発表年:1969年
ez的ジャンル:エネルギッシュ&キュートMPB
気分は... :何とか900回目!
今回で900回目のエントリーになります。
ここまで来たら1,000回を目指したいですね。
僕は自分自身が音楽をより楽しむために、本ブログを書いています。
基本は"楽しむ"ことです。そして、僕なり楽しめる音楽の聴き方がこれまでのエントリーに反映されていると思います。
また、本ブログは音楽好きのブログですが、音楽マニアのブログではありません。
年代、ジャンルは幅広いですが、各ジャンルを眺めるとマニアックな作品というのは少ないと思います。基本はAmazonで入手可能な作品を紹介するようにしていますので。
書いている内容も基本的には好き/嫌い、●●な感じといった類のもので、音楽的な内容には全く触れていません。というか書けません。
僕は音楽を聴くのに、余計な知識は必要ないと思っています。知識があればより楽しく聴けることがあるのも事実ですが、それはプラスαの要素で考えれば良いという気がします。知識に頼らず自分の好きな音楽を感じ取る感性の方が、はるかに大事だと思います。
音楽なんて十人十色の嗜好が合って当たり前だし、殆どの人が酷評するアルバムがお気に入りであっても全然構わないのでは?
自分の基準で、自由に楽しく、知識ではなく感性で音楽を聴くというスタイルで、これからもエントリーを重ねたいと思います。
さて、区切りの900回目エントリーにセレクトしたのがElis Regina『Elis Regina in London』(1969年)☆
Elis Regina(1945-1982年)は、1960年代から1970年代にかけて大ブレイクしたブラジルで国民的人気を誇った女性シンガーです。“台風エリス(Furacao ELIS)”と呼ばれるほど激しい気性の持ち主でもあったようです。また、Milton Nascimento、Edu Lobo、Ivan Lins等彼女に楽曲を取り上げられたことで、広くその名が知れ渡った歌手も数多く存在します。1982年に36歳の若さで死去。
今年に入って、Elis Reginaをよく聴いています。
そのきっかけを作ってくれたのがElisの娘Maria Ritaです。
昨年末の『ezが選ぶ2007年の10枚』にもセレクトしたMaria Ritaのアルバム『Samba Meu』を聴いて以来、母親のElisのアルバムもよく聴いています。
今回は数あるElis Reginaの作品の中でも最高傑作の呼び声が高い1枚『Elis Regina in London』(1969年)を紹介します。
1968年、1969年と精力的にヨーロッパを巡演したElisが、イギリスのPhilipsのオファーによりロンドンで録音したのが本作『Elis Regina in London』です。
1969年のElis Reginaは、本作以外にもToots Thielemans との共演作『Aquarela Do Brasil』、"麦わらElis"の愛称でお馴染みの『Elis, Como e Porque』といった作品をレコーディングしており、まさに乗りにノッていた時期と言えるのではないでしょうか。
『Elis Regina in London』は、Elis及び彼女のバックバンドのメンバーとPeter Knightが指揮するオーケストラによる一発録音であり、わずか2日間のセッションで完成させたそうです。結果として、当時のElisの勢いがダイレクトに伝わってくる作品に仕上がっていると思います。
ヨーロッパ向け作品ということで、Elisの当時のレパートリーを幅広く網羅した選曲もグッドですね。
全曲紹介しときヤス。
「Corrida De Jangada」
オープニングはEdu Lobo作品。元気一杯のElisのヴォーカルがバックの演奏をグイグイと引っ張ります。「帆掛け舟の疾走」という邦題のように、疾走感に溢れたゴキゲンなアップ・チューンです。
「A Time For Love」
イギリス、ヨーロッパ向け作品ということで英語の楽曲を取り上げています。Johnny Mandel作品のこの曲は本ブログでもBill Evans、Jack Wilsonの演奏を紹介しています。ここではPeter Knight指揮のオーケストラをバックにエレガントな仕上がりになっています。
「Se Voce Pensa」
ブラジル・ポップ・ロックの雄Roberto Carlos(サッカー選手ではありません)作品。Elisのヴォーカル、バックバンドの演奏ともにハイテンションで飛ばしまくっています。特に、Antonio Adolfoのピアノが超ゴキゲンです。エキサイティングな仕上がりに大満足な1曲。
「Giro」
前曲でも大活躍だったAntonio Adolfo作品。ポップでキュートな仕上がりです。この曲は『Elis, Como e Porque』にも収録されているので、聴き比べてみるのも楽しいのでは?
「A Volta」
バンド・メンバーRoberto Menescalの作品。ブラジルらしい哀愁モードに溢れたエレガントな仕上がりです。
「Zazueira」
Jorge Benによる名曲ですね。元々大好きな曲なので、それをElisが歌ってくれるだけでサイコーですね。この曲のみElisのヴォーカルをオーヴァー・ダビングしています。
「Upa Neguinho」
Jorge Benに続き、今度はEdu Loboの名曲です。クラブ系の音楽がお好きな方にはたまらない1曲ですよね。
「Watch What Happens」
英語による楽曲2曲目。映画『The Umbrellas of Cherbourg』でもお馴染みのMichel Legrand作品。ロマンティックな仕上がりです。
「Wave」
「How Insensitive」
大御所Antonio Carlos Jobimの名曲を2曲。これらボサノヴァ・スタンダードを、かなり大胆なアレンジでアップ・テンポに聴かせてくれます。とても新鮮ですね。
「Voce」
「O Barquinho」
Roberto Menescalの作品2曲。特に「O Barquinho(邦題:小舟)」は名曲ですね。「Voce」はキャッチーなボッサ・チューンに仕上がっています。「O Barquinho」はエレガントなブラジリアン・グルーヴに仕上がっています。この曲は『Elis, Como e Porque』にも収録されています。
前述の『Aquarela Do Brasil』、『Elis, Como e Porque』といった作品やAntonio Carlos Jobimとの共演作『Elis & Tom』あたりもぜひ紹介したいと思います。
この作品、私も愛聴しています!
CD化される前はLPがかなりの高額で取引されていたので手が出なかったのですが、輸入盤に出会って即、購入。
それ以来、虜ですね。
さらにめでたく国内盤が発売されましたが、それも買いました^^;
娘さんもCD出されていたのは存じ上げませんでした。今度チェックしてみます!
ありがとうございます。
『Elis Regina in London』サイコーですね。
有名曲が多くセレクトされているのが嬉しいです。
> 娘さんもCD出されていたのは存じ上げませんでした。
娘のMaria Ritaもこれまで3枚のアルバムをリリースしています・
もはやElis Reginaの娘という説明は不要なくらい、確固たる地位を築いています。
機会があれば、ぜひ聴いてみてください。
これからもお気軽にお立ち寄り下さい。
よろしくお願い致します。