もたれしてくる感じでしょうか。
そんな僕が唯一今でも大好きで、頻繁に聴くアルバムが今日紹介する『Discovery』(1979年)です。
中学生の時に聴いた本アルバムが、僕にとってのE.L.O初体験でした。
本作収録の「Shine A Little Love」、「Confusion」、「Need Her Love」、「Last Train To London」の4曲は、そのままE.L.Oマイ・ベスト4です(ベスト3にしたかったのですが、どの曲も落とすことができません)。
この作品だけは先に述べたクドさを全く感じないんですよね。
不思議だなぁ...
初めて聴いたE.L.O作品だからなのか?
シングル・ヒットが多数収録されているからか?
『アリババと40人の盗賊』をモチーフにしたジャケが良いのか?
あれこれ考えてみましたが、自分自身で納得できる説明が、なかなか見つかりません。そんな中、本作に関する情報をネット検索していたら、某レコード・ショップのサイトで本作に関するこんな説明を見つけました。
タイトルの通り、“Disco-very”なディスコ・サウンド!
思わず納得してしまいました。
そうなんですよ。このアルバムって結構ディスコチックなんですよね。
このディスコ・テイストが、現在の僕の音楽嗜好にもマッチしているからこそ、お気に入りなのだと思います。
自分の中の謎が解けて、何かとってもスッキリしたなぁ。
正統派E.L.Oファンの方は、本作からメンバーが4人になったとか、シンセ・サウンドを本格的に導入したとか、いろいろ説明したいのかもしれませんね。僕の場合、そうしたことにはあまり興味がなく、それよりも本作を以下の2組のアーティストと結びつけたくなります。
1組目は、本ブログでも人気の80年代最高のポップデュオHall & Oatesです。
Hall & Oatesは本作『Discovery』の翌々年に、「Private Eyes」と「I Can't Go For That (No Can Do)」という2曲の全米No1ヒットを飛ばして大ブレイクすることになります。
「Private Eyes」と「I Can't Go For That (No Can Do)」の2曲を聴くと、本作収録の「Shine A Little Love」、「Last Train To London」の2曲が聴きたくなります。
特に、「Last Train To London」は「I Can't Go For That (No Can Do)」とセットでマッシュ・アップ的に聴いても全く違和感ないと思います(笑)そう思い始めると、「Shine A Little Love」と「Private Eyes」の組み合わせも悪くないと思います(こちらは相当強引ですが)。でも、ハンド・クラップの感じなんてドンピシャですよね!
2組目は、日本でも大人気のフランス出身のハウス・ユニットDaft Punkです。
何故か本作を聴いていると、タイトルが本作と同名のDaft Punkの2ndアルバム『Discovery』(2001年)が聴きたくなります。年代も音楽ジャンルも全く異なる2つのアルバムですが、単にタイトルが同じというだけに止まらない共通項を感じるのは僕だけでしょうか?ボコーダー使いのテイストなんかも似てませんか?
Daft Punk『Discovery』では、シングル「One More Time」をはじめ松本零士が制作したアニメのPVが話題になりましたが、あのPVのバックに本アルバムの収録曲を流してもマッチすると思います。
なんて事も含めていろんな楽しみ方が出来るアルバムです。
ここまででかなり長くなってしまった。
意外と書きたいことあった作品でした(笑)
全曲紹介しときヤス。
「Shine A Little Love」
アルバムからの1stシングル。全英シングル・チャート第6位、全米ポップ・チャート第8位のヒットとなりました。この曲こそが僕が初めて聴いたE.L.Oソングでした。よく聴けば、ミラーボールがよく似合う“Disco-very”なサウンドですよね。♪You shine a little love on my life〜♪のところは思わずハンド・クラップしてしまいます(笑)
「Confusion」
シングルにもなった人気曲。E.L.Oらしいファンタジー&スペイシーなポップ・チューン。Phil Spectorに対抗したE.L.O版Wall Of Soudといった仕上がりです。全体的にほんわかムードなのがいいですね。ボコーダーを使っているあたりも僕好み!
「Need Her Love」
シングル曲ではありませんが、美しいメロディの大名曲だと思います。僕の中では、先日紹介したBeatlesマイ・フェイバリット・ソング「Here, There and Everywhere」あたりと同じテイストを感じます。BeatlesフリークJeff Lynneの面目躍如といったところでしょうか。
「The Diary Of Horace Wimp」
この曲はとてもPaul McCartney的ですよね。 Wings50%とBeatles50%って配合率の仕上がりです。この曲もボコーダー使いが印象的です。
「Last Train To London」
前述の「I Can't Go For That (No Can Do)」とセットで聴きたくなる1曲。シングルにもなりました。この曲もDisco-veryなサウンドが魅力です。
「Midnight Blue」
Eric Carmenあたりがカヴァーするとピッタリな感じのバラッドです。
「On The Run」
「Twilight」が好きな人は気に入るであろうE.L.Oらしいキャッチーなポップ・チューン。
「Wishing」
地味だけど、メロディの良さが光る1曲。
「Don't Bring Me Down」
全英シングル・チャート第3位、全米ポップ・チャート第4位となったヒット曲。と言いつつ、当時の僕の記憶に全く残っていません。他のシングル曲は鮮明に憶えているのですが。今聴いてもイマイチな曲という気がします(笑)
きちんとE.L.Oワールドにハマりたい方は、『A New World Record』(1976年)、『Out of the Blue』(1977年)あたりのアルバムも是非どうぞ!
僕の場合は、「Discovery」まではスペイシーな印象は薄く、むしろ初期のキャッチフレーズの「ロックとクラシックの融合」した少々野暮ったいが極上のポップミュージックって感じかな?
それにしてもHall&Oatesとのマッシュアップとは、確かに言われてみれば・・ですね。全然気付きませんでした!(笑)
でも、今後どちらかの曲を聴くときはもう片方が頭の中をチラつきそうで。。
ありがとうございます。
> 「Discovery」まではスペイシーな印象は薄く、
初期〜中期の作品をきちんと聴くと、「ロックとクラシックの融合」というイメージが強いのでしょうね。
> Hall&Oatesとのマッシュアップとは
あの頃のディスコ/ダンス系って、Chic「Good Times」とQueen「Another One Bites The Dust」に代表されるように、似たような楽曲が結構ありましたよね。昔は似たような曲を発見すると、後発の曲に嫌悪感を抱いたのですが、最近は楽しめるようになりました。これもサンプリング文化に毒されてしまったせいでしょうか(笑)
「テレフォンライン」がず〜っと一位だったのが印象に残っています
あとELOというとNHKのヤングミュージックショー。
ベートーベンをぶっとばせ!という字幕が画面いっぱいに出てビックリしました。
曲が似てるって事で思い出したのは
友達が車でマイク&メカニックスをかけていたのに
僕は「これELO??」って聞いちゃって恥をかいたことがあったっけ。。。
ありがとうございます。
初期〜中期ELOには、『Discovery』以降のシンセ満載サウンドとは異なる魅力がありますよね。
> マイク&メカニックスをかけていたの
Mike & The Mechanics懐かしいですね。
シングルヒットした「Silent running」を思い出します。
お〜懐かしい。
それは、「ダイヤトーン ポップスベストテン♪」ってシリア・ポールがDJやってた番組ですよね?
アルバムをフルでオンエアしたりしてませんでしたっけ?(それは別番組だったかなあ・・)
僕もよく聴いてましたよ〜。
あと、ヤングミュージックショーのELOを録音したカセットが今でも押入れの奥のどこかにあるはずです。
(ベロベロに伸びきった120分テープの片面に・・、裏はStonesだったかな?)
昔話でスイマセンでした。
懐かしくてつい反応してしまいました。
ELOは非常に好きなバンドで、最初期から『ズーム』まで、どれも気に入ってますが、やっぱり、三枚目から『ディスカバリー』辺りまでが凄いですね。
確かにくどいサウンド作りが目立ちますね。
でも曲そのものは優秀メロディの宝庫で、レノン&マッカートニー並といわれるほどでした。
70年代中期の頃のライヴでは(『フェイス』や『オーロラ』の頃)、そのくどいサウンドがナチュラルに解き放たれて、生の弦楽合奏とともに更に魅力的なものになっていました★。
ありがとうございます。
> 三枚目から『ディスカバリー』辺りまでが凄いですね
ELOがお好きな方はそうなのでしょうね。
Betalesライクなポップ・センス全開なのが、そのあたりなのでしょうね。